14・爆弾発言
すみません!
今回は短めです。
「ほへぇ〜」
ファフニールが去った後、アレクシアはやたらと開放的になった部屋の地面に突っ伏して情けないため息を吐いた。
「腰が抜けてしまうかと思いましたぁ〜」
無理もないだろう。
今まで自分を助けてくれた白馬の王子様のように思っていた人物が、自分が最も嫌っていた邪竜ファフニールだったのだ。
寧ろ数分で意識を取り戻しただけでも僥倖といえるだろう。
「ユウト様が邪竜••••••」
理屈では理解できる。
人類が己が力で滅んでしまう前に、その元凶だけを滅ぼす。
しかし、納得できるかと言われれば別問題だ。
人類の発展のために、輝かしい未来のために、技術の開発を進めたのにも関わらず、問答無用でほろぼされる可能性があるのだ。
アレクシアはそのことがどうしても納得できなかった。
ーーそれでも、
「ユウト様はユウト様で、邪竜ファフニールは、自分の正義を貫いている。私達と同じように••••••」
この一点だけは理解できたし納得もできた。
ファフニールが国や里を滅ぼす理由を聞いたとき、その事だけは強く理解できた。
だからあの場で強く否定できなかった。
ーーそして、
「私は••••••やっぱり、ユウト様を諦めたくありません••••••」
どこか、開き直ったような表情で微笑みながらつぶやいた。
アレクシアは、どんな事が起きても覆らないほどにファフニールが、ユウトのことが好きで好きで堪らないのだ。
ここでアレクシアは何かを思い出したような表情でポツリと呟く。
「ん?••••••俺の••••••恋、人?•••••••••••えぇぇええぇええ!?」
そう。
あの時ファフニールはとんでもない爆弾発言をしてしまったのだ。
「皇帝は俺以上に優里。俺の恋人の怒りを買った。尋常じゃないほどの怒りだ」
と。
「こうなったら早くこの事件を終わらせてその優里とかいう女に問い詰めなくてはなりませんね!」
アレクシアは、とんでもない相手に喧嘩を売るために、なぜかやる気を漲らせていた。
あのとんでも爆弾発言したファフニールは、ある意味正解だったのかもしれない。
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