異世界で目標見つかる
「す、凄かった」
小学生並の感想だが、それほどショックを受けた。
全身茶黒の毛に覆われて全長4、5Mで4足歩行のイノシシ系、バッファローとバビルサの角を持っていた。
どうして邪魔な木が多い森に、あんな大型種が居たのかは不明だが、多分縄張りはココじゃない。
我が道を行くって感じで下草をなぎ倒していたし、あんなんが居たら森はもっと荒れてるだろう。
ようやく異世界に来たって実感が沸いた。
あと、おそらく地球より重力が少し軽い。
初めて違和感を覚えたのはついさっき。
ジャンプして落下の感覚に違和感があった。
あのバッファローバビルサ(仮)が巨大だったのは重力が地球よりも軽いせいかもな。
もしかしたら巨体種が多く存在する世界なのかもしれない。
と言っても、若い種じゃないだろう。かなり年を重ねてる。
もし地球のイノシシ科と同じなら視野は300度は有るはず・・・。
見た感じ眼窩は地球のと同じで側面、わざわざ振り向く必要は無い。
それなのにアイツは後ろを振り返って目線を向けた。
アレは多分「お前の事は見えてるぞ」って意思表示。
かなり知能が高いぞ。
「やべぇな・・・」
アイツを狩りたい
弱点は腹か?皮や毛は他より薄いだろうし、刃物が通るなら内臓まで一気にいける。
でも、わざわざあの巨体の腹まで潜り込んで腹を串刺し?・・・無理だ。
じゃあ落石で・・・いやいや、あの巨体を殺せる程の大岩をか?
滑車の原理で落下式の大岩を持ち上げて、ついでに設置も出来たと仮定して、都合よくアイツが通る頭上に・・・無理だな。
そもそも、アイツが来るまで設置して耐えられるロープなんて前世のザイルでも持ってこないと不可能。
落とし穴は・・・道具も無いし、体格的に無理。
だからと言って対面でやり合うなんて、それこそ異世界テンプレ勇者のスキルや魔法でも無ければ倒せない。
そんな甘っちょろい世界は無いって否定されたし、おそらく何処行ってもそんな事出来る人は居ないんだろう。
そもそも体格が違い過ぎる。
牙は鋭く毛皮も厚い。攻撃力も防御力も差が大きすぎる。比重や骨格が違うんだ、当たり前だな。
突進されたら一溜まりもなく潰れたトマトになっちまう・・・。
それでも狩りたい
狩りたい欲求と、無茶だと否定する自分が交差する。
まだ興奮してるんだ。あいつの姿が目に焼き付いてる。
「と、とりあえず生活が出来るようにしてから考えるか」
いつか、いつか狩ってやる。
この森を抜けるのは、その後だ。
短いですが。
主人公の名前どーしよ。とーぶん使うトコも意味も無いし、最初に出し直すか迷い中。
ブックマーク1件の方のおかげで頑張って書けてるトコあります。
ありがとう。