第三話 カエデ
「さて、今日もレベル上げしていこうかな」
俺は索敵しつつ、森の中を歩いていた
すると結構な数の反応があった
目視できる距離まで近づくと何と人がゴブリンに囲まれていた
「助けた方がいいよなぁ…」
俺は目にまとまらぬ速さでゴブリンを倒した
「龍神様…?」
あ、俺って龍だった
やばいどうしよう
人になるスキルなかったっけ
『スキル「人化」を獲得しました』
お、なんかゲットできた
とりあえず使ってみよう
「人化」
自分の体が熱くなるのを感じた
すると大体18歳くらいの体になった
「おぉ久しぶりの人間の体だ」
「あっあの…」
「うおっ!?」
「ひゃっ」
「あぁごめん、大丈夫だった?」
「こちらこそごめんなさい…助けていただきありがとうございます」
この申し訳なさそうにしているこの子は相当な美少女だった
しかも猫耳があるし、しっぽも生えてる
「獣人ってやつか」
「はっはい」
「そういや、名前は?」
「カエデって言います!」
「そうか、俺は東堂か…」
ん…?ちょっと待てよ
この子には龍の姿を見られている
龍の姿で名前が東堂翔ってダサくね?
どうしたものか…
あっそういや、種族名って雷炎龍ヴェルフレアだったよな
ヴェルフレア…
「ヴェルだ、よろしく」
「ヴェルさんですね!こちらこそよろしくお願いします」
「ところでヴェルさんは龍神様なのですか?」
「龍神…?」
龍神って確か…
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加護:龍神の加護
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やっぱり、でも加護って事は俺は龍神ではないよな…?多分
「いや、俺は龍神ではないよ」
「そ…そうですか…」
え、やめてそんな悲しそうな顔しないで
「そ…そのカエデちゃんは龍神様を知ってるの?」
「はっはい!私達猫耳族は先祖代々龍神様を祀っています」
「へぇ〜」
「あっ!もしかして龍神様の使徒ですか?」
「えっ?あ…違うよ、多分」
「そ…そうですか…」
うん。ごめんね
悪気はないんだよ
「ところで村ってあの辺にあるの?」
「はい、ちょっと歩いたところに私の村があります」
「そっか、それは助かるよ。なんせ野宿は疲れるからね」
「えっ?龍は基本外で寝ていますよね?」
え?そうなの?知らなかったんだけど
洞窟とかで寝ているものかと
「いや…人間の生活にも興味があるなぁ〜なんてね、あははは…」
「そうですか!ではご案内します」
「あっ…お願いします…」
「そういや、カエデちゃんはどうして森の中にいたの?」
「薬の調合をするために薬草を取りに来ていました」
「帰る途中でゴブリンに襲われているところをヴェルさんに助けていただきました」
「そうなんだ、どうして薬の調合なんかを?」
「そ…それは」
「あっ…話したくないのなら話さなくてもいいよ」
「いえ、大丈夫です」
「実は…私にはお姉ちゃんがいます、そのお姉ちゃんが病気にかかってしまって…」
「なるほどね…」
「あっ見えてきましたよ、あれが私達の村です」
そこには結構大きな村があった
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