ガイノイド・サユリになれた!
ようやく機ぐるみが完成したというので、一度着てみることになった。あたしは体操服姿になって機ぐるみアンドロイドのパーツをつけてもらうことになった。
足の先からアンドロイドの機ぐるみを嵌めていった。途中、関節部分にパーツが当たって痛いといったら、アスリート用のサポーターをつけてもらった。こんな事も判らないのかと、思ってしまった。
この機ぐるみは少々こけても外れないようにするため、パーツをつけるたびにネジ締めする設計になっていた。そのため一度着てしまうとカスミは自分では脱げなくなってしまうものだった。文字どうり私は閉じ込められてしまった。
最初のうちは立ってやっていたけど、腰の所まで着装が終わった時点で私が疲れたといったので、一度休憩してもらった。その時一度トイレに行かせて貰った。今日は金曜日で明日学校が休みとはいえ、はじめての着装だからハプニングがあるかもしれない。取り合えず今日は遅くなると家には連絡していた。
休憩終了後、着装作業の続きを始めた。出来る限り急いで完成させるためサークルのスタッフは五人になっていた。この様子を眺めたら私は本当にメタリックな改造人間にされているような光景であった。
そして私は首から下は完全にアンドロイドになってしまった。すると兄貴の部活の部長がこのアンドロイド機ぐるみの名前を「サユリMARK7」と命名した。サユリとはロボット研究会が代々女性型ロボットに命名している名で、なんでも初代会長を振った彼女の名前だという。わたしってモノか!
この時から私はアンドロイド機ぐるみを着ている間、”サユリ7”などと呼ばれることになってしまった。
この時、私は中間試験の勉強疲れで意識が朦朧としていて、自分が機ぐるみを着せられている間居眠りしていた。そのため完成だと騒ぐ声で目が覚めたが思わず。
「格好いいですけど、わたしはアンドロイドじゃありません! でもアンドロイドのマスクをした時からあたしはサユリ7になりきります!」と良くわからないことを寝言で言っていたという。