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元魔王カイン

「お目覚めですか?、カイン様」


居城にて目覚めたカイン


「ここは?」


ボヤけた頭

目の前には側近の女魔族ダナ・ヤーカイザスが控えている


「カイン様の居住キーレンズ城です」

「そうか…?、いや、まて」

「どうかなさいましたか?」


霞んでいた記憶が蘇ってくる

確か人間界からやってきた勇者達と戦っていた筈だが


「勇者達はどうなった?」

「勇者達は死にました」

「死んだとは?」

「はい、カイン様」

「どういう事だ?」

「まずは私の話をお聞き下さい」


ダナは語る

魔王カインと勇者デスティ・ニードとの戦いはカインが封印され終わった事

その戦いから1000年近くが経つ事

1000年で魔界の勢力図は大きく変わり今では8の魔王、4の大魔王、2の超魔王、そして魔王神が君臨している事


「なるほど、私は封印されたのか」

「その通りです、カイン様」


ダナが魔王ではなくカインと名前で呼ぶのも納得した

もう王では無くなっているのだから魔王様呼びは違っている


「それでお前はなぜここに留まっているのだ?」

「一つはこのキーレンズ城の管理、二つ目はカイン様がお目覚めになる時を待つ事です」

「今、この地を治めているのは誰だ?」

「大魔王エクレア・ナ・タゲガネイア様です」

「エクレアか…」


エクレアはカインの配下だ

いや、配下だったが正しいか

氷を操るのを得意としている女の魔術師だった


「なるほど、ならば私の出る幕ではないな」


魔王という役柄はカインには重かった

既に他の者達が継いでいるなら任せておけばよい


「ならば私はここから出よう」

「どちらに行かれるのですか?」

「1000年経った魔界を見て回るのも悪くはない」

「カイン様が復活なされれば大魔王エクレア様の元に来るように言われております」

「いや、必要はないな」


元部下に会っても意味はない

今は向こうの方が立場は上だ

元上司というだけで大きな顔はできない

なにより1000年間封印されていた恥もある


「私はこのまま旅に出る、エクレアにそう伝えておいてくれ」

「畏まりました」


こうして住み慣れたキーレンズ城から出たカインは1000年経った魔界を見て回る旅に出発した

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