二大大魔王戦争へ
リギウの街から南西の方角にミゲルの大街がある
カインが街に入った時に街の中央に設置された魔法掲示板にデカデカと戦争の文字が
「大魔王同士の戦いか」
アングラス・ン・ギープとマイスター・ジ・ガイアスト
大魔王である二人が戦う予告
戦うといっても一対一の戦いではなく二国間同士の軍を上げての戦争だ
「ん?、マイスターか」
アングラスの方は知らないがマイスターは知っている
かつてのカインの部下だった
当時は若輩だったが今は大魔王になっているのか
その点ではエクレアと同様か
「中々の数だな」
アングラス軍の主力はトロール軍100万
マイスター軍の主力はオーガ軍80万
オーガは精強とはいえトロールの方が図体がデカくパワーが高いので数的にも戦闘能力的にも不利といえば不利か
「この戦いマイスターの旦那の勝ちだな」
カインと同じく隣で掲示板を見ていた男が言った
「そうなのか?、数ではトロールの方が遥かに勝っているが」
「今のオーガ軍は最強だ、何せ装備が違うって…どひゃ、アンタもしかしてカイン様か!?」
「そうだ」
「ここに来ているとは知らなかった」
「色々と見て回っている」
「なるほど、そんでこの戦いに割って入られるんで?」
「戦いには参加しない、もう私は魔王ではないのでな」
「そうなんですかい?、巷じゃエクレア様に力を貸して再び魔界統一のために動き出し始めてるってもっぱらの噂ですがね」
「それはないな」
魔界を統治していたのは1000年前
以後の1000年間については全く知らない
何にせよ今更統一のために動こうとは思わない
「それはそうとこの戦いはどこで行われるのだ?」
「へい、リバリラティ地方のベリオット平原でさぁ」