3、My Dear Love
「よくないょ…。」
『じゃあ…!』
「でも!友達が…由衣があんな嬉しそうな顔して
私にいってきたの…私は由衣を裏切れないよぉー…。」
由衣は…由衣だけは私を理解してくれた。
自分がどんなことになろうとも、
私を守ってくれた。
私は由衣を親友といってもいい存在。
「それだけ…大切なの…。」
私は泣きながら自分の気持ちを言った。
『それで…翔…彼のことは諦めるの?』
「う…そ、それは…」
そうするしかないのかもしれない。
屋上のドアが開く音がした。
誰…?
「春…?大丈夫?」
「え?」
私に優しく声をかけてくれた…
やっぱり…好きだよ。翔くん。
「春?泣いてるの?」
『心配してるみたいだょ?』
「なんでここに…きたの?」
「え?だって春の声が聞こえたから」
彼の顔は本当に心配そうで、
いつもの笑顔じゃなかった。
彼は手を差し伸べる。
「ほら、起きて。」
その大きい手が…優しそうで
ずっと握っていたいくらいに、
愛らしくて。
「もぉ…ほぉーら!」
彼は私の手をつかもうとした。
その時私は…由衣の顔が頭の中をよぎった。
「ヤダ!!」
私は彼の手を振り払った。
勢いにたたきすぎてパンッという音が鳴った。
『おかしい…』
分身はつぶやいた。
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