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森で美少女に助けられた  作者: 碧水
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1話 出会い

…誰かこの状況を説明してほしい。

見渡す辺りは木、木、木!そして何故か私は今狼のよ

うな姿をした深い真紅色の獣に追いかけられている。



数分前、確かに私は自宅のお風呂に浸かっていたはずなのだ。

そう、ことの発端は換気のために窓を開けたことだった。窓を開けた瞬間頭がくらっとして窓に引き寄せられた。そして、気づいたらここに放り出されていたのだ。

まあつまり私は現在裸なわけで、裸で森を全力疾走しているわけなんだけれど、これって他人がみたら完全なる痴女だよな。なんて思う。


周りに人が居ないのが不幸中の幸い?

いや人居ろよ!!

誰か…もう足が限界…



「誰かああ……助け…て!何でも…言うこと…聞くからぁ…もうムリ…助けてぇ!!」



息を切らして、泣きながら私は叫んだ。

誰も居ないのは分かってるけど叫ばずにはいられない。息が苦しい。



足が異様な音を立てる。

次の瞬間、視界が大きく揺れた。

一瞬何が起きたのかわからなかった。

顔に土が纏わりつく。石か何かにつまづいて足を挫いたという事を理解するのに数秒かかった。



痛みに気を取られたのも束の間。獣の唸り声が聞こえる。もうすぐそこに来ている。恐怖で痛みなど吹っ飛んだ。

急いで立とうとするが足に力が入らない。

力を入れようとすると人形のように足がストンと落ちる。



顔から水という水が流れ落ちた。


(ちきしょう…私はここで終わるのか…?)


土と鼻水と涙と汗が混ざり合う。

…気持ち悪い。


(こんなわけのわからぬまま、見ず知らずの土地で?)


そう考えると、恐怖と共に怒りが湧いてきた。

なんで私がこんな目に遭わなければいけないんだ。

あの時風呂の窓さえ開けなければ。

そもそもなんで風呂の窓が森に繋がってるんだ。

ふざけんな!!



足音が近くで止まった。

食べられる!そう思った時、意識が遠くなっていくのを感じた。



遠くで声が聞こえた気がしたーーーー

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