7.秋路の再会
また短いですが、更新します。
やっと秋路の話の本題になってきました。
うう…、疲れた…。
会社で期待されている秋路には、本来こなす仕事が山のようにある。
しかし、優しすぎる秋路は最近心労が絶えなかった為、ここのところ仕事効率が落ちていた。
見かねた上司に叱咤激励され、滞っていた仕事をやっつけ残業をし、日付が変わろうとする頃やっと最寄駅に帰って来れたのだった。
疲れていても、秋路はここの駅前コンビニへ足が向かってしまう。
明日は休みだし、朝飯でも買っていくか…。
「いらっしゃいませー」
疲れ目に眩しいくらいの店内に入ると秋路は店の奥へ進む。
そう、美形に助けてもらってから、ストーカーはぱったりと無くなったのだ。
このコンビニでもストーカーに会うことも全くないから、きっと美形にも迷惑は掛けていないのだろう。
秋路はここ数日、毎日駅前のコンビニに立ち寄って、気づけばあの美形を探していた。しかし、毎度あの美形には会えず、空振りに終わっている。
だが、気づけば今日も朝に加えて2度目の来店だったりする。
今日などは、こんな遅くにあの美形がいるハズもないし、また会える可能性なんてほとんどない。もう半分諦めている秋路は、適当に食物を手に取り、レジに持っていく。
「ありがとうございます」
…ピッ、ピッ
秋路は財布を出しながら、なんとなく商品をスキャンする店員を見ると、目を丸くした。
店員は探していたあの美形だった。
「あ!この間の…!」
驚きのあまり秋路は、叫んでいた。
「あぁ、あの時の」
美形は手を止めて、秋路を見ると静かに呟いた。
「あの、お礼したいんです!この間のことも色々聞きたいし…。今度時間ありませんか!?」
秋路はもう無意識に自分の名刺を出しながら言った。
「連絡先教えてください!」
なんだか、よく分からないが秋路は必死だった。