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2・邪竜に転生!

 優里が転生者のように、ファフニールもまた転生者だった。


 ファフニールは元々、平凡なゲーム好きの日本の高校生だった。

 しかし、ある日突然、歩道を歩いていたところに暴走したトラックが突っ込んできたのだ。

 

 通常、死者は『転生の間』と呼ばれる場所に魂だけを召喚され、そこで閻魔によりその後を決定される。


 しかしファフニールは違った。


 この世界の宇宙、惑星、動物、植物、そして神々をも創り出した創造主、ゼウスのいる天界の庭園に呼び出された。


 そして、ゼウスからの願いはこうだ。


「お主には、其方のいた世界とは別の世界、所謂異世界に邪竜ファフニールとして転生してもらいたい」


 当然、いきなりそんな事を言われて理解できるはずもなくーー


「ま、待ってください。ここはどこですか。あなたは誰なんですか!?」

「ふむ、混乱するのも無理はないか••••••よかろう。全てを説明してやろう。まず、お主には異世界に邪竜に転生してもらいたい。ここまでは分かるな?」

「は、はい。でも何で邪竜なんですか?」

「これからお主に向かってもらう世界には魔法が存在する。その魔法を駆使し、そのまま文明が発展すると、その力を制御しきれず、人類は自らの力で滅亡してしまうのだ。そこで其方には、発展しすぎた国、集落を滅亡させるために邪竜に転生してもらいたいのだ」

「な、なるほど。でも、発展しすぎた文明とかってどうやって見分ければいいんですか?」

「安心したまえ。その時は、私から連絡をしてやる」

「そ、それなら安心ですね。で、何で俺なんですか?」

「まず、お主には発展しすぎた文明を滅ぼすために、絶大な力と、その力の使い方を授ける。しかし、この絶大な力と情報量を抑え切れる者は現地にはおらん。しかし、異世界から転生し、この世の理から外れた、所謂異世界人になら絶大な力を得ることが可能だ。しかし、その情報量に耐えれる頭脳を持つ者は、異世界人の中にもそうおらん。しかし、お主なら、それが可能だ。その証拠に、お主、記憶力とか計算力がずば抜けておるだろう?」

「な、なるほど。理解しました」

「で、転生をしてくれるか?」

「••••••はい!で、結局あなたは誰なんですか?」

「私は全てを創造し、全能を司る神、創造神ゼウスだ。では、転生を始める」

「分かりました」

「向こうの世界ではファフニールと名乗るがいい」


 そしてファフニールは無事、転生を果たした。


 まあ転生と言っても、ファフニールの転生の仕方は特別だ。


 まず、このレイオットには神山と呼ばれる、標高10000mを超える山があり、そこにゼウスが己の権限によって世界に卵を生み出させた。

 ある意味ゼウスが親と言える。

 それがファフニールだ。

 卵と言っても、その中から出てくるファフニールはその時点で10m級の大きさ。

 その世界に元々いる竜の中でも最上級の大きさを誇っていた。


 ちなみに、ファフニールの種族、始原竜とは、ゼウスに直接創られた竜のことを指す。

 過去にも3体いたが、全員ファフニールが生み出される前に死に絶えていた。

 故に、ファフニールは世界で唯一の始原竜なのだ。




 それから4500年後、流石のファフニールもこの生活に飽きていた。

 そこでファフニールは思いついた。


(人間に擬態してゼウスから指示が出るまで人間の国を楽しもう!)


 と。


 人化の魔法。

 それは一部の竜にしか使えない秘術だ。

 この事が人間達に知られれば、混乱は避けられない。

 だから秘術なのだ。


 ファフニールも、人化の魔法を獲得したのは最近だ。

 魔法の使い方を探し出すのに500年も掛かってしまったからだ。


 そしてファフニールが誕生してから5000年の現在。

 ファフニールが人化して訪れた国は、リントラージ帝国だった。


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