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プロローグ
好きな人がいる。
それはもう、どうしようもない恋心。
不毛な片思い。
叶わないって分かってても、どうしようもない。
気持ちは、止められない。
きっかけなんて覚えてない。
気が付いたらもう、好きになってた。
そんな、恋。
ねえ、君は分かってる?
触れられる度、ドキドキする事。
言葉ひとつで、上がったり下がったり。
気分はまるでジェットコースター。
気付かないフリ?それともワザと?
その腕が、声が、私を絡め取って、動けなくする。
どうして?
君の向ける好きは、恋じゃないのに。
どうして私を、そばに置きたがるの?
分からないよ。
楽になりたくて、離れてみても、無駄な抵抗だった。
「友達だろ?」
そう言って笑った。
ずるい、笑顔。
トモダチ
今日も私の前に立ちはだかる、大きな、壁。
この恋は叶わない。
知っているのに、今日もこの手は、強引に引かれてしまう。
友達という名の、片恋の相手に・・・。