〝二百字掌編シリーズ〟冷奴のひとりごと～青き目をした同心・番外編～

に

その旦那には、上方に残してきた奥方もいらっしゃるし、

どこまで本気かわかったものじゃないですし、

まさか本当にその人とどうのこうのなんて、

全く考えてもいませんでしたよ。

ただ、やさしい人だってのはわかってましたからね、

一緒にいるのは決して嫌じゃありませんでした。

気持ちが変わってきたのは、

二人で“西班牙島”へ旅した時からですかねぇ。

最初はいつものように、船の中でさしつさされつ、

面白おかしく……だったのに。