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とんな機ぐるみになるだろう
普通女の子が着たいと思うのは可愛らしいコスプレ衣装などであるが、カスミが着たいと思ったのはメタリックなボディを持つアンドロイド、いや女性型だからガイノイドのスーツだった。
これは幼い頃に見た、メタリックヒロインに憧れてのもので、メタリックな質感がより一層女性らしさを際立たせていると感じたからだ。
一応、自分の案が通ったようであるが、いくら3Dプリンターといった最新鋭の機材を投入しても、アマチュア集団が作る機ぐるみである。どのような出来になるかは想像できなかった。そのため不安が強かったが期待もまた強くあった。
うぬぼれであるが、可愛い自分がもし機械の身体になったら、その時周囲の男はどのような反応を示すのだろうか、興味があった。この姿に憧れているのも甲冑姿のようなスーツを着れば強くなった気がするのではないかと思ったからだ。
もっとも、通常の着ぐるみよりも動きに悪そうだし熱そうだった。だから兄達が着易い物を作ってほしいと願っていた。
「兄貴達もわたしのことをきちんと考えてよね。内臓だって主張したいのだから」