第二十二話 魔族
さっきほどから双方どちらも決定打がなく攻めにくい状態が続いている。
(苦戦しているようだな)
(ヴ…ヴェル様!?)
(そっちにリヴィ送っといたからそれまで時間稼ぎをしといてくれ)
(……面目ない……)
クソッ自分の不甲斐なさでリヴィ殿はおろかヴェル様にまで迷惑をかけてしまうとは…。ヴェル様の配下に加えていただいた時に上には上がいるって痛いほど思い知らされたじゃないか!なのに心のどこかで人間如きに負けるわけがないと思っていたのか。
「クッ…」
「どうした?先ほどより動きが鈍くなってきているようだが…?」
「うるせぇな」
「あれ〜?シュガーちゃん、こんな雑魚相手に手こずっているようじゃとてもじゃ無いけどヴェル様の役には立たないよ?」
「…すみません…」
「まぁ新人さんだから仕方ないね、ここはおねーさんに任せなさい!」
「は…はぁ」
「ちょっ…なによっその反応は!」
「いえ、それよりも…「わかってるよ!」」
「話は終わったか?」
「うんうん、待っててくれてありがとー」
「じゃあ死ね」
「ガハッ…」
「っとまぁこんなもんよ!」
「ここで一旦帰ろっか」
「はい」
〜〜ヴェルside〜〜
リヴィを送ったのはいいが、シュガールのやつ相当凹んでるな。まぁでもここから強くなってくれるだろう。
「シュガールにリヴィ、お疲れ様」
「「はっ」」
「そして、帝国が宣戦布告をしてきた事についてなんだが、どうも裏で魔族が関わっているらしい。しかも、相当上位のな」
「へぇ〜、ねぇねぇ!私がそいつ殺してもいい?」
「リヴィ、お前はその戦闘狂っぷりをどうにかしろ」
「え〜ヴェル様にだけは言われたく無いな〜」
「まぁそんな事はどうでもいい」
「あ、話逸らした」
「その魔族なんだが、俺が相手する。みんなにはその取り巻き達を相手してもらう」
「数はそこまで多くはないが、そこそこ強いもの達だ」
「そこそこ強いならいっか」
「細かな事はまた今度話す、これにて解散」
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久しぶりにカエデの家にでも行くかな。
「うわ!?ヴ…ヴェルさん?!」
「よっ!」
「驚かさないでくださいよ!もう!」
「すまんすまん」
「それでここの生活にも慣れてきたか?」
「えぇだいぶ慣れてきましたよ。ここの魔物の人達みんないい人達なのですぐに打ち解ける事が出来ました!」
「そうか、それは良かった」
「ヴェルさん…」
「ん?」
「今、帝国と戦争してるんですよね?」
「んあぁ、もう滅したけどな」
「え?!もうですか?!」
「あぁ次は魔族と戦うつもりだ」
「魔族…ですか」
「なんだ心配なのか?」
「そりぁもちろんですよ!」
「カエデがそんな心配する事ないだろ?」
「ヴェルさんのバカ」
「え?」
「あ〜あ、行っちゃったね」
「なんだミサキ居たのかよ」
「なんであいつは怒ってんだ?」
「はぁ〜アンタって本当にバカね」
「だからなんでだよ」
「気づかない?」
「気づかないって何にだよ」
「カエデの気持ちにだよ」
「カエデの気持ち?」
「あたしが言えるのはここまで!」
「はぁ〜?なんだよそれ」
「いいの、ほら行った行った」
「ちょ…おい」
追い出されてしまった。てかなんだよカエデの気持ちって。人の気持ちなんて分かるわけないだろ?
(ヴェル様!緊急事態です!)
(何?!すぐ行く!)
〜〜⁇?side〜〜
「ほぅ…ここがあの龍神とやらが作っている国か」
「なかなかのものですな」
「我らの城とするのに相応しいですな」
「では、手始めにここの住民どもを皆殺しにするか!」
「ヘッヘッヘやりますか!」
「ヒッヒッヒ」
「蹂躙のはじまりだ!」




