めたんはいどれーと
「君って氷みたいに冷たいのに、意外と情熱的なんだね」
「はーー?」
学食をいつものように、君の横で食べる。僕の言葉にたいして、君は意味がわからないといった顔でこちらをみつめる。
「僕といるよりも、楽しそうにしてたじゃんか」
「……なにか勘違いしてない?」
そっぽを向いてその言葉を無視した。僕は間違ったことなんて言ってない。言ってないはずだ。すると君は「ハア」とため息を吐いた。
「なに、そのため息…こっちは本気なんだよ?」
「ウィルはただの幼馴染で、もう一人の幼馴染であるあなたが本命なんだけど」
「え? じゃあ、なんであんな言葉を吐いたの⁉︎」
君を振り向いて睨みつける。君は冷たい無表情の顔のままで、今度は君が顔を背けてそっぽを向く。
「ジークの側にいると、ドキドキしてーーウィルはただの幼馴染だし、異性だけど恋愛感情は抱けないよ」
「じゃあウィルに笑顔になるのはなんで?」
「…ジークの話をしてたんだよ。好きだから楽しかったの」
「今は笑ってくれないのにーー?」
こちらをおそるおそる向いた君は、苦しそうにした。君は感情表現が苦手なのに、僕はそこで困らせたからこそ、しまったと思った。僕が間違っていたのだ。
「……」
「ごめん、僕が軽率だった」
「いいよ、べつに」
「愛してるよ」
僕は横にいる君を引き寄せてそう言った。君は固まった。また困らせてしまったみたいだ。
「…私も愛してる。だからその言葉はとても嬉しい」
「!?」
引き離そうとすると、君が僕の頬にキスをした。今、僕は真っ赤だろう。恥ずかしい。
「返答は?」
「改めて言うよーー付き合ってください」
「喜んで」
「じゃあキスしてよ」
気分が良くなった僕をみて君は呆れる。両想いなんだからイチャイチャしたいのだ。
「ここではもうしないよ」
君が周りをみる。野次馬がいたなそう言えば。そりゃあイヤか。でも勇気を出してキスしてくれたんだろうか。
「君って、メタンハイドレートみたいだよね」
「めたんはいどれーと?」
「燃える氷って意味」
「褒めてるのか貶してるのかわからないんだけど」
無表情の君だって好きだ。でも野次馬がいるからその言葉を飲み込んだ。
おわり




