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異世界行けるってさ(プロローグ1)

―あなたは亡くなられた。これから地球とは違う世界へ行ってもらう―




よくあるテンプレ展開だった・・・。




あれ?俺なんで・・・。




確か・・・?

仕事も休みだからってスーパーでのんびりビールとツマミ買って帰ろうとして・・・。

それで・・・っそうだ!!

子供がエスカレーターから落ちてきたんだ。

多分ふざけて遊んでいたのだろう。稀によくある。

でも、比較的近くで見ていた俺は体が勝手に動いた、とでも言うべきか。

気づいたら大声をあげて落ちてくる子供に手が伸びていた。




ダメだ・・・。

そこから思い出せない。

知らない声だけがどこかから聞こえてくるし、周りを見渡してもどこまでも真っ白な空間。




「そう、あなたは子供を助けた」




なんと・・・あれか?神様は心の声までお見通しってヤツか。




「今、あなたは肉体を持っていない。発声する器官もないので思考だけを読み取ってる」




感情に抑揚が全く見られない。

まるでロボットと話してるかのような感覚だった。

てかっ俺、体無いの!?




「あなたは子供を助けた後、勢いが止まらずそのまま柱へ頭から激突。

意識不明のまま病院へ搬送されたが、打ちどころが悪かったせいか程なく死亡を確認、火葬もされ肉体は程なく無くなる」




えぇ・・・そこは神様的なアレで肉体持ってきて欲しかった・・・。

あれか?君はそこで死ぬ定めじゃなかったんじゃよ。すまなかった!って謝罪パターン?

正直、30過ぎても好きだった漫画や小説のテンプレ展開にワクワクしてるんだが。




「あなたは勘違いをしている」




そんな心躍らせてる最中、バッサリと否定を入れてきた声の主。




「生き死にの定めを人は、もちろん他の生物にもない。

仮に定めがあるとするなら中絶で亡くなる子供は、定めによる必然死だとでも?人が特別だと思わない事だ」




テンプレ異世界物全否定・・・。

えっいや…そんな風に考えた事はなかったんですけど・・・というかこの状況が特別じゃないの?

神が人を異世界転生するってよくある事なんですか?




「我々は神ではない。そもそも神などという人が謳う存在を我々は観測した事がない」




えっ・・・え?・・・



・・・・・・



ええええええええええええええ!?

じゃあ、今のこの状況はなに?別に俺もそこまで神様信じてた訳じゃないよ!?

でも、状況的にそーじゃん!?

俺死んだんでしょ?なのに・・・。




「我々は行き交う情報を観測する存在。人知を超えた知識を有する存在ではあるが、神というより宇宙そのもの。

あなたを選んだのは偶然だ。

人選中参考にした資料と状況が合致し、今こちらで用意した端末に今までの情報を保存、電気信号が行き交い、思考する事ができている」




端末て・・・かなり科学的な反応が返ってきた。

なぜだろう。

昔見た宇宙人、未来人、超能力者が出てくるヒロインが変人なアニメを思い出す。


じゃあ、俺はどうしてココに・・・?特別じゃないって言うならどうして俺が・・・




「暇つぶしだ。実験とも言っていい」




はああああああああ?!

ひ、暇つぶしって!実験て・・・人の命をなんだと。




「思考中、遮って申し訳ないが、まだ勘違いをしている。

人はやはり誰しもが自らを特別視している。複雑な会話ができる、知能が高いから、と他の生物より高尚な存在だという勘違い。

我々にとって人、ヒューマン、ホモ・サピエンスと呼ばれる存在は、地を這うアリを人が気にしないのと大差は無い」




絶句した。

文芸部員の上司(仮)さんはあまりに人という存在に、無感情で、無関心で、尚且つ自分の知る文明では理解できない科学力と、

何を考えても筒抜けな事が、どこか恐怖を刷り込むような・・・深層心理の奥底まで刻み込むかのような・・・。




「安心してほしい。あなたを怖がらせたい訳ではない。我々は提案をしている。強制ではない」




異世界・・・転生?だったか。

こういうのは大抵強制な感じがしてたが・・・。




「転移となる。あなたの情報を細胞レベルまで保存し、ヒト種と似た生物が存在する惑星へ再構築し、精製する。

容姿や年齢も多少変えられる。性別も変えたいと願うなら変更しよう」




おぉ・・・結構融通聞いてもらえる感じ?・・・。




「理由を説明する。

我々は貴方たちが呼称する地球の日本において、人が異世界へ旅立つ娯楽書物を多数確認した。

そこで我々は同じ事を試し、観測して知識を深めたいと考えに至った」




え?・・・つまり・・・人よりも上位だとおっしゃる文芸部員の上司(仮)さんはなろう系を読んで・・・た?。

それはそれで・・・何て言えばいいか・・・。




「我々はどのような情報も入ってくる。娯楽も情報の一部だ。

それが暇つぶしであり、実験と言った内容だ。無論断ってもらって構わない。あなたの意識はそのまま消え去り、虚空となる」




えぇ!?地球に輪廻転生されるとかそういう事はないんです?




「人が死を迎えて魂が生まれ変わるといった事柄を観測した事はない。心臓が止まり、血流が止まり、脳神経細胞の働きが止まればそのまま肉塊となる。

先ほども言ったが人も獣も等しく変わらない。

輪廻転生とは人の死後、意識や魂は何処に在るのか、という不安から来るヒト種の妄想でしかない」




うわぁ・・・。

どっかの宗教団体が聞いたら激怒プラス訴えてくるレベルの発言だ・・・。




「説明はこれで以上とし、変更が無ければこのまま転移、または消去とする」




言ってる事は理解できたけど、頭が追いついてこない・・・。

あっ!異世界へ行くなら特典とか・・・ないっスよ・・・ね。

なんか俺が知ってる異世界モノと全然違う・・・魔法とかスキルとか・・・?

無理かな。




「・・・何もない空間から人の体積以上の水を生成したり、火を発生させ飛ばす事などできない。

そもそもヒト種の構造からどうやってエネルギーとして構築し」




分かったよ!聞いた俺が悪かった!

で、でも、俺が行く世界の言葉は話せるんですよね?それぐらいは良いですよね?

それも無理なら俺詰んでるんだけど・・・。




「不可能だ」




はい、俺詰んだ。

な、なぜです?・・・俺その世界の言葉喋れずにどうやって生きていけば・・・。

あなた達の望みである観測から遠のいてるのでは?




「指定先である土地は日本で言うなれば150年ほど前の文明レベルに当たる。

ヒト種の会話も発展はしていて、大陸へ転移となる」




ペリーさんが来航した辺り?・・・世界的にみて近世か近代辺りか?・・・電気はギリまだかな。

やっぱり人の中で暮らすなら言葉が・・・。

それか世捨て人になって森で野生化する事になるんだけど・・・。

生態系が分からない土地で罠狩猟免許ぐらいしか取得経験が無い俺にはソロサバイバルは難易度がハードすぎる。




「我々が干渉できるのは人体精製と、情報の切替。それ以降は干渉できない。

仮に新たな言語を習得、発声まで熟せるレベルの知識を脳神経に負荷をかけたとする。

急激な情報処理に脳神経は焼き切れ、おそらくは廃人と化するだろう」




て・・・転生的なモノなら・・・。




「発達していない脳に情報を組み込む事などできない」




ハードどころじゃねぇ!超エキスパート級だった!

これ無理だろ・・・。

聞き取りだけでも無理ですか?文明が発達してるのに転移先の言葉が分からないなんて・・・。

生きてく道が野生人しか無いですよ・・・?

できれば俺も人と触れ合って生きてたいなぁと・・・。




「少し待て。検討しよう」




まさか、こんな近未来的な異世界へ行こうがあったとは。



俺の知ってる異世界モノと違う・・・。




読んでくれてありがとう。

間違ってるトコ、アカンとこあったら言ってください。

小説書くの初心者なんでありがたいです。

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