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そのとき、喜助がやってきたもんで、あの人は、


「ま、またかいな!」


と言って、しぶしぶ立ち上がりました。



思えば、二人でいるときは必ず、


そうやって喜助が騒動を持ち込んできたもんです。


いつも残念そうに口をとがらすあの人を、


笑ってみてるのが好きでした。



ふと、あの人に、この橋での戯れを忘れないでほしいって思って、


「上方に戻られたら、これもきっと懐かしく思えますよ」



と、自分にも言い聞かせるようにつぶやきました。



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