閑話 邪竜生誕②
邪竜生誕は終了になります。
次回からは通常の物語に戻ります!
あれからファフニールは何度か尻尾が無いティラノサウルスとかいう間抜けな見た目の魔物を倒し、神山に戻ることにした。
しかし、降るだけならともかく、この標高10000mの山を登るのは並大抵の苦労じゃない。
ということで飛んでみることにした。
思えばこの数週間、ファフニールはせっかく竜に転生したというのに一度も空を飛んだ事がない。
それには翼の動かし方がよく分からないという理由があったのだが、最近になってようやくまともに翼を上手く動かす事ができるようになったのだ。
そうとなれば行動あるのみ!
ということで早速ファフニールは羽ばたくように翼を動かす。
が、爆風が巻き起こるだけで全く中に浮かない。
精々追い風が吹いている時のように足が速くなるくらいだ。
『あれ?なんでだ?』
ファフニールは疑問に思っていたが、考えてみれば当然のことだ。
この竜の体は軽く5mを超えている。
その分体重もある。
この重い巨体をたった2枚の翼で持ち上げようなど初めから無理な話なのだ。
ならどうやってこの世界の竜達は飛んでいるのか。
答えは簡単。魔法だ。
正確には風魔法と重力魔法の合わせ技だ。
まず、重力魔法で自分の重力を程々に小さくする。
そうしたら簡単に翼で空を飛べるようになる。
しかし、この巨体を空中で好きなように動かすのは至難の業だ。
そこで風魔法の出番だ。
さまざまな方向から風を生み出し、自分の身体を安定させるのだ。
進みたい時は、進みたい方向にエネルギーを加え、促進力を得る。
これで飛行の完成だ。
ファフニールはゼウスから貰った体力の知識の中からこの知識を引っ張り出した。
そして知識さえあれば、今のファフニールなら容易に飛行を可能視にした。
バサッ、バサッ、バサッ!
と大きな羽ばたく音を立てて、地を離れ、空中に飛び立った。
『おお!すごいなこれ!』
今まで感じたことのない感覚に思わず声と笑みを漏らしてしまう。
そしてファフニールは空を飛んで神山の頂上へと帰っていった。
『いやー、いい気分転換になった!』
そしてファフニールは一度思いっきり体を動かした影響でか、遂に竜撃魔法を習得した。
ここまで約1ヶ月だ。
普通の竜からしてみれば規格外だが、ファフニールと同じ始原竜の中ではまずまずといったところだ。
それにまだ魔術を習得できていない。
ファフニールの修行の日々はまだまだ続く。
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