ソレミア・ギ・ガルバ
「さて、それで私の首を取りに来た訳だな」
キューズ肉を食べ終わり満足したカインは魔王エンゲルに向かって言う
いつの間にか店の周りをエンゲルの部下達に取り囲まれている状態だ
更には一般のギャラリー達も集まってきている
それにしても本当に食べ終わるまで待っているのは真面目なのか何なのか
「その通りだカイン・ア・ドーロ」
「ではかかって来い」
「なに?、お前の方からかかって来い」
「なるほど」
今は向こうが魔王だ
魔王とは常に挑まれる立場にある
だから挑まれるに相応しい台詞を吐かなければならない…とはカインの考えでありそんなルールは存在しない
今カインは魔王ではないのだから挑んでいく立場であり調子は狂う
「ならばいくぞ」
一歩踏み出したトコロで女の声が飛んだ
「お待ち下さい魔王様、そんな元魔王如きに魔王様が自ら戦われる事はありません」
「おお、ソレミアか」
「元魔王カイン・ア・ドーロ、この三魔将のソレミア・ギ・ガルバがお相手する」
三魔将という事はまだニ魔存在している事になる
だが別に面倒ではない
裏切り暗殺毒殺急襲卑怯な手何でも有りの時代を生きたカインにはむしろボスとのタイマンだけなど眠たい
しかしこの女は…
容姿は女だが単なる魔族ではなさそうだ
いや、この感じは魔昆融合体か
魔昆虫との融合により身体能力を大幅に上昇させるタイプだ
「お前、魔昆融合体か」
「一瞬で見破るとは流石は元魔王といったトコロかしら?」
ソレミアは背中から四本の昆虫脚を生やして笑った