出会い
よろしくお願いします
誰もが考えただろう。昨日まで貴族令嬢だった人間が今日から平民として生きていけるのかと。
「ハク!肉焼けたよー。美味しそう、、」
見てわかる通り、彼女は生きていける側の人間だった。慣れた手つきで相棒が狩ってきたクマを解体して焼いていたのだ。
「当たり前だ。俺が獲ってきたご飯だからな」
「いつもありがとう。街を出発してから何にも食べてなかったから助かったよ。この森、歩いても歩いても食べ物がなくて、やっと見つけた果物は毒だったし、、、」
6歳の時に出会い、それからずっと一緒にいる。白く美しい毛並みに鋭い爪を持ち、自然のことにも詳しい相棒にいつも助けられている。何歳なのか、なぜ一緒にいてくれるのか…知らないことは多いがとても信頼している。
「熱っ、美味しい」
熱々のご飯を2人で食べている。誰もいないはずが、後ろから足音がする。ちょっとずつ近ずいて来る……隠れたつもりなんだろうけど、普通に気づいてます
「はぁ…一応確認してくるわ」
《無属性選択 転送》
「ねぇ何してるの?」
「うわっ!」
前にいたはずの私が突然後ろにいてびっくりしたって感じかな
恐る恐るこちらを見る少年を見て私は声をかけたことを後悔してる。何も知らないふりをしておくべきだったと…
ぐぅーっと少年のお腹が鳴り、顔を真っ赤にした少年
「あのさ、ご飯を売って欲しい……その……礼ならいくらでもする!今は手持ちがないから、えっと…この服でも売ってくれ」
差し出された上着は高そうな生地でできた1級品。間違いなくこの少年はどこかの貴族の息子なのだろう。貴族とは関わりたくない……か、関わりたくない……
だから、そんなうるうるした目で見てこないで欲しい……
「美味しい!」
リスのように口がいっぱいになりながら食べる少年の横で自分もご飯を食べる。上着は受け取らず一旦ご飯を一緒に食べてる
(お前バカだな)
(うるさい)
ハクにちょっと馬鹿にされている。でも事実だから否定できない…
一度手を止め、気になっていたことを聞いてみた
「私はフィリア。あそこにいるのがハク。で君名前は?何でこんなところにいたの?」
「名前はアイル。その…ここにいた理由は…」
「アイルね、で理由は?」
「……触っちゃったんだ」
「触った?何に?」
「ゲート……場所が指定されてないやつに触ったらここまで飛ばされた」
「バカじゃん」(バカだな)
「言われなくても分かってる!」
涙目になりながら縮こまるアイルを見てほんとにバカだと思った。[ゲート]とは長距離移動の際に利用する魔法道具のひとつである。事前に場所の指定がいる。そのため指定された場所魔力を流すとランダムで飛ばされるのだ。
「飛ばされたら、繅霧の森で迷子でしたって感じですか」
(私よりよっぽどバカだな)
(そんなに変わらないだろ)
(はい!?)
ハクを睨みつけるとぷいっと反対側を向き眠る態勢に。付き合いが長いからこそ分かる、これ以上話を聞いてはくれないと。私の反論を聞かずに寝ようとする…ムカつく
その後は色んな話をした。魔法に関することがほとんどだったけど
チラチラこちらの様子を伺い、話し始めた
「フィリアはどこに向かってるの?」
じっとこちらを見て聞いてくる
「家まで送って欲しい…なんて言わないでよ」
「うぅ……しょうがないじゃん。だって帰り方分からないし。助けてよ、フィリア」
まただ。
この目……だからそのうるうるした目で見ないでー!
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