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10.二人のおんなじ

数日後。秋路は仕事帰りに店で由子と待ち合わせをした。

もちろん、彼女である秋子には相談済みだ。

「あきちぃ!」

後から待ち合わせの店に来た由子に背中をポン!と叩かれた。

「あれ?キョーちゃんはいないの?」

言いながら由子は秋路の向かいの席に座る。

「あぁ、今日はちょっと由子に話さないといけないことがあってな」

「え?」



料理の注文を終えると、秋路は話しを切り出した。

「で、話なんだけど…この間、三人で飲みに行っただろ?」

「う、うん」

由子は戸惑いながらも頷く。

「で、あの時酔って、おまえ年下の彼氏がいること暴露したんだ」

「え!?…ウソ!」

由子は驚愕して青ざめた。

「由子、落ち着け。大丈夫、享子にはこれからでもちゃんと話せばわかってくれる」

「うん、そうだね。話せばきょーちゃんはわかってくれると思う。でもハッキリ説明したらキョーちゃん絶対会いたいって言うだろうし…」

由子はうつ向き涙ぐむ。

「まぁ、そうだろうなぁ…」

保護者宜しく有無を言わさず、由子の彼氏になんとしても会おうとするに違いない。それは、秋路にでさえ容易に想像できた。

(だけど、それはかなり厳しい。なんたって由子の彼氏は…)

すると少しして由子が話し出した。

「あのね、あきちぃ…相手19歳の大学生なの」

「え?…大学生なのか。俺はてっきり中学年か高校生かと…」

「え?あきちぃ、ミツ君に会った事あったっけ?」

「ごめん由子。あの日ホントは由子の部屋まで行ったんだ。お前歩けなかったから…その時な」

「ウソ!あわわ!ごめんね、あきちぃ。…でもミツ君何にも言ってなかったなぁ」

「あぁ、多分俺が説明したからじゃないか?会社の同僚って」

「そっかなぁ」

どうやら彼氏君は秋路と会ったことは言わなかったらしい。

(ま、話の内容が内容だったしな。俺もとぼけておくか)

「まぁ、大学生でも、由子が好きになったやつならいい人なんだろ?」

「うん!すごくいい子なんだよ!」

由子はとても幸せそうに微笑んだ。

「それなら、自信もって紹介してやればいい。それに19歳ならたいして歳は離れてないじゃないか大丈夫」

「うん、そうだね。早い方がいいよね…」

由子の言葉に微かに焦りを感じたが、自分が次に言おうとしていることに気をとられて秋路はたいして気にしなかった。

「その…俺も頑張るから」

秋路は、恥ずかしさに由子から視線をそらしながら呟いた。

「ん?あれー?もしかして、あきちぃ彼女出来たの!?」

由子は驚きでテーブルに手をつきガタッと立ち上がる。

「あ、あぁ。つい最近だけど」

「へぇ!どんな人なの!?」

「まぁ由子落ち着け」

「あ、うん…」

由子は恥ずかしそうに慌てて椅子に座った。

「ちょっと年上。で、美形かな」

「年上かぁ!で美形?格好いいお姉さんって感じ?」

「まぁそんな感じかな」

「へぇ!あきちぃ、そういう年上のおねいさん系が好きだったんだぁ」

「ば…!そういう訳じゃないよ、たまたま…」

「たまたま、好きになった人がそうだったってだけでしょ?」

「あぁ…」

「私もおんなじ。凄く好きで一緒にいたい人が大学生だっただけ…」

「きょーちゃん、わかってくれるよね…?」

「そうだな。それに享子にだって好きやつが出来ればきっとわかるよ」

「そうだね!」

そう言って由子はあの満面の笑みで笑った。


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