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『キング オブ マスターズ』  作者: 大和大和
~スタートカラーズ・セットアップ~
22/70

第22話 立ち上がり




 先行と後攻。

 それを決めるために、じゃんけんをする。

 というより、じゃんけんした。

 したんだけど、


「よし! 先行は私ね!」

「うそやん」


 あれれー、おかっしいぞー。

 なんでじゃんけんで勝てないんだ俺。

 最近、先行取れてないな、とか思っていたから先行取りたかったのに。

 また後攻かよ。


「じゃあ行くわよ!」

「おう」


「「バトル、スタート!」」


 声を合わせて宣言。

 先行のドローを飛ばし、メリルは1マナを手にした。


「私は1マナを使って、手札から『スライム』を召喚!」


 メリル

 マナ1→0

 手札5→4


 『スライム』

 コスト1/水属性/アタック1/ライフ1

 【効果】


「これで、ターンエンドよ」


(ほぉ、水属性か。……でも、随分と静かな立ち上がりだな)


 そう思い、メリルの顔を見てみるが、表情は真剣そのもの。

 ポーカーフェイスなんかされたら手札の良し悪しがわからないな。

 相手の手札が良いのか悪いのか。

 まあ、でも、相手のデッキがどういうものかは大体予想がついた。

 判断するのを諦めた俺は、大人しくプレイすることにする。


「じゃあ、俺のターン。ドロー」


 クロハル

 マナ1→1

 手札5→6


 デッキからカードをめくる。

 そして、スッと一枚のカードをフィールドに置いた。


「俺は1マナを使い、『ダークシャドウ』を召喚」


 マナ1→0

 手札6→5


 『ダークシャドウ』

 コスト1/闇属性/アタック1/ライフ1

 【効果】

 ①このユニットがバトルゾーンに出た時に発動する。全てのプレイヤーのライフに1ダメージ与える。


「『ダークシャドウ』の効果でお互いのライフに1ダメージを与えてターンエンド」


 クロハル

 ライフ20→19


 メリル

 ライフ20→19


「地味ね」

「地味で悪かったな」


 これしかなかったんだよ。

 なんて言葉をゴクンと飲み込む。


「私のターン、ドロー!」


 メリル

 マナ0→2

 手札4→5


「そっか……じゃあ、私は1マナずつ使って、手札から『スライム』と『水精ミリー』を召喚よ!」


 マナ2→0

 手札5→3


 『スライム』

 アタック1/ライフ1


 『水精ミリー』

 コスト1/水属性/アタック1/ライフ1

 【効果】

 ①このユニットがバトルゾーンに出た時、自分のバトルゾーンに他のコスト2以下のユニットがいれば発動できる。カードを1枚ドローする。


「うーん、なるほど」


 相手のバトルゾーンに、水色のわらび餅が二体と背中に半透明な羽が付いた幼女が並ぶ。

 そう来たか。

 となれば、次のターンには場を固めなくてはいけないな。


「私は『水精ミリー』の効果を発動! 私のバトルゾーンにはコスト2以下のユニットがいるから1枚ドローするわ!」

「どうぞどうぞ」


 手札3→4


 『水精ミリー』の効果を宣言したメリルがカードを一枚ドローする。

 相変わらず水属性は動きが安定してていいな。

 で、ここから相手はどう動いてくるだろうか。

 ドクンと心臓が跳ねて、小さく身構える。

 しかし、


「攻撃はしないわ。ターンエンド!」

「おっ、いいのか?」

「これでいいのよ」


 攻めてこない。

 ということは多少は闇属性の特徴を理解している、ということだな。

 強敵だ。

 そう結論付けた俺は、ササッとターンを進めることにした。


「俺のターン。ドロー!」


 マナ0→2

 手札4→5


 カードを一枚めくる。

 さて、どうしようか。

 と、このターンでの動きを考えようとした俺は、ドローしたカードに目を向けた。


(おっ、ナイス!)


 早速来たか。

 いや、来てくれた、が正しいな。

 ドローしたカードを手札に加えない。

 マナを使い、俺は引いてきたカードをそのままフィールドへと送り出した。


「俺は2マナを使い、手札から『死皇帝の使い魔』を召喚する」


 マナ2→0

 手札5→4


 『死皇帝の使い魔』

 コスト2/闇属性/アタック2/ライフ2

 【効果】

 ①このユニットはドロップゾーンから召喚できる。

 ②このユニットがバトルゾーンに出た時に発動できる。デッキの上から5枚を見る。その中からユニット1体を選んでドロップゾーンに送り、残りを好きな順番でデッキの下に置く。その後、自分のライフに3ダメージ与える。


「死皇帝の使い魔……?」

「なにそれ!?」


 俺が新しく手に入れた闇属性のカードがバトルゾーンに躍り出る。

 聞き慣れないカードの名前に。

 メリルは目を細め、アルスは驚く。

 俺はそんな二人の前で、『死皇帝の使い魔』の効果を発動させた。


「俺は『死皇帝の使い魔』の効果を発動。デッキの上から五枚を見て、その中からユニット1体をドロップゾーンに送る」

「なによそれ!?」

「ドロップゾーンに送っちゃうの!?」


 二人共、ちょっと反応がでかくないですかね。

 特にアルス。

 おまえちょっと声大きいぞ。

 ほら、あっちでレオさんが苦笑いしちゃってるやんけ。

 そんなことを思いつつ、デッキの上から五枚のカードをめくり、ジッと見つめる。

 あっ。

 良いの見っけ、っと。


「俺は五枚の中からユニット――『死の皇帝ネメシス』をドロップゾーンに送る」

「……っ!?」


 その名前を聞いて。

 明らかに、メリルの目の色が変わった。

 パックから出た新カードだから、それがどういう効果をしてるかまではわからないだろう。

 だが、その名前から嫌な予感はしたらしかった。

 勘のいいガキは嫌いだよ。


「で、残りのカードは好きな順番でデッキの下に置き、その後に自分のライフに3ダメージを与える」

「さ、3ダメージ!?」

「でかいわね……」

「それはそう」


 クロハル

 ライフ19→16


 『死皇帝の使い魔』の効果によって俺のライフが『16』になる。


「ここで俺は手札の『スターヴ・ゴースト』の効果を発動。どういう効果かはわかるよな?」

「ぐっ、随分と嫌らしいカードを持ってるじゃない」

「そりゃあな」


 自分のライフにダメージを受けたことで、『スターヴ・ゴースト』を手札からノーコスト召喚できる。

 その効果を使って『死皇帝の使い魔』の隣に、『スターヴ・ゴースト』のカードを置く。

 こうして、俺のバトルゾーンには、大鎌を持った小さな角を生やした子供と、ひょろひょろしたオバケが並んだ。

 『スターヴ・ゴースト』はどんなデッキにも入れられる優秀なカードです、っと。


 クロハル

 ライフ16→15

 手札4→3

 

「俺は『スターヴ・ゴースト』の効果を発動。受けたダメージの分だけアタックとライフをプラスし、自分のライフに1ダメージを与える。俺が受けたダメージは3。よって、『スターヴ・ゴースト』のアタックとライフは……」


 『スターヴ・ゴースト』

 アタック1/ライフ1→アタック4/ライフ4


「こうなるな」

「ウソでしょっ!?」

「うわぁ」


 おいこら。

 うわぁ、とか言うんじゃないよ。

 アルス、お前はこっち側なんだから引くんじゃない。

 ドン引きするな。


「あとは……そうだな。『ダークシャドウ』で『スライム』に攻撃」


 『ダークシャドウ』

 アタック1/ライフ1→アタック1/ライフ0


 『スライム』

 アタック1/ライフ1→アタック1/ライフ0


「これで俺はターンエンドだ」

「くっ、中々にやってくれるわね」


 『ダークシャドウ』と『スライム』がぶつかり、それぞれがドロップゾーンに送られる。


(とにかく、相手のユニットを抑えられるだけ抑えないとな)

「これで俺はターンエンドだ」


 このターンで、俺のライフは『15』まで減った。

 あともう少し削ることができれば、一気に動きを加速できる。

 そんな考えを秘めながら。

 俺はメリルにターンを渡した。




タイトルを少し変更しました。


2022/7/30 大幅に色々と修正しました。


評価や感想、誤字脱字や要望などありましたらよろしくお願いします!

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