第五話 炎帝竜ヴェルザード
今朝は大変だったな
それにしてもほんとに仲のいい姉妹なんだな
俺がミサキさんの病気を治してからずっと一緒にいるな
まぁ今まで一緒に入れなかったからだよな
さてと
「ミサキさん」
「…」
「あれ?ミサキさ〜ん」
「……なのよ」
「え?」
「なんでさん付けなのよ〜!」
「は…はぁ」
「ミサキって呼び捨てで呼んで?」
「いや、でも「呼び捨てでよ・ん・で?」は…はい」
「あ〜わたしも呼び捨てで呼んで欲しいです」
「はぁ…わかったよ、カエデ、ミサキ」
「なんだか夫婦みたいで恥ずかしいですぅ…」
「あはは…」
「じゃあ俺はちょっと外へ出てくるので」
「は〜い、いってらっしゃい」
今日は森の中でレベルアップ兼スキルの確認をしようと思う
まずはずっと気になっていた雷帝からだ
雷帝を発動させると使い方が自然と頭に浮かんできた
種族スキルみたいなものなのだろうか
とりあえず雷を発生させ地上に落としてみた
すると
「なっ…なんだこれぇぇえ」
雷が落ちた先は半径20メートルの大穴が空いていた
ば…バケモンだろ…
次は雷を体に纏うイメージをしてみた
すると雷になった
比喩じゃなくほんとに雷になった
もはや原型を留めていない
試しに走ってみるとものすごいスピードで走る事ができた
いや、これは走るって言うのか…?
次は爪に雷を纏うイメージで…
『スキル「麻痺爪」を獲得しました』
なんか手に入った
どうやら麻痺爪を使って攻撃を当てると相手を麻痺させる事ができるらしい
効果時間は自分と相手のレベル差によって変わるらしい
よし、雷帝はこのくらいにして
次は炎帝だ
炎帝も使い方が頭に浮かんできた
まず、拳に魔力を持っていくと
拳が燃えた
『スキル「炎拳」を獲得しました』
このスキルは結構使えそうだ
このスキルは攻撃を当てた相手をレベル差によるが骨まで焼き尽くすらしい
次は炎を体に纏うイメージで…
これもまた炎になる事ができた
と、こんな感じでスキル全てがチート性能だった
「さて、スキル確認できたし、モンスターを狩るか」
索敵していると大きな反応があった
「これは放置してるとやばいかもな」
ちなみに今のレベルはモンスターを狩りまくってLv50まであげた
ステータスは
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種族:雷炎龍ヴェルフレア
Lv50
体力98662
魔力999999
素早さ99999
知力5000
スキル:「龍の息吹Lv」「身体強化Lv」「魔力操作Lv」「飛翔Lv」「雷帝Lv」「炎帝Lv」「索敵」「気配察知」「威圧」「人化」「命の泉」「鑑定」
加護:龍神の加護
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このようにツッコミどころ満載のステータスになった
「手応えがありそうだ」
とりあえず行ってみよう
なんとそこには赤い竜がいた
「鑑定」
「っ!?」
鑑定が妨害された…?
「おい…小僧この我を鑑定しようとはいい度胸だな」
なんだこの威圧は今にも気を失いそうだ
たがここで倒れるわけにはいかない
「ほう…ただの小僧ではなさそうだな」
「よかろう、我がステータスを特別に見せてやろう
そして、絶望するがいい!」
「鑑定」
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種族:炎帝竜ヴェルザード
Lv5000
体力80000000
魔力900000000
素早さ80000
知力9000
スキル:「竜の息吹Lv」「炎帝Lv」「威圧」「索敵」「魔力操作」「気配察知」「人化」「咆哮」
加護:竜王の加護
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やばくね?
素早さだけは俺の方が高いけどそれ以外は圧倒的な差があるじゃん!?
ん…?
「竜…?」
龍じゃなくて?
「我の名は炎帝竜ヴェルザード、最強種だ」
「自己紹介はこれまでだ」
そう言うとヴェルザードは一気に距離を詰めてきた
そして俺の腹めがけて炎拳がとんできた
だが
「俺の方が速い!」
「なにっ!?」
俺は炎拳をかわし、ヴェルザードの腹に炎拳をお見舞いした
「ガハッ」
やっぱり硬いな
「貴様、何者だ…?我と同じスキルを持っているとは…」
「あっおれ?」
「貴様以外に誰がおる」
「俺は雷炎龍ヴェルフレア」
「り…龍だと…!」
「龍などとっくの昔に絶滅したはず…」
「え、そうなの?」
「小僧、嘘か?」
「ほんとだけど」
「まぁいいどちらにせよ貴様はここで殺す」
そう言うとヴェルザードは今度は口の中に魔力を溜め始めた
「龍の息吹か!?」
ヴェルザードの口の中から灼熱の炎が出される
これは流石にやばいだろ
俺は雷帝を発動し、瞬時に避けた
「ほう…逃げ足だけははやいのぅ」
ちょっとイラッときたな
こっちも本気だすかな
俺は雷帝を発動したまま背後に回り炎拳を放った
しかし、
「甘いわ!」
尻尾で薙ぎ払われてしまった
「グハッ」
「この程度か?小僧」
「うるせぇ」
俺はすぐさまヴェルザードの懐に入り麻痺爪を発動した
「なるほど…麻痺爪か」
「なっ!?」
「我には効かん!」
スキルを言い当てられた事に動揺してしまい炎拳を食らってしまった
まずい、このままだと負けてしまう
とりあえず隙を狙うしかない
「小僧、ただ攻撃をするだけじゃ我は倒せんぞ」
ここで雷帝をフルに発動し落雷を放つ
「ほう…この威力は凄まじいな」
そしてトップスピードで懐に入り炎拳をお見舞いする
「なにっ!?」
流石に俺のトップスピードにはついてこれなかったらしい
怯んでいるところで俺は距離をとり口内に魔力を溜める
そしてそれを一気に放つ
「なっ!?」
反応に遅れたヴェルザードは腹に風穴が空いていた
「ガハッ」
「よし」
「我の負けだ小僧後は好きにするがいい」
『称号「魔の大森林の支配者」を獲得しました』
称号…?
なんだこの称号は
ん…?
「命の泉」
「なっ!?」
「小僧なぜ我を助ける?」
「なぁ…俺の仲間にならないか?」
「は…?」
なんとこの称号は任意の魔物を配下に加える事ができるらしい
「そうか…称号を獲得したのか」
「おっ、前はおっさんが持ってたのか?」
「誰がおっさんじゃ、我は女じゃ」
「えっ?そうなの?」
「まぁいい、その称号は前は我が持っていたぞ」
「でも、配下がいなかったよね?」
「普通竜種は一人で生きていくもんじゃよ」
「へぇ〜」
「ところでお主、そなたは龍じゃと言っておったがほんとうか?」
「あ、うん」
「なんと…まだ龍種が生きておったか」
「その竜と龍って何が違うの?」
「お主龍種でありながらそんなことも知らんのか?」
「はい…」
「仕方がないのぅ」
「まず竜はこの世界の現時点での最強種じゃ、しかしそれは最近なったばかりじゃ」
「およそ1000年以上前には我ら竜種よりも遥かに強い龍種が最強種だったのじゃ」
「しかし、その龍種とやらはあまりにも強すぎたため、神々に殺されてしもうたんじゃ」
「故に龍種は絶滅してこの世から消え去った訳じゃ」
「なるほど…」
「じゃあなんで僕は龍種に…?」
「我に聞かれても知らんわい!」
「まぁ後で考えるか、それより俺の仲間になる気はある?」
「そうじゃのぅ、お主と居れば楽しそうじゃし、何よりお主を気に入った」
「じゃあ」
「よかろう、喜んで仲間になろう」
「ありがとうヴェルザード!」
そして俺は竜種のヴェルザードを仲間にする事ができた
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