料理教室 7回目
緊張の料理教室だ。
楓さんは顔合わせてくれない。
彼女はあの飲み会の記憶がどこまであるのだろう。
今日の料理はカレイの煮付け。
カレイの身にバツ印を入れる煮汁を染み込ませるためだ。
飾り包丁ってヤツだ。
鍋に水調味料をいれ煮だだせる。
魚をいれアルミ紙で落とし蓋をする。
そして煮る!
待ち時間が出来るわけた。今日一言も話していない、楓さんが隣に座る。
「楓さん、その怒ってます?」
「怒ってないです。」
「ですから、一華さんはただの社交ダンスのパートナーで。」
「では、社交ダンス辞めてくれます?」
「え?」
「冗談です。」
冗談に聞こえない。本気だ。
「あの時はお酒飲んだあとの記憶ないんですか。何かありましたか?」
酔うと記憶がなくなるタイプらしい。
「いえ、すぐに眠ってしまっただけで特には。」
「そうですか。良かったです。」
言えない。大暴れしたなんて。
「あ、でも呼び名。楓さんに変わって、ちょっと待て下さい。呼び名の前.....あ。」
顔がみるみる赤くなる。
「その嘘ですから。」
「大丈夫。聞いてないから。」
「あーー」
彼女の嘆きが木霊する。
料理教室が終わり帰る準備をする。彼女を見かけ声をかける。
「楓さん話があるんだけど。」
「はいいぃ。」
色々緊張させてしまったようだ。
先週と同じ喫茶店に二人ではいる。
「話ってなんですか?」
「楓さんに謝ろうと思って。」
「な、なにかな。一華さんの件?」
「妹に怒られたんです。ケジメ着けないで他の女性と付き合うなっと。」
「ケジメついて無いんですか?」
「俺の方がどうしても未練があった。明日告白して振られて来ます。」
「そんなのダメです!okだったらどうするんですか!!」
意外な返答。激しくぶつかって来た。
「いや、向こうからは婚活頑張れ言っているぐらいですから大丈夫です。」
「違う。okだったら私のこと捨てるんですか!」
「その時は、」
言葉に詰まる。だかはっきりさせたほうが良い。
「その時は別れさせて下さい。」
「いやです。もういいじゃないですか。傷つかなくても。」
「それでは前に進めないんです。」
「進めます。私を抱いてください。大和さんの全て受け止めます。」
彼女は必死だ。だからこそ誠実に。俺は首を横に降った。
「あ。」
俺の態度に彼女も覚悟を決めたように見えた。
「私、変態さんなんです。毎晩、大和さんのこと思って一人エッチしてるんですよ。例えば、無理やりとか想像して、縛られたり、お口とか。」
いきなり何言い出す。
「お、お願いします。わ、私を拘束して下さい。」
「ダメですよ。自分を大切にして下さい。」
彼女の瞳には涙が浮かんでいた。
「帰ります。」
席を立ちゆっくりと悲しげに消えていった。
これは、美咲に振られた後、楓さんと付き合うことは無理だろう。
そんな都合のよいのはダメだ。0から始めよう。結婚相談所にでも戻るか。




