料理教室 6回目
次の日、朝、美咲の部屋のチャイムを押す。
彼女の様子伺いと守り神を返却するミッションのためだ。
残念ながら留守だった。
所在をLINEで連絡し確認すると病院とのこと。
お大事に。
Twitterには朱里のカレーをアップした。
可愛い友人に作って貰いましたとコメントを入れて。
もう、会うことのないであろう彼女の記念に。
振られるのは辛いけど、振るのも辛いな。でも朱里の場合は恋い焦がれって感じだろ。本物の彼氏はすぐ現れるさ。
そんなことをしたあと、いつもの料理教室へ通う。
さてさて、今日の課題はハンバーグ。餃子作ったことあるから簡単に行けるかな?
玉ねぎみじん切り。得意得意。ひき逃げと合わせてこねる。
行けるな。
アレ?こね物ばかりやってない?ま、いいか。
あとは、空気を抜く。ボールのように両手で扱う。
「楽しいですね。」
隣で同じように空気抜作業をしていた、青山さんに話かけられた。
「そ、そうですね。」
青山さんだ、いつも通りにしろ俺。
「?何だか、いつもと雰囲気違いますね?何かありました?」
見透かされている!
「え、え~と。か、彼女に、ふ、振られたか、かな?」
「す、すいません。」
彼女に謝られてしまった。
「き気にしないでく下さい。だ大丈夫ですから。」
「すぐに傷が癒える物ではありません。」
首を振りながら自己嫌悪に落ちているような彼女。だか。
「あ、あの、わ、私で良ければ、な、慰めます!」
いつに無い強い意思が感じられた。
「え、いや、え?そその?」
「あ、ち、違います。そ、そういう意味ではなく。」
言葉ならない二人の会話。
「わははは。」
「うふふ。」
最期には笑って誤魔化す始末。
「その、あ、あ後でLINEします。」
そう言うと彼女は調理へと戻っていった。
料理教室終了後。彼女からメッセージが入っていた。
『下の喫茶店でお話ししませんか。』
『いいですよ。』
『ありがとうございます。』
『では、待ってます。』
彼女に誘われ喫茶店へ向かう。
直線話してくれていいのに。
イヤ、今の俺には言葉より文章の方が上手く会話が出来るか。




