出発
初めまして
初投稿です、よろしくお願いします!
伯爵家の人間として17年間生きてきた。そして予定より2日早い伯爵令嬢としての人生の終わりを迎えた。
「出ていけ。お前は今日をもって死んだこととする。二度と我が家の敷地は跨がせない。家名を名乗ることも許さない。異論は認めない。」
「承知致しました。すぐに出ていきます」
父親と会うのはこれで3回目。名前で呼ばれたことは無く、愛されたことは無い。約5年一度も会うことはなかった。にも関わらず突然部屋に呼ばれると伯爵から勘当を告げられた。何も期待してはいなかったし、2日後自ら失踪する予定だったため逆に有難かった。驚きも悲しむ様子も無く淡々とする私の態度が気に食わなかったのだろう。さらに機嫌が悪くなった。 何も反論せず、黙って部屋を出ようとすると――
「なぜお前のような悪魔が生き、彼女が死んだのか……お前をこの世に誕生させてしまったことが私の人生で唯一の汚点だ」
彼は辛く苦しそうにそう言った。
この人は囚われている。…いや、この家の人間たちがあの日からずっと囚われている。一種の呪い近いのかもしれない。死んだ人間は戻らない。それでも明日来る。そして新しい命が誕生する。だが、この家の人間たちは進んでいく日常を受け入れることが出来ず、未だに過去に囚われているのだ。
私は進むことを…過去を受け入れるために。前を向いて、ここを出発する。
「なんだ、その目は………いけ……出ていけ!今すぐここから出ていけ!」
「失礼しました」
苛立ちをあらわにして、怒鳴り散らす伯爵に一度頭を下げ、部屋を出た。向かったの離にある小屋。ベッドと本棚のみの小さな部屋。
「ハク、ただいまー。2日早いけど出発することになった……って聞いてる?」
相棒のウルフ『ハク』は眠そうにあくびをする。
「……聞いてる」
予め準備していたため、すぐに荷物をまとめることができ小屋を出た。
「近くの街まで移動しよう。ご飯食べたいし」
私、フィリアは17年間過ごしてきた場所を出発する。
《無属性選択・転送》
フィリアが唱えた瞬間、彼女とハクの足元に白く光る魔法陣が広がり、あっという間にその場から消えた。
そして、伯爵令嬢フィリア・クラリスタ『人殺しの悪魔の子・魔法も使えない出来損ない』としての人生を終えた……終わった…だからこれからは自由に、自由に生きていくはずだった
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「フィリア!魔法教えてよー!早く行こ!」
こどもの教師をするつもりもなかったし…
「フィリア。君は我が家の恩人だ。褒美として希望するものがあれば言ってくれ。ヒューゼン家として叶えられることなら何でも構わんよ」「そうよ!私たちに出来ることなら何でも言ってね」
公爵家の恩人になる予定なかった…そして
「フィリア…愛してる、俺と結婚して欲しい」
誰かに愛される未来なんて…
これは私、ただのフィリアとしての物語
お読みいただきありがとうございます!




