蕎麦(森下一華)
「森下さん温泉マニアなんですか?」
素直に疑問をぶつけた。
「そうね。マニアかも。ただ秘境温泉は今回初めてかな。」
「そうなんですか。何時もは何処に?」
「近場の整備させたとこしか行ってないかな。」
その近場の温泉はそうそうたる名前が沢山出てきた。
「バババンババンバンバン!バババンババンバンバン。いい湯だなあははん。」
つい、口ずさんでしまった。隣の彼女は大笑い。
そして、ひなびた温泉街に着く。
ここで昼食を頂くことになっのだか、彼女が妙な看板を見つけた。
「見て見て蕎麦打ち体験だって。やって見ない?」
「いやー。蕎麦打ち大変ですよ。大丈夫ですか?」
「大丈夫。大丈夫。行こ。」
昨日の蕎麦打ちを経験しているので大変さは知っている。知らんぷりして打つか。
体験が始まる。
「ねえ。何処にが美味しいか勝負しよ。負けた方が勝ったほうの言うこと聞く。」
「いいでしょう受けて立ちます。勝ってエッチな要求します。」
「あはは、すけべ。その時は全部あげるよ。」
冗談を言いなか蕎麦を打つ。なお、現在彼女はロリモード。
「あれ?あれ?固まらない。あれ。上手くキレない?あれ?難しいよー」
悪戦苦闘の彼女を横目に順調に蕎麦を作り終えた。
「くー私の負けね。大和の要求はなに?」
彼女ちょー落ち込んでいた。
「俺の蕎麦と森下さんの蕎麦交換してください。」
「ダメよこんな、失敗作。」
「俺の料理食べて欲しいんです。今回反則でしたし。」
「反則?」
「昨日、料理教室の題材が蕎麦打ちでした。sns次回あげますよ。」
しばし、考えごとをする彼女。
「じゃ私の反則勝ちで、別の要求します。蕎麦交換認めます。その代わり、一華って読んでください。」
「一華。」
「なに。大和。」
彼女は嬉しそうに答えた。