7、secret
私は下を向きあの時翔くんが
何を私に伝えたかったのか考えてみた。
『は、は…る。』
「え?」
初めて分身に名前を呼ばれて
身体がビクっとなる。
『いやぁー。名前で呼んじゃ…ダメかなぁーって』
「大丈夫だょ。」
私は分身に微笑みかける。
「そうえば…分身にも名前あるの?
それが不思議だった。
私から出てきた分身。
名前なんて…あるのかな?
『Rain。』
「へ?」
『名前…レインだょ。』
へぇー。分身にも名前ってあるんだぁ。
しかも発音いいなぁー
レインって外人!?
・・・なわけないよね。
「はぁーるちゃん。」
いきなり後ろから抱きついてきた蓮さん。
話は済んだようだ。
「蓮!春から離れろ。触るな。近づくな。」
翔くんは怒って蓮さんの手をつねる。
「いてててて…いてーよ!」
翔くんって…怖いんだなぁ。
「春、これから出かけよ。」
「へ??」
意味わかんない。
なぜ私を誘うの?
彼女いるじゃん。
「由衣と行ってきなよ。」
私は少し空しいようで…寂しい。
くすぐったい気持ちになった。
「好きなのに…」
「…。」
『何であんな事いったの?』
「わからなくて、好きなのはわかった。
けど…もしかして、二股?」
私はまた心が傷つきそうで、
怖かった。
「なわけねーだろ!
僕はいつまでも春を守るし
ずっと傍に…」
「じゃあどうして!」
「ごめん。今は…言えない。」
隠し事。
私の嫌いな事。
いきなり蓮さんが私の耳元で囁く。
「春ちゃん。今君は守られてるの。
もし、君が彼に守られなかったら…。
どうなってただろうね。」
蓮さんはそれを言うと屋上から去っていった。
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