契約完了
よろしくお願いします
「もうすぐ着くから、ここから歩いて向かうよ」
「歩くの?」
《無属性選択 対処確定 浮遊》
「歩く。あと、これ着てて」
ハクが通常サイズにもどり、歩いて森を抜けること、街が見えてきた
「アイル、フード被ってて。絶対に顔を見られないように。わかった?」
「わ、分かった」
アイルは意味が分かっていなさそうだが、必要な事だ。特に私とハクの安全のためには
タラエアへ足を踏み入れようとしたとき
「おい!その者、止まれ!」
2人が槍をこちらに向け警戒している。入国管理する者として私たちは異物でしかないだろう。女1人、ウルフ1匹、子ども1人。まず、従獣を連れて行くこと自体が珍しい。それに私は子どもの母親にしては幼すぎる
この奇妙なメンバーで行動していることが理解出来ないと顔に書いている
「お前たち、繅霧の森から来たのか…?」
「はい」
「そ、そうか。代表者の身分証明書を」
魔獣や盗賊など危険が多い中、繅霧の森から傷ひとつなく出てきた事態に兵士は動揺していた。そんなことは気にせず、フィリアは鞄から以前発行してもらった身分証明書出す。
「どうぞ」
じっと身分証明書を確認し、2人でヒソヒソと話終えるとこちらをじーっと見てくる。顔にお前ら怪しすぎるって書いてる…そこまで不審者扱いしなくてもいいのにと思いつつ、何も知らないふりをして待っていると身分証明書を返された。
「確認した。ようこそ、タラレアへ」
「ありがとうございます」
少し奥まで歩き、人通りの少ない道へ。この身分証が役に立ってよかった。ギリ犯罪ではない方法で発行してもらった身分証…ギリね…
お陰で兵士かアイルの顔を確認することなく、入国できた
「ふぅー。何とか入国できた…」
(結構疑われていたな)
笑ってる場合ですか…私はずっと兵士2人に睨まれていたのに。でも、以前ハクと入国しようとしていたら、危険人物として警備隊に連行されたことに比べれば疑われただけで終わったことはよかった
「フィリア、フード取ってもいい?」
「まだだめ」
「どうして?」
「…」
彼らはほんとに何を見ていたのだろうか。どうして?逆に私が聞きたい。なぜそんなにケロッとしているのかと。
「私が逮捕されてもいいのであれば、取ってもいいよ」
「あっ」
今気づきましたか…自分が現在絶賛迷子中の貴族のお坊ちゃん}だと…忘れないで欲しいだけど
「家族に連絡が取れそうなところ知ってる?」
出来ればアイルの家に直接行くのは避けたい。それと警備隊に行くのも…あとがめんどくさいし
「えーっと…少し先にあるレストランならすぐに連絡してもらえると思う!」
「なら、そこに行こう」
そこに行こうとは言った。だが、想像以上に場違いなところに向かっている気がする。
「あっ!あそこ」
建物の雰囲気から感じる。高そうだな…真っ白に塗装された建物の入口前で綺麗なドレスを着たご令嬢が馬車から降りて、店内に入っていく
私は自分の服装を見た。そして、先程のご令嬢を思い出し思った。入店拒否されそうだと。
「フィリア行かないの?」
「…行こうか」
何とかなれ…只々そう願った
―――――――――――――
「美味しい…」
(美味いな)
「喜んでくれて良かった。好きなだけ食べていいから」
結構高そうな料理を広く景色の良い個室で食べている
有難いことに何とかなったのだ。最初は、まぁ…睨まれるし、お前らのような庶民が来るところではないとでも言いたい顔をしながらこちらに向かってくる店員だったがアイルがフードを取った瞬間、表情が変わった
「アイル・ヒューゼンである。すぐにヒューゼン家に連絡をして欲しい」
その後すぐに対応してもらい、家の人が来るまでお待ちくださいという事で食事を提供していただいた。ワタとハクはなんの遠慮もなくいただいている
「連絡してもらえて良かったね」
「うん…フィリア、ここまで連れて来てくれてありがとう。ほんとにありがとう」
「いいよ、結局やると決めたのは自分だから。それにこんなに美味し食事が食べれたからね」
「そっか…あっ!それでフィリアに話があるだけど――」
コンコンっと扉がノックされ、先程個室に案内してくれた店員とは別の人が話をしに来た
「お食事中に失礼致します。ご挨拶が遅くなってしまい申し訳ございません。当店プレアの総支配人のジグと申します。この度はご来店いただきありがとうございます。お待たせいたしました。先程、ヒューゼン家直属ステーリー騎士団様がご到着されました」
総支配人が扉を開けると
「アイル様…!!」
「ゾイア!」
アイルはすぐに立ち上がり、騎士の元へ駆け寄った
「お怪我などありませんか?」
ゾイアはアイルの目線に合わせ、片膝をつき怪我の確認をする
「おれは大丈夫」
怪我がないことを伝えると騎士のゾイアは少し安心したように、アイルの頭を撫でた
「よかった…ご家族がご心配されています。そして我々も…心配しました。早く帰りましょう。話は戻ってから聞きますので」
「うん…ごめん……ありが、とう」
アイルは自分が迷惑をかけたのに、心配している、帰ろうと言ってくれたことに泣きそうになっていた
「あっ…ちょっと待って。ここまで連れて来てくれた人がいるんだ」
アイルはフィリアとハクをゾイアに紹介するために後ろを振り返った。
だが、そこには誰もいなかった。
「フィリア…?」
ありがとうございました




