お泊まり(足立朱里)
少し遅い夕食を食べていた。カツ丼。
「おいしい。だいだいさん本当に料理上手なんですね。」
なんでこうなった?Twitter止めとけ良かった。
「何故二人分あったかは不思議なんですけど。誰かいます?」
「来る予定だったがキャンセルになった。」
嘘をついた。二人分は不自然過ぎた。
「で、家出娘。何があった?」
「何もないですね。」
「はあ?」
「だいだいさんに会いたくなった。ではダメですか?」
「ダメです。」
助けてください。だろ。大方、親と喧嘩ってとこだろ。
「え~と。実は宿は取っていたんです。」
「で?」
「それが、手違いで、予約されてませんでした。」
「漫画喫茶は?」
「満室でした。それでだいだいさん、その辺だったなぁと思って連絡しました。」
なんか、イベントあったか?今日はないよな。明日?あ!ある。
「黄色い熊が飛ぶイベントか?」
彼女の顔か、パーっと晴れやかになる。
「やっと当たったんです。だからど田舎から頑張って来ました。」
そう、黄色い熊の飛ぶイベント。まさしくプラチナチケットだ。
「でも、あれ2日間だぞ。」
「明日の初日だけ見て帰ります。なので今夜だけお願いします。」
そういうことか。
「わーた。一晩泊めてやるよ。」
「もう1つお願いが、宿賃は普通にホテルの料金でお願いしたいのですが。」
追加のお願いか。ここまで来たら大概は聞いてやるが、必要ないな。
「そんなの、いらないよ。」
「え!か、覚悟は、出来てます。わ、わ、私初めてですから、そ、その優しくお願いします。」
何言ってる?意味わからん。
「じゃ、そういう事で。」
「シャワーお借りします。」
「風呂場はそこ右ね。」
彼女は軽く会釈をし、風呂場へいった。何だか疲れた。
この子、何考えている?
風呂あがりバスタオル一枚だけ巻いて上がってきやがった。
仮にも1人暮らしの男の部屋だぞ。襲われぞ。
「お前とっととパジャマ着ろよ」
「お願いです。早く終わらせたいんです。もうヤッちゃってください。」
彼女はバスタオルを落とした。
「待て待て待て。勘違いしてないか?」
彼女にバスタオルをわたす。
「勘違い?宿賃金不要、身体で払え、では?」
面倒くさい。
「わかった。現金支払い5000円で」
「あ、ありがとうごさいます。」
「とりあえず、身体隠せ。」
「キャァーーァ。あっち向いてください。」
その晩は何事もなく、朝は卵かけご飯を食べて彼女は帰って・・・ショーへ出掛けていった。