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『キング オブ マスターズ』  作者: 大和大和
~ニューカラーズ・エントリー~
63/70

第63話 対決! アルスVSルード





 なんやかんやと合流した俺たちは早速、このショッピングセンターの屋上へと向かっていた。

 その理由はというと、


「悪いが負けるつもりはないぞアルス」

「僕も負けないよルード君」


 まあ、こんな感じ。

 どうやら俺たちがいない間に二人でバトルの約束でもしていたとかなんとか。

 知らない間にものすごく仲良くなってるやん。

 ……俺もバトルしたくなってきたな。


「随分と仲良くなったね二人とも」

「確かに。といってもアルスが人懐っこいから出会って五秒で即友達みたいな感じだろうな」

「そうなんだ。クロハルもそんな感じだったのかな?」

「そー…だな。俺の時もそんな感じだったし」

「へぇ、すごいんだね」


 一体全体、アルスのあのコミュ力の高さは何なんだろうか。

 これが生まれ持った才能って奴なのだろうか。

 というか何を食ったらあんなにコミュ力オバケになれるんだろう。

 いや、マジで。


 なんて思ってるうちに。

 グングンと足の下を進んでいくエスカレーター。

 その先にあったのは、大きな体育館のように広々とした空間――バトルスペースだった。


「ほえー」

「すごーい!」


 ドームを思わせる天井に同時にバトルできる場所が五……いや、六ヶ所。

 果てには隅っこに飲食物を売ってるらしい出店と自販機。


 こんなに広かったんか。

 って思えるくらいには広いバトルスペースだった。


「中々いい場所だな」

「そうだねー」


 あっちもこのバトルスペースの広さに驚いてるらしい。


「じゃあ、ちょっとあっちに行ってくるね」

「シーラ!?」


 っと思ったけどそうでもなかったらしい。

 パッと振り向けば、手をヒラヒラと振りながら遠のいていくシーラの背中。

 ヤツはいつも通りの自由人だった。


「……」

「ルード君大丈夫?」

「? あ、あぁ、アルスか。大丈夫だ、問題ない」


 それ本当に大丈夫か?


「あ! あそこが空いてるよ!」

「ならそこでバトルするか」

「うん!」


 トテトテと走っていくアルス。

 その後ろ姿にルードの口元が少しだけ緩んだのが俺には見えた。




 ☆★☆




「行くぞ。アルス」

「ばっちこいだよ!」


 手が、少しだけ震えてた。

 ケースからゆっくりとデッキを取り出してジッと見つめる。

 すると一瞬だけ。


 本当に一瞬だけ。

 頭の中に激しく燃える炎と、カッコいい獅子の姿が浮かんだ。


(よろしくね。イグニ)


「アルス!」

「ルード君!」


 僕とルード君の手が突き付け合うように真っ直ぐ伸びる。


 その手にはそれぞれのデッキ。


「カード、スタンバイ!」

「バトル」


「「スタート!!」」




 ☆★☆




「おっ、始まったな」


 ガコン、と目の前でジュースが落ちる。

 それを拾ってプシュっと口を開けた俺は二人の方に目を向けた。 


 シュパパパパッ、と。

 二人の掛け声に合わせてそれぞれのフィールドが形成される。


(ほーん)


 どうやらお互いにマリガンはなし。

 ということは手札はかなりいい感じのようだ。

 あとは先攻と後攻なんだけど。


「悪いが先攻はもらうぞ!」

「後攻かぁ」


 うーん、残念。

 先攻はルードだ。

 さて、どのように動いてくるか。


「俺のターン!」


 ルード

 マナ1

 手札5


「俺は1マナを使い、『ゴーレム・ピット』を召喚する」


 ルード

 マナ1→0

 手札5→4


 『ゴーレム・ピット』

 コスト1/土属性/アタック1/ライフ2

 【効果】

 『ガード』

 ①このユニットは相手プレイヤーに攻撃できない。


「土、属性……」


 相手の場に出てきたのは、真ん中にカメラのレンズみたいなモノが付いた小さな岩っころ。

 へぇ。

 こりゃあ面白くなりそうだ。

 アルスは知らないカードが出てきて首をこっくり傾げてるけど。


「俺はこれでターンエンドだ」

「じゃあ、僕のターン! ドロー!」


 アルス

 マナ1

 手札5→6


「僕は……えっと……」


 悩んでる。

 すっごい悩んでる。

 けど、


「よし! 僕は1マナで手札から『火犬ブルム』を召喚!」


 アルス

 マナ1→0

 手札6→5


 『火犬(ひけん)ブルム』

 コスト1/火属性/アタック1/ライフ1

 【効果】

 ①このユニットは相手のターン中、アタックを+2する。


 なーるほどねぇ。

 アルスが召喚したのは赤い毛並みが特徴的なブルドッグの『火犬ブルム』。

 その効果は相手のターン中だけアタックが上がるという少し変わったモノだ。

 攻撃的な火属性カードの中でも数少ない防御寄りのカードでもある。


 要するに、様子見をするにはもってこいのカードってわけ。

 なんだけどねぇ……。


「火属性か……。最初は様子見というところか」

「僕はこれでターンエンド! ルード君のターンだよ!」

「あぁ、行くぞ。ドロー!」


 ルード

 マナ0→2

 手札4→5


 ルードの目の前にデッキからカードが一枚飛び加わる。

 五枚になった手札を見て、ルードが笑った。


「その様子見がどこまでできるのか見物だな」

「えっ」


 雰囲気の変わったルードの様子。

 それに気圧されたアルスの口から小さな呻きがこぼれ落ちる。


 ルードの手が一枚のカードを掴んだ。


「行くぞ! 俺は2マナを使い、手札から『土少女キリル』を召喚する!」

「!」


 マナの光を浴びて、ルードの手にしたカードが輝きを放つ。

 フィールドに叩き付けられたカードから幾つもの粒子が溢れ、一つのシルエットを形造る。


 そうして現れたのは――ひまわりのような明るい服を着た、小さな少女だった。




久しぶりすぎる投稿です。

これからも不定期で続けるつもりですのでよろしくお願いします。


評価や感想、誤字脱字や要望などありましたらよろしくお願いします!

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