喫茶店(青山楓)
喫茶店に入る。席の奥の方に青山さんの姿を見つけた。
彼女もこちらに気付き、立ち上がって軽く会釈をしてくれた。
彼女と向かい合わせで席に着く。
何の話題について話そう。妹に散々なじられたからな。
「あ、あの。」
彼女は、かけ声をかけスマホを見せてきた。自分のスマホを見る。
LINEにコメントがある。
『今日はこちらでメッセージやり取りしましょう。』
え?思わず彼女を見る。無理をしているような作り笑顔がそこにあった。
『okです。メッセ交換で行きましょう。』
『ありがとうごさいます。』
こうして、相手が目の前にいるのにLINEてやり取りする奇妙な形が出来上がった。
『それにしても何故LINEですか?』
『私、話の苦手なので。』
『え?普通でしたよ。』
『ええ、まだガードしてましたから。』
『ガード?』
『心の線引きです。今は歯止めがない状態なので。』
『何の歯止め?』
『言えません。』
彼女の顔をチラッと確認。真っ赤だ。可愛いな。
『料理教室で話した、慰めるはエッチのことじゃないです。』
『わかっています。』
『その、別れたらばかりでしょうが、もし、可能性があるなら私とお付き合いして下さい。』
「いいですよ。宜しくお願いします。」
スマホから目を離し彼女の顔を見ながら、自分の声で答えた。
青山さん体をプルプル震わせながら、泣いてしまった。
『宜しくお願いします。』
また、スマホに戻った。今の彼女は言葉は発っせられまい。
『明日、何処か行きますか?』
文章、便利だな。いい難いことをサラッと伝えられる。
『はい!宜しくお願いします。』
『行きたい場所ありますか?』
『中央公園でお願いします。』
『わかりました。では明日午前9時公園入口で待ち合わせしましょう。』
『はい。お願いします。』
デートの約束が終わり彼女を見る。とても楽しそうだ。
「今日はこれで失礼します。」
二人で喫茶店を出ると彼女はそう言い残し、駆け足で去っていった。




