【雇用№012】愛と魔神と神々の事情その2
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「で、でしたら、あの駄女神が異世界からの召喚が可能であるなら、同格以上の神である魔神ゼフェリス様や大神様なら、私をここから元いた地球に送還するのも可能なのではありませんか?」
「それがな、本来神は地表にいる眷属に対して、直接的に何かを行うことが出来ないのじゃ。あくまで神託を通して神の思いを眷属達に伝え、それを持って眷属達を発展させ増やしていくのが我々の本来のやり方なのだよ。女神の行った行為は、この世界でも禁忌であったのじゃ。」
「そんな…………。あの駄女神は、私達に人間の約束を守らないだけでなく、同位の神のルールでさえも破ってしまう愚かな女神だったのですね。では私は、もう2度と故郷である地球に戻ることは出来ないのですか?」
「愛殿。そう悲観するでないぞ。我々は地表に干渉することは控えねばならん。が、神界に来たものであればその範疇ではないのだよ。言っている意味がわかるかい?」
「私がどうにかして神界に行くことが出来れば、地球に、私の元いた世界・時代に帰ることが出来るのですか?」
「うむ、流石に愛殿は賢いね。そう愛殿が神界まで来てくれれば、私や大神が力を使って地球の世界の神に連絡をとり、送還することが可能となる。」
「なるほど。ではどうやって、私は神界に向かえばよいのでしょうか?」
「そうそこが問題なんだ。それは私にもわからん。なにせ神界に足を運んだ人間はそなたが初めてであるからな。神々が干渉せずに行う方法は私知らないのだよ。」
「そっそんな。結局また振り出しに戻っただけですか。もう、希望も何も残ってませんね。」
私は目じりから少し涙が出てきた。絶望から少し希望が見えてきたと思ったのにまた絶望へより深い絶望へと叩き落されてしまった。
「ちょっと待て、頼むから泣かないでくれ。それは本当に心苦しいから勘弁してくれ。方法はわからないが、出来ないわけではない。愛殿はどうやって、神界に足を運んだんだい?」
「それは、わけもわからず、駄女神のフェリシアに召喚されて…………。」
「そう、そうなんだよ。女神が召喚する時にその方法を使ったんだ。そして神界から、この幻想世界の地表へと送還された。この方法が分かれば、きみは戻れるかもしれない。」
「なるほど。確かに。来れたのなら戻る方法もある。でも、神が出来たことがその下位の種族である我々人が出来るでしょうか?」
「出来ないとは思わないことだよ。ワトソン君。いや愛君」
「魔神様の所でもシャーロックホームズの真似が流行っているんですか。いや、いいです。それよりどういうことでしょうか?」
「なに、きみのスキルにある魔法創生なら、そういう魔法を作ればいいんじゃないかと思ってね。」
「そんな神の魔法に至るまで創造出来るんですね。へ~~かなりぶっとんだスキルだったんですね」
「なに、そもそも君の持っているスキルはどれも異常レベルだよ。魔霊樹の植樹だって、本来、種を使って年月をかけて行う所を、僕と直接やりとりすることで、すぐさま苗木を植えることが出来るんだからね。不老不死にしたって、そうさ。この世界に不老の存在はいないのだから。それにそのスキルがあれば、どれだけ時間をかけても大丈夫だろう?」
「そうなのですか?戻った時に5年も10年も100年も経過したのであれば、戻ってもそれは既に私の知っている世界ではなく、完全に別物の世界だと思うのですが。」
「それに関しては、世界間だけでなく時間も跳躍してしまえば問題あるまい。出来ないと思ってはダメだよ。出来ると思いなさい。そうすれば、光の道筋はちゃんとあなたの前に現れるのだから。」
「はい、わかりました。ではこれからは、まず魔法を創造して、神界に行けるように頑張りますわ。」
「うむ、それがよい。だが、その前にその魔法を作ったとしても、かなりのエネルギー、魔素が必要になるであろう。今の世界にある魔素では全然足りないであろう。魔霊樹を各地へと植え、幻想世界に魔素をどんどん増やすのじゃ。そうすれば、いずれ転送魔法を創造した時には使える様になっておるであろう。」
「わかりました。この魔霊樹の植樹の作業はこれからも続けます。魔神様。この魔霊樹のスキルを使えば、魔神様といつでもコンタクトが取れるのでしょうか?」
「ああ、私が不在でなければ、連絡を取ることは可能だよ。女神フェリシアとは、連絡は取れないがね」
「いや、あの駄女神に連絡をとるつもりはサラサラありませんわ。恨み言の一つも言ってやりたい所ではありますが、それを神託で王たちに知らされてはたまりませんもの。」
「そうであろう。ひとまずは人族に協力する体裁をとりなさい。そして、徐々に北上し、私の眷属である魔族が営む地域まで顔を出しなさい。そうしたら、あなたを保護するように連絡を付けて上げられるわ。私の眷属達は、魔素が薄い所ではあまり活動が出来ないからね。ある程度増やしてもらわないと、迎えに行くことも出来ないのよ。」
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