私の好きじゃない理想
「トントントントン」
わたしたちの病室に、気持ちのいい音色が響き静かのドアが開く。そして、一人ずつ挨拶を交わしっていく。
「おはようございます。なえさん」「おはよう」ゆっくりした口調で挨拶を交わす。
「おはようございます。フラさん」「もうちょい寝かせて」寝ぼけながら答え再び夢の中へもどっていった。
「おはようございます。ともさん」「おはようございます、看護師さん」私は、同じように返した
私が意識が戻って数日後、いつもどおり、看護師さんが朝ごはんを持ってきてくれる。
やはり、日常的に食べるものよりかは、まずいものではあるが、こんな体験ができることを私は、噛み締めながら、食事するのが、どれだけ幸せなことだろうか。
「ああ~まずいけど、美味しいなあ~」
そんな私の顔を見って、おばあさんはおかしなことを言った。
「お嬢さんて、若いのにそれに似合わぬ苦労してきてるのね~」
おばあさんは、見透かすように共感を寄せてきた。私の経験の郷に従って、言葉を返す。
「なぜ、そんな事がわかるのですか」
「顔に書いているのよ」
私は、その言葉の意味をそのまんま受け止めってとっさ的に鏡を見た。
「なにか落書きでも!」
でも、その映る顔には、何も書いていない。一瞬騙されたかと疑ったがおばあさんの「フフ」という笑い方がそうじゃないということを伝えってきた。
「例えよ、たとえ。お嬢さん意外とおちゃめなところがあるのね」
「ああ、すみませんそんな例え聞いたことがなくて。つい・・」
ちょっと恥ずかしかったけど、本題に戻した。「なぜ、私が苦労人と」
「トントントン」
私が、理由を聞こうと思った瞬間、三回のノックが私の耳を突いた、「いつもの四回ニックじゃない」
少し余談を挟むが、ノックのやり方が、三種類あり、二回のトイレノックと敬意あるところに入るときは、四回、そして他の意味もあるが信用ある人に対しては、『三回』なのだ。
私が考えたの看護師さんが来る前に従者が来ていたから、二人のどちらかの知り合いか、もしくは、警察か。思わずゴクリと息を呑む。
ゆっくりと静かにドアが開き。そこには、警察ではなく、三人の親子の姿であった。私は、胸をなでおろしホッと息を漏らした。
「お見舞いに来ましたよ。お母さん」清楚なお母さんと
「ババア来たぞ」よくいそうなお父さんと
「おばちゃん私も来たよ」元気な女の子
それを見た、おばあさんは、より一層シワを深くして、笑顔で。
「いらっしゃい!」
まるで、商人みたいな掛け声みたいに言った。そこで、「顔に書いてた」を体現するように「幸せ」という、文字が私の目に写った。
しかし、そこに写り込んだ文字の前と後ろに、『あなたの求める幸せではない』と付け足され。
私は、すぐにもう一人のわたしの本音が映し出されたことに気づく。『私の求める幸せではない』と答えが付け足されたかは、何となくわかったが、考えれば考えるほどに、自分の中の明かりが、どんどん暗くなった。
そんな、暗い気持ちを晴らすように女の子が突然
「あー!ファミレスにいた。ニコニコのおねちゃんだ!」
「ふぇ」
私の口から変な声が出た。
「ファミレスの・・・あ!怖いお兄さんを諭していた!」
「ああ!、赤ちゃんの声が響いていたときに「お腹すいたー」て例えてた店員さん」
私には、この親子について全く記憶はなかったが、この親子に取っては、印象深かったのであろう。
とりあえず、「覚えてくれてありがとうございます」とは伝えたが、私にとっては、お客様のためと当然のことをした。だだ それだけの印象だった。
私のココロの暗いところを照らしだした、その瞬間忘れていた、あの日のかすかな記憶が頭をつらぬいく、ノイズが走るように痛い。だけど、この家族を見ていると少しふんわり和らいだ。
私は、自分の脳裏に「あの時やったことは、正解であった」とそうやって、あの日の罪を焼き払い、その代りにそう、家族の笑顔に貢献したと記憶した。
その時、大きな疑問が、私の頭に浮かんっだ。
そう言えば、私の社会的な罪は,どうなったんだろうか?
自分で中では、せっかく抹消したはずの記憶が再び、頭を抱えさせ、ズキズキ痛み続けるのであった。




