第二十六話 初仕事
大分遅れてしまって申し訳ないです。土日は忙しくて投稿できませんでした。できるだけ早く投稿できるよう頑張ります!
〜〜冒険者side〜〜
「おいおい、こりぁ大儲けだそ!」
「ひっひっひっ、このドラゴンの素材があれば一生遊んで暮らせるぜ」
「俺達ぁ運が良かったな」
「へぇ〜これはこれは、見事なドラゴンの素材ですねぇ」
「そうだろう?……って誰だ!お前は」
「おっと、これは失礼。私はサタンと申します」
「サタンだぁ?何故ここにいる?」
「そのドラゴンを取り返しに来ました」
「はぁ?何言ってんだ、これは俺達が討伐してきたんだよ」
「混乱に乗じて襲っただけでは?」
「お前、あの場にいたのか…」
「いえ、それは私が生まれる前の話ですから」
「何言ってるんだ?」
「私はあの国の王である至高の御方に作られた悪魔でございます」
「悪魔…か、ふっ」
「おやおや?どうされましたかな?」
「正直、お前が悪魔だろうが人間だろうが、俺達には関係ねぇ」
「俺達に喧嘩をうった時点でお前の死は確定しているからな、それに一人で来たのも間違いだったな」
「そうですか」
「しかも、お前を作ったと言うやつも大したことねぇな、俺達はこれでもBランクだぜ?」
「私は一度も一人などとは言っておりません、それに我が主人を愚弄されるのは好ましくありませんね…」
「ひっ…」
「お、おいコイツの他にも悪魔とか名乗ってる奴が来たぞ!」
「貴方達にはここで死んでもらいます」
「「「ぎゃぁぁぁぁ」」」
〜〜ヴェルside〜〜
「よくやったな」
「はっ、有難き幸せ」
「持って帰って来てくれたか?」
「どうぞ」
「…」
やはり、いざ目の前で見ると心が締め付けられる。
もうちょっと入国検査を厳しくしていたら良かったのか?いや、それだけでは人の性格など分からない。いつもどうしたら良かったのかを考えてしまう。
「心中お察しします」
「あぁ、埋葬してやってくれ」
「御意」
いつまでも情に浸ってはおけないな。これから魔族との戦争だと言うのに、気持ちを切り替えないとな。そういえば、ロードから聞いた話だと魔界には何人か魔王がいるらしく、この前襲ってきたグレイもその魔王の配下の一人だそうだ。しかし、魔王と言っても全てが極悪人ってな訳では無いようだ。極少数だが、話ができる魔王もいるらしい。
「ロード、敵戦力はどれくらいだ?」
「掴めている情報だと、兵の数およそ100万です」
「そうか、なら勝てるな」
「えぇですが、今回戦う魔王の配下に幹部がおります、そいつらは我々に匹敵するほどの戦力を有しております」
「ほぅ…グレイももしかして幹部だったりするか?」
「そう考えるのが妥当ですね」
「なるほどなぁ…これで借りが返せる訳だ」
「そうですね、私も借りを返さなくてはいけませんからね」
「魔王は話が出来そうな奴では無いな」
「えぇ、正直人間界に攻めるのはバカがする事です、それに少なからずヴェル様の噂は耳にしているはずでしょうからそれでも尚、戦争を始めようとしているので、ゴミ虫以下ですね」
「あ…あぁ」
「ところで、準備の方は進んでいるか?」
「えぇ着々と進んでおります」
「此方の戦力は?」
「義勇兵が1000人、四海竜王、そして我ら八大竜王ですね」
「それで十分だ」
「正直我々だけでも良かったのですが、此度の襲撃の件で家族を殺された民達が兵に志願してきたので戦力として迎え入れました」
「うむ、ご苦労だったな」
「いえ、これほどの事は出来て当然でございます」
「そうか、それでもありがたく思うよ」
「勿体なきお言葉」
「そろそろ、相手も動いてくる頃だろう、皆に気を引き締めるよう言っといてくれ」
「御意」
今回の戦争は俺達が圧倒的に不利だと思われがちだが、そんな事はない。戦いにおいて大事なのは数では無い。もちろん数が必要な事もある。しかし、それは今回の戦争では全く持って無意味である。俺は数より質を大事にするタイプだ。俺の国の魔物達は全てがAランク以上の魔物であるため、質は問題ない。ここで、魔族を退け人間国に我が国の名を轟かせよう。




