調停
「お前ら、何者だ…人間だろ、どうしたて上から降ってきたんだ…!?」
雷基の声、相対したか…。
「レジリア、翔也を頼む。何があっても足掻いてくれ、やばかったら俺を呼べ、構わん。頼む、俺の代わりに…」
「大丈夫だって…俺はやれるぞ……あっ…!っ…!!」
「すまない、でもわかってくれ。お前のことはよく知ってる、お前は俺の無茶を止める役だ、お前が無茶してどうする…」
俺は何を言っている、一つ一つなにかが起こるたびに…何かを思い出して言っている……誰だ、お前。……気にするな、今はこれに集中しろ。
「久しぶりだな、お前ら。刀季はいないのか?まぁお前らでもいいがな、実際誰でも同じだ。俺がしたいのは戦闘じゃない、協力して共に…管理者を、そう。俺たちで、数多の世界を救おうぜ。」
「…何を言ってるんだ文也、世界を救うって…この天災に…終わりがあるのか……?」
六夜と菜予だったか、こいつらは対話ができる人間ならいいんだが…な。
「なるほど…それは俺たちが進行を止めてお前の仲間につくと莫大な利益があるのか?」
「まともに聞く気か?そんなんやからあんたずっと小さい時から痛い目見てきたやんか、期待なんて」
「止めてくれ、菜予。それが俺なんだ、そしてそれを笑い話にしてくれるのがお前なんだ、だから…この話、最後まで聞かせてくれ。」
「…そうやな、ごめんな、こんな殺伐とした世界に来たから少し…焦ってたんかもしれへん。思い出させてくれてありがとう、そうやな、いつも通りにいこか。」
「そういうわけだ、話を続けてくれ。できれば面白い話で頼むぜ、兄ちゃん。」
…俺はなにを見せられていたんだ、怒りが込み上げてくるぞ。まぁ落ち着け、元いた世界でもよくあったことだ、よく…あぁ、よくあったことだ。
「わかった、話を続ける。俺は今この世界で王様をやってるんだ、なんでかって喰ったからだ、王を。それ故に色々と知れた、この世界、神、そしてその上…管理者について。そこに至るまでにも色々あった、それを知らなかったら辿り着けなかっただろう。そしてこの世界とお前たちの世界についてなんだがな、管理者って奴が暇で暇で遊びたいが為に俺たちの世界をリンクさせて片方を犠牲にしないと片方の世界が生き残らないようにしてるんだ。」
「待てよ、それじゃあ結局お前らを殺さないとダメじゃねぇか、俺はそう聞いたぞ。」
「そうだ、だからそういう決まりにしてるやつを引き摺り下ろして俺たちでそんな決まりを取っ払う。その為には俺たちの世界6人の勇者とお前らの世界の3人の勇者がいる、だから協力しよう。まぁそんなに負けるのが怖い根性無しならそれはそれでいいさ、一つの生存戦略だ。」
まぁ厳密に言えば俺も翔也も勇者じゃないんだがな…。
「…そこまで言われたんならやるしかないな、どうだ、勝率を%で表すなんて無意味なことだと思うんだ、それでも知っておきたい、大体でいい、大体でいいから教えてくれ。」
「マジで言ってんの?信じるつもり!?こんな信用のできないことをどうして!」
「そんなの…決まってんだろ、そもそもの話、俺たちを倒そうと思ったり、拘束でもなんでもだ。そこの鎌使いならできるだろ、なのにわざわざ協力の申し出。なんで、どうしてなんて聞くだけ無駄だろう。折角の申し出なんだ、こちらとしてもよろしく頼む。あぁ、%の話だがなんの話でもしてることだ、気にしないでく……」
………は?一体…誰がこんな事を、銃弾…この世界に銃はないはず、見た事がない。俺は銃を出せない、喰ってなかったから…何かが翔也に足りなかった、何かはわからなかった、まさか…まさか……!
「いい働きですね文也さん、隙だらけなので使ったことのないものでも簡単でした。もうそれで十分な罪滅ぼし…満点です!」
お前か…また、またお前か。お前が…奪ったのか。
「どこまで…どこまで俺を怒らせたら気が済むんだお前はああぁぁぁぁぁ!!!行くぞ、雷基!!」
「あぁ、任せろ!"天元突破・雷槍メラクナイ"!!嬢さんは彼氏の介護をしてやれ、これは俺たちの責任だからな!」
殺す、こいつは…殺す!一人足らないぐらい、なんの関係もなかろう!
「お前は…お前だけは…!!この俺が許さない、よくも!"秘」
「待て!管理者とか言う奴を倒すには9人いるんだろ…殺したらダメなんだろ!?やめろ!もしそれでもって言うなら俺が止める、"フルオープン"、"ルークズブレード"!!…その気持ち、よ〜くわかる、それでも…俺はそんなことしないで欲しい、お前もそうなんだろ?記憶がごっちゃになって、何が本当かわからなくて、それでも強くあろうとして、それでも仲間には何も不安な思いをしてほしくないって…!大丈夫なんだ、お前は、なんだってできる。感情に流されすぎなんだ…落ち着いてくれ、お前がそうなら従う方の士気にも関わるんだぞ!」
っ!…そうだ、落ち着け、それがこいつの狙いかもしれない。だがそれならどうやったら翔也のアビリティは元に戻る…
「あら、あらあらあら、あらあらあらあらあら。一体どうしてでしょうか…普通こんなことが起これば不信感は募りに募って協力なんて二の次三の次、対立が起こって私たちが神になる隙が生まれると思ったのに…気をつけるべきは刀季なんかじゃなく六夜、あなただったんですね…。」
俺たちはこいつの掌で転がされてたって訳か、許せ…待てよ、あいつの魂3割ぐらいをもらってそれをそのまま翔也に渡せばアビリティは治るんじゃないか?
「すまないが少しもらうぞ、それぐらいは咎められんだろ。」
「っあ…!?…ふふふ、人って結局そんなもんですよねぇ、いいですよ、全部取っていきなさい、自分のために!」
「言ったろ、少しって。黙ってろ、"爆炎刀・焔"!!」
「何を考えているんですかあなた…!?」
よし、大丈夫。あとはこれを翔也にはめ込むだけだ、うまくいくといいが…。
「翔也、もしかしたら相当な激痛が全身を襲うかもしない。だが、耐えてくれ!」
…ここまで綺麗に入るなんて、他人を回復させるために使う場合は原型留めないぐらいに小さく細かくしたものを使うってのに何も加工無しではめれた…これはだとすれば…。
「傷が…治っていく、どうやったんだ文也…?」
「何、簡単なことさ、ただお前の魂を持ってきただけだ。ただ何より不思議なのはどうしてお前が生きてたかって事だ、普通魂が無くなった物は全て塵の様に消え去るはずなのに…。」
「結果良ければなんでもいいじゃねぇか、なぁ、六夜…とか言ったっけか?」
「あぁ、そうだな…そっちの嬢ちゃんも顔に出さない様努力してるがバレバレだぜ、素直になれよ。」
「まだ動かないの、それよりもそこのあいつ、どうにかするわよ。殺さずに…死ぬよりも辛いものを与えて無理矢理」
「それは違う…あの女、凛は凛じゃない。何か別のものも混じってる、というよりそいつに推されてる。だからこんな変人になってるんだこいつは、つまり隼人と玲を取る。そして孤立した凛を俺たち全員で倒す、その際俺が凛以外の異様な魂を喰らう。それで万事解決…にしたいんだが、どうだ?」
結局今回の天災が始まってどれだけの時間が経ってるかわからないがもうボスもいないし周りを見たところ魔物の進行具合もいい感じに抑えれてる、満点だ。
「わかった、ならそれでいこう。すまないが今回は帰らせてくれ…腕は動くとは思うが安静にしておきたい。」
「わかった、すまないな。次に来る時は朗報を聞かせてやるよ、仲間が揃ったってな!」
…末恐ろしい生命力だ、いくら二、三人で回復に徹していたとはいえもう傷が塞がった訳じゃないが普通に動ける様になるとはな、対峙しなくてよかったよ。
「さて、凛がいるんだからお前らもいるんだろ。隼人、玲。出てこいよ、俺たち四人で、正気に戻してやる。」




