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8・皇帝の企み

◇◆◇

リントラージ帝国、謁見の間にて




「星野優里の現状は?」


 皇帝ドルドティスは側近の男に問う。


「はい。まず、ユウトと名乗る黒髪の男と共に冒険者パーティーを組んでおり、この1ヶ月間という短い期間でBランクまで上り詰めております。そして、星野優里の強さはさることながら、このユウトという男も相当な力を秘めていると思われます。ユウトという男は、アランというCランク冒険者と仲が良く、人質にするのは打って付けかと思われます。最後に、この2人の宿を盗聴を試みましたが、何らかの魔法が掛けられており、盗聴は不可能でした。以上で報告を終わります」

「うむ、ご苦労」


 側近の報告を聞き、ドルドティスは頬杖をつきながら考える。


(星野優里もそうだが、このユウトという男、何者だ?話によると、Aランク級の魔物をたった1撃で倒してしまったという報告もある。星野優里のあの不可思議な魔法もある。恐らく、帝国の兵全員でかかっても勝てぬだろうな。だからと言って、放置は論外だ。異世界召喚をしたなどと他国にバレたら大騒ぎになってしまう。その場合、囚人とはいえ、1000人もの犠牲を払った事もバレるだろう。それはなんとしても避けねばならん。となると、やはりアランという男を人質に取り、星野優里がこちらに戻ってくる様脅すしかあるまい)


 ドルドティスは自分の考えをまとめ、近衛兵達に指示を出す。


「皆、作戦を実行せよ!」

「「「「「「は!!!」」」」」」


 作戦とは、アランを人質に取る作戦のことだ。


 ドルドティスは理解していなかった。

 ユウトことファフニールの恐ろしさを。




◇◆◇




 上村俊介、安藤龍之介、宮坂鈴音、影山健の4人は帝国騎士団長である、ローランドと共に、帝都から少し離れた森で魔物を狩りながら訓練をしていた。


「なあ騎士団長様よぉ、何で俺がこんな事しなきゃならねえんだよ?」

「其方達には強くなってもらわねばならんのだ」

「だーかーらー!俺は元の世界に帰りたいっつってんだよ!」

「それは、私に言われても困る問題だ」

「チッ、無責任な野郎共だぜ」


 龍之介が元の世界に帰りたいと意見するがローランドがあっさり聞き流す。

 そんな龍之介と比べて対称的なのが俊介だ。


「龍之介!この世界の人達が困っているんだ。それなら助けてあげるのが筋だろう!」

「ハッ!それならこの世界の問題はこの世界の奴らで解決するのが筋ってもんだろうよ!」

「わ、私は俊介君に賛成です。こ、困ってる人がいるなら、助けた方がいいと思います」

「俺は龍之介に概ね賛成。俺たちにそんな筋合いは無い」


 異世界組の4人はそれぞれの意見を口にする。


 そんな中ーー


「皆!魔物が来るぞ!」


 ローランドが4人に喝を飛ばす。

 そして俊介が真っ先に魔物に切り掛かる。


「ハァアアァ!!!」


 と気合を入れながら叫び、狼の魔物、ダークウルフを一刀両断した。


「うむ、流石であるな」

「俺なんてまだまだですよ」

「いや、俊介は中々筋がいい。これからも精進するといい」

「ありがとうございます」


 ローランドに褒められ、少し照れ臭そうに言った。

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