かつての日。
掲載日:2026/06/11
ずいぶん長いあいだ、僕は人と接していなかった。
僕は孤独に、病院に引きこもっていたし、人とも接していなかった。
美しい詩や、小説を書いていて、詰まる時は、いつも努力したり、小説を読んでみたりしていた。
「またあの話?」
そう僕は言われる。
そう僕は、あの美しい女の事をよく話題にしていた。
「あなたが買ったナイフでしょ?」
「そうだね。」
「もう懲りたんでしょ?」
そう、と言い僕はビールを一杯飲む。
「若い頃には、こんなことも分からなかったな。」
そう言い、僕はビールを飲む。
美しい詩の一節に、その女のことを書いたことがある。
『ブルーの瞳』と謂う詩を書いてみて、僕はその日、酷評された。
「また、あの頃のことを言って悪いのだけれど、」
と、そう言葉を区切った
「あの頃は、全てがバラ色だった。」
「またその話?」
「いや、いいんだ。」
そう目を瞑って、想う。
美しい詩や小説を書いて、今は、まだ一人でいたい。そうそうなれば、あの女は機嫌が良くなるだろう。
昔の罪は、取り返しがつかないと思われたが、結局、何度かの入院で払ってしまった。
また貴女と····




