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僕らの終末旅行日記  作者: ワサオ
第2章 四国上陸編
81/125

修学旅行9日目午前9時48分

 

 午前9時48分……


 4階の皇達はやっとこさバリケードを退かし、特別患者室の鍵も手に入れて目的の場所に進んでいた。その道中、下から何発もの銃声が聞こえ、皇はいやらしくニヤリと笑う。


「やはり銃声はいい音だ……最高の音色だよ」

「ごもっともです……」


 そして別号館へと続く4階渡り廊下を通り、別号館へと向かう。別号館へは鉄格子に鍵がかけられており、簡単には入れないようにされている。

 鍵を開け、そしてすぐに鍵を閉めて特別患者室へと入っていく。


 特別患者室は全部個別で殆どの部屋には誰も入っていなかった。皇達はそのままどんどん奥へと進んでいく。

 そして一番奥へと着くと、厳重警備と書かれた紙が貼ってある暗証番号入力型の部屋を神咲は暗証番号を打ち込み、ロックを解除し、ドアを開けた。


「ここにいるはずです……被験者が……」


 皇が部屋に入ると、中は更に厳重にガラスにより仕切られており

 その中のベットの上では里彦が寝りについていた。


「こいつをヘリまで連れて行け……もう1人と私と神咲は3階に行く。……ところでもう1人の奴はまだなのか?」


 兵士の1人が答えた。


「はい、連絡を取っているのですが通じないようです」

「ふん、しくじったか……まぁいい次に行くぞ」

「はい‼︎」


 ーーーーーーーーーーーーーー


 その頃、3階へとたどり着いた雅宗達は感染者がうじゃうじゃいる為、受付所の机の椅子の後ろに隠れていた。そこで2人でコソコソと話していた。


「どうすんだぁ……この状況」

「……」

「まっ感染者が居なくなるのを待つだけだ……」

「しっ……誰か来る」


 4階の階段から3人の足音が聞こえて来た。それは徐々に近づき、受付所の前で止まった。


「止まった……」

「静かにしろ」


 その3人は皇達で、廊下側から受付所の机を見て居たのだ。勿論、感染者達は皇達に気づき、2方向の廊下から一斉に走って来た。

 すると皇達は雅宗達がいる受付所へ入ってきた。隠れている雅宗からは皇の足は目の前にあり丸見えだった。そして隊員は迫ってくる感染者に小銃を向け、一気に放った。放たれる何十発もの激しい銃声と共にドミノ倒しのように感染者をうち払った。

 そして打ち払った感染者を見た皇は、神咲を先頭に歩き始めた。


「早く例の資料を探せ‼︎」

「はい‼︎」

「私と神咲は院長室へと行く。それまでには探しておけ」

「分かりました。


 威圧しながら言う皇に、隊員はそそくさと受付所の中へと入り、小銃を机の上に置き、雅達に背を向け、棚のファイルや封筒を散らかしながら調べ始めた。


「クッソ〜何で俺がこんな事を……」


 荒々しく探しているため、物を落とし、簡単には気づきそうにない。そう思った雅宗達は椅子をそっと退けて、立ち上がった。そして雅宗は2階で取った小銃を逆に持ち、雪菜はそっと机の上にある隊員が置いた小銃を持ち2人で背を向け、資料を探している隊員の首元に攻撃を仕掛ける準備をする。


 雅宗は手で3・2・1……攻撃と合図の確認をした。雪菜も頷き、雅宗は3・2・1と合図を出した。そして2人が一斉に殴ろうしようとした瞬間


「あったぞ‼︎」

「⁉︎」


 いきなり大声を出して驚き、攻撃が止まってしまった2人。そして振り向こうとした隊員に2人はイラつき、合図を忘れて普通に頭を殴り、その場に気絶した。


「ちっ‼︎ビビらせやがって‼︎」

「おい、コイツが探している資料はどうする?」

「別にいいだろ、そんなもん放っておけ‼︎屋上へと向かおう、あいつら戻って来る前に」

「……あぁ」


 2人は小銃と拳銃を持ち、走って屋上へと向かう。


 ーーーーーーーーーーーーーー


 屋上では寝ている里彦を担いだ隊員が、真沙美が座っているヘリの隣の席にシートベルトを着用して置いた。


「さ、里彦君⁉︎何でここに……⁉︎」


 置いて行くと隊員はすぐに建物内へと戻って行った。

 雅宗達が4階階段を上っていると、上から早足で降りてくる音が聞こえていた。


「やばっ⁉︎」

「隠れろ‼︎」


 雪菜が雅宗の服を掴み、陰に隠れた。そして3階に降りたのを確認し、屋上へと向かう。

 屋上ドアに隠れて、雅宗はヘリポートを覗く。

 ヘリポートにはヘリを囲む小銃を持った隊員2名と真沙美と里彦がいた。


「2人もいるじゃねぇか」

「真沙美が目の前にいるってのに……くそ‼︎早くしねぇと戻ってくる……それまでには……」


 雅宗が1人でに頭を抱えて考えていると、空から何処からともなく一台ヘリが飛んで来た。そのヘリを隊員達が見ると不思議そうな顔をしていた。


「ヘリ?ほかのヘリは別の場所のはずじゃあ?」

「乗ってる奴……誰だあいつら⁉︎」


 隊員がそのヘリの方へ目が行き、雅宗達もそのヘリを目を凝らして見た。その中に人を見て雅宗は屋上に出て叫んだ。


「……あれは……幸久⁉︎」


 ヘリポートの隊員達も困惑する中、その雅宗を見て、ヘリの中から身を乗り出して顔を出したのは幸久だった。


「雅宗⁉︎何でここに⁉︎」

「えっ⁉︎雅宗が⁉︎」

「何⁉︎」


 他の生徒たちも窓から雅宗を見る。

 勿論真沙美にも雅宗の姿を確認した。


「雅宗⁉︎」

「真沙美‼︎」


 ーーーーーーーーーーーーーー


 3階では皇達が受付所で倒れている隊員を見てキレていた。


「くっ……侵入者か‼︎」

「どうやら他のヘリも来てるようですね……ふっふっふ……」


 拳銃の弾を確認し、屋上へと急いで向かう2人……


 この時、午前9時56分……

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