起『承転』結
登場人物紹介
主人公の彼女 羽海
海に落ちて体に異変が
楽観的に物事を考え明るい性格
「遊びに行ってくる」と言って島々の海峡を一日で横断し帰ってくる程
水泳が上手く体力もある
羽海の母親
女手一つで主人公を育てつつ島で唯一の商店を切り盛りする敏腕店主
いつもは明るい性格で親しみやすい店主、主人公の性格は母親譲り
冷静な彼女 凪海
島で一人暮らしする女の子
たまに主人公に着いて行って海峡を横断したこともあるが
基本に忠実で真面目過ぎる。
凪海は集会所の平らな屋根から梯子を伝い降りて真っ直ぐ歩いて行く。
集会所と商店は少し歩いた場所にある。
そうして、近づいていくと凪海は眼を疑った。
これは陽炎が見せる幻影だと。それか夏の暑さにやられたのだと。
店の中を飛び回る羽海、それを追いかける子供
その飛び回る羽海の姿は、いつの日かに海中で見て恋をした姿だった
そして、理解が頭を拒んだ。
店内を飛び回る彼女の姿の一部が金色に光りを放っている事に
その姿を見て刹那、島の伝承が脳裏を駆ける。
そして、合点がいった
「・・・ああ、海の中を飛び回る羽海なら守護神様に選ばれてもしょうがない」
と同時に「・・・行って欲しくない」と呟いた。
もっとそばにいて彼女を見ていたい。
そう思った凪海は駆け出していた。
少年は息苦しくなったのか水から出てきたのが見えた。
そして、店内に駆け込むとその光景は異様に思えた。
店内の3分の2が浸水してるが、その水は入口には浸水しておらず
長方形な店内に対して正四方形な形でその場に存在していた。
その水の中で泳ぐ彼女の長い髪は黒色から金色に代わって居た
凪海の存在に気が付いた羽海は凪海に近づき
「ねぇ、最後に一緒に泳がない?」
そう言い放った
「・・・ぇ・・・?」
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「さ、さいご・・・?」
「うん、最後。守護神様が今晩迎えに来るらしいんだ~・・・。
ねぇ、分かるでしょ?この髪も爪も、そして、この手も・・・」
そう言って羽海は凪海に手の平を見せた。
一言で言い表すなら「河童」だった。
その言葉を聞いて驚いたのは凪海だけではなく羽海の母親もだった。
まだ幾日か猶予があると思っていたのだろう。
羽海は続けた
「守護神様はずぅーっと私達を見てたんだって、それで一年に一度だけ
誰かを選ぶ事が出来るんだけど
今年は私と羽海ともう一人だったんだけども私が選ばれたみたい
今まで誰も選ばれなかったのは候補が居なかったのと私達が幼すぎたからだって
そして、その今まで選ばなかった期間の埋め合わせで急遽、今晩なんだって」
それを聞いて凪海は崩れ落ちそうになる。
「理不尽すぎる」と
「ねぇ、凪海。来て?教えてあげる」
「何を教わるの?」と理解出来なかった。
「今のままだと置いてかれるよ?
守護神様曰く私以外に、後1人だけ来年に迎えに行くらしいの
そしたら次はもうないかもだって・・・」
・・・。
凪海はそこまで言われて理解できた
候補は3人居た。その中で羽海が選ばれた。
候補は後2人。
私と見知らぬ誰か
しかも、もう一人の方が優勢だって
ふと、とある事が脳裏に過る
「隠り世の存在が現世の人間を誘っても大丈夫なの?そもそも・・・
なんで私を連れていく為に教えてくれるの?」
「あはは・・・そこは守護神様曰く『グレーゾーンだって』・・・」
「・・・神様って意外とグローバル化進んでるのかしら?」
「まぁ、時期や期間に人数を決めて提案してそれでその提案が通れば問題ないらしいし、
私はまだ現世側だし・・・それに・・・私って凪海に頼りぱなっしだったよね・・・
私が問題に突っ込んで凪海が冷静に解決して、
それに、地上じゃ凪海の方が足も速かったし私より慎重も高くてイケメンだったし
作ってくれる料理も・・・美味しかったし・・・」
「料理なんて一人暮らしじゃ当り前よ」
「うそ、うそだぁ・・・
それに海の中で風が吹かない状態の様にいっつも止まって居たり
一本の光の様にぐわぁーって真っ直ぐ泳いでいくし・・・
それがうらやましくて・・・もっと見ていたくて・・・
それに、寂しいじゃん・・・もっと触れて居たいもん・・・ナギの事・・・
それに・・・私は直ぐにどっか行っちゃって迷子になるから・・・
海の中でも支えてくれる錨のような存在が欲しいかなぁーって・・・
・・・あのぉ・・・言葉足らずだったかなぁーとは思うけども・・・その・・・
お返事の方はー・・・。」
「・・・、・・・それで、お誘いに乗ったら私もこんな姿になるのかしら?」
「・・・っ!!・・・ナギは私のこの姿・・・こっ・・・こわ・・・
「怖くは無いわ、綺麗よ。もっと見せて」
羽海の言葉を遮りながら凪海は答える
「ぅう~・・・いけずぅ・・・ナギのバカ・・・」
「ごめんね?お詫びに私も貴方が好きって伝えてあげるから許して?」
「・・・どうせライk「ラブよ?」・・・ぅぇ?」
羽海の言葉をまた遮りながら凪海は答え目を瞑りながら続ける
「海底で何も考えずに泳いでいたら羽海が来たの
飛ぶようにそして、舞うように飛ぶ姿に魅入られたの
それから、学校で近づいてね・・・
それから遊びに行ったり一緒に泳いだり料理を頬張る貴方に惹かれて
いつの間にかあなたが好きになって居たのよ・・・」
そこまで言い切り目を開けると水中で小動物の様に
丸くなりながら見悶える羽海が居た
「ねぇ?教えて頂戴?どうすればいいの?」
「・・・こっち来て」
そう言われ手を引かれるまま水中に引きずりこまれるが怖くは無い。
そうして、店内の奥、カウンターからは死角となり外からは本棚で見えない位置で
深い口づけを交わした
「・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・んっ・・・
人魚の体液を摂取すると不老不死になるっていう伝説の?」
「・・・うん。私はまだ現世側だし水中でも呼吸が出来る程度だけどもね・・・?」
「・・・それって怒られない?」
「ぁ~・・・その時はその時かな?」
「ふふっ、手遅れなのねっ?はぁ・・・Shall We Dance?」
「I believe」
その日の晩、嵐が起こった。
お昼の快晴は嵐の前の静けさだった
そんな嵐の中、商店からは金色の人影が防波堤から消えて行ったのが見えた・・・




