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ヘタレの異世界無双   作者: garaha
一章 行き倒れた男
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9話 王都で転職だ! (ユウタ、セリア、モニカ、スーン、ジェット、テラ、ネルチャ、サワ、カスミ)

 某日某時刻 アーバイン平原にて


「・・・くそ! どうなってやがる、楽な作戦じゃなかったのかよ」


 周りを見ても立っている奴のほうが少ない。矢だ。上から来やがる。伏せてもしょうがない。んな馬鹿な。他の連中は、みんなやられちまったってのか? アーバインを襲うゴブリンどもに奇襲を掛ける戦い。それは半刻でケリが付いた。


 味方に降り注ぐ濁流のような矢の雨と魔術。盾を上に向けて構えてみてもどうにもならない展開だった。上のは防げても、横から魔術が来るんだ。そっちか上かどっちかだ。ゴブリンが。ゴブリン風情が策を読んだってのかよ。味方の策が、ルナ様の作戦が、読まれてたってことか。


 パーティーに壁役がいたところでどうなるものでもない。とんでくる攻撃の数は圧倒的だ。手数が違いすぎる。味方が応戦している姿は見えないんだ。


「ジェット、テラ、ネルチャ、サワ、カスミ。皆・・・・・・すまねえ」


 カスミ。

 ・・・・・・二人で結婚資金になるって喜んだのにな。いつか店を開いてさ。5万ゴルと引き換えに、地獄行きの切符を買っちまった。ルナ・フォン・エッフェンバッハ。輝ける光の軍師。そんな異名を持つ彼女の作戦に隙はなかったはずだ。だってそうだろう? まさか。まさか、ゴブリン達があんなに武器防具を持っているとか。想定外だろうよ。


 ああ、そう。誰のせいでもない。ゴブリン達、モンスターに知恵はなく愚かで人間達にやられるだけの存在のはずだ。そんな馬鹿な! と言っていい。参加している冒険者達は、一人の例外もなくそう思ったはずだ。


「ちくしょう。こんなはずじゃなかったのに。・・・・・・ガフッ?」


 冒険者達は3分の1か。それくらいは、矢と魔術をもらって倒れてやがる。これじゃあ、アーバインの町もどうなることやらだ。ゴブリン共め。用意だな。念入りなことだ。矢に毒かよ。鼻血と吐血が、漏れる。身体に毒が回ってきやがったのか。


 だんだんと目の前が、薄暗くなってきやがった。まだだ、まだ死ねねえ。この戦いが終わったら彼女と。カスミと結婚するんだ。諦めないぞ、絶対。みんなを助ける。みんなを守る。絶対に生きて帰るんだ。


「スーン! 大丈夫か? おい!」


 誰だ? 名前呼んでくれてんのか? 逃げろ。俺は、もう駄目だ。置いて逃げるんだ皆。早く!








「セリア。その転職の神殿はどこにあるんだ?」


 食卓を囲みながら、初期魔術について目を通す。と、転職が気になって尋ねる。使えそうな攻撃魔術といったら、元素系魔術の各種と各種壁系か。ハムみたいな物にパンでサンドイッチを・・・・・・。あ、食材買ってきてなかった。コーヒーはどこよ。コーヒーのブラックが飲みたい。くそ・・・・・・。


「転職の神殿か学園が近かったな。・・・・・・案内しよう。ただし、目立たないようキャップにマスクをしたいご主人様」


 セリアは目立ちたくないってことか。


「セリアが目立ちたくない理由はわかんないけどさ。了解だ」


 魔術によるガード呪文系。これはいい。防御には持ってこいだな。火壁(ファイアウォール)なら水以外は防げそうだ。ただ、電撃は貫通していくるだろう。その場合は、土壁(アースウォール)が必要だ。つまるところ、一系統だけの術者というのは雑魚だ。最強にはなれっこない。うん。求めるのは、最強だ。やられ役なんてまっぴらごめんだろ? 


 むう。隣を見ると、2人とも腹が空いた様子じゃない。おかしいな。もしかして。この世界は1日2食なのか? 俺は、すぐにお腹が空く。


「あのご主人様。何しにいくのですか?」

「えーと、モニカに鍛冶士になってもらいたい」


 無茶だろうか。しかし、やってもらいたい。鍛冶と家事を。うん。


「ご主人様。転職には5千ゴルが必要になりますよ? それになったとしても施設がなければ作れませんし。鍛冶士になったあとも素材に鋳造代と相当なゴルが掛かります。儲かる鍛冶士というのは素材からすべてPTで集めるそんなジョブですよ? それでもやりますか?」

「もちろん!」


 金はなんとかするさ。ふふん。きりっとキメ顔を作る。モニカは、納得してくれたのか。決まったな! あとは、アーバインの町でスキル本の続きや中級編も学習かね。戦闘と生産スキル本とか勉強するのを忘れやすいよな。セリアが、なにやら意見があるっぽい。


「モニカが心配しているのは、だ。素材が失敗すれば損失が大きい所にある。安心して必ず儲けが出るわけではない。鍛冶は、そもそもギャンブルのようなものだぞ。装備更新であれば、作るより買うほうが安上がりではないのか。鍛冶士の上のジョブになればまたかわってくるが。それに作れたとしても・・・・・・。ゴルは簡単には儲からないものだぞ」


 ほう。セリアは、なんかゴルに苦い思い出がありそうだな。迷宮潜りにボス狩りなら任せろ! 同じダンジョンのボス部屋100周200周など余裕よ! ん。まあ、出ないなら・・・・・・。出るまで回ろうホトドギス。まあ、その。きっと、回っているうちにゴルの方が貯まると思う。多分だけど。大抵は、買う羽目になるんだよな。

 

 きっとそうなる。俺のリアルラックの低さなめんなよ! あー。この世界、バフとエンチャントがあるな。試しておくかね。付与士とか錬金術士があるなこりゃ。俺は、もっともらしい事を言ってみる。


「ゴルはなんとかするから。それより武器防具をよくしたい。鍛冶で武器に属性とか特殊能力をもたせられる?」


 剣に6属性か。あと特殊能力とかなあ。他にあるんだろうか。ないならないで、また何かあるよな。やばい。簡単に言ったが、金策は盗賊ハンターだった。彼らは、貯金箱のように金を持っているし首が文字通り金になる。セリアは、髪を指でいじりながらいう。


「ならいいのだが。属性は属性石を武器に掛け合わせる。これは属性精霊石を買うか発掘する必要がある。あとは魔石についてだがモンスターを倒すと稀に核を落とす。モンスター版キューブのモンスターコアといわれるな。刀身を作るには鍛冶の腕がいる。魔術で精製されたモンスターコアは、誰でもつけられるので簡単だ。填める穴はだれでも見てわかる。なので、如何にいい刀身を作れるかそれが問題になる。腕、運、初期資金がなければ運転すらむずしい。使う人間に合った専用武器をつくるには、それを名工から買うしかない。難しいぞ? ご主人様」


 それでもやるのか? っていうかその心配してくれるのはありがたい。セリアの常識で考えると、そうなのだろう。難しいのかもしれないな。


「ありがとうセリア。んっと・・・・・・。まあ、作る方向で行きたい。モニカ。頼めるかな」

「あのご主人様ありがとうございます! えっと・・・頑張ります!」


 なんか感激された。好感度もあがったか? 2人には着替えをしてもらいながら、今後の装備を考える。やっぱ、敏捷値と回避を気にするなら。レザー系かね。軽い装備がいいだろうし。んーでも、斬撃とかタンク用にするなら。プレート系だよなあ。

 

 ローブ系、チェーン系もあるし。やるだけやってみようぜ! 切り抜けられるきっと。あ。あれ。これって・・・・・・。俺が素材集めて、作って・・・・・・プレゼントするのか。まさかなあ。MMOでの悪夢の記憶がよぎった。背筋が寒くなったんだ。気のせいか? あとは、ゴル獲得、料理、素材、鍛冶施設、裁縫。こんなところかな。


 あとなんだっけ。やること、多いな。日用品とかベットの追加かねえ。とりあえずは、エンチャントを出来るかやってみよう。試しに銅の剣を生贄だ。これに(ファイア)をかけてみる。


 ユウタは付与術士を獲得した! ユウタは錬金術士を獲得した!


 ふむ。これってキューブが教えてくれてんだな。魔力回復ポーションをあおっとくか。激マズだな。ファイアの熱でどろどろに剣がとけちまった。意外にも、(ファイア)に威力があった。んー、ゴミ箱を設置しようか。それとも鍛冶場でエンチャントするべきか。


 農場じゃないけど菜園の設置もしたいな。風呂改良。あと石鹸に洗濯か。泡だらけの2人か・・・・・・いい! くくく。なんだか、みなぎってきやがった。何のためにこういろいろしているのか。ちと嫌気がさしてきたが、エロだよな。そうエロもとめてんだよ! 奴隷ちゃんとムフフできゃっきゃできる俺のターンはどこだ!


 うん。ちっとずつ仲良くなっていきたいが、彼女達はどうなんだろなあ。よくよく考えると、1人だけならよかったんだ。どうして2人もゲットしてしまったんだ俺。後悔先立たずか。けど、なんだろう。2人を見た瞬間、両方見逃すって気にはなれなかったんだ。うーん、わかんねえ。なんでだろなあ、まあ運命か。

 

 今のままじゃあ、セリアとニャンニャンなんてマジ無理だし。無理やりやろうとしたら間違いなく、死ぬ。動きみればわかる。勝てる気がしないし。え。試しにしてみろよって? どっかから言われるような気がするが。死んだら次がないぞ! 無茶苦茶をいうなよ?


 特にセリアは、超スキルと超装備レアをそろえてもダメのような気がする。なんで駄目なのかよくわからないけど。駄目な気がするんだ。普通に、接してみたい。可愛い子とは、仲良くなりたいよな。胃袋攻め・アイテム攻め・装備攻めかね。あとは会話次第かなあ。会話力…ないけどな。


 ルナ様とか気になる。が、現状セリアがSランクモニカCランクでみてもセリア=F ルナ=sssくらいに難しいだろうな。だって、ルナ様とは接点ないし。周りにイケメンが多過ぎだし。あれに割って入るって? どんなキチガイだよ。友人くらいになって、ちょっと鑑賞するくらいでいいか。

 

 あれ? よくよく考えると、接点すらもうなくねえ? そう考えると盗賊達からキューブ回収しなかったのは、不味かった。アホだ。金策もまともにできてないのに。自業自得ってやつか。今後、奴隷なり仲間なりを増やすにしてもゴルがかかるだろうに。

 

 だとするなら、戻るべきか? 冒険者ギルドでちまちまと、お使いクエストとかこなして稼ぐか? そういうのも有りだが、ランクだかを上げるのにそんな意味あるんだろうか。うん。時間は有限なわけですよ。ガンガン迷宮の下層まで潜っていって、宝箱や素材をゲットしたりしないと。ゴルを稼ぐのに時間がかかる。そんなのは、目に見えている。


 うーん。序盤からどんどん稼げるなんてないしなあ。大体、そんなに誰でも稼げていたら冒険者だらけだろう。そんな気もする。悶々するなあ。ユウタ様ー、抱いてください。そんな好感度最大で迫ってくる美少女がいてもいいんだぜ? そんな夢のような展開ないのかよ。

 

 せっかく、異世界にきたはずなのについてなさすぎる。そうだ仲間だ。いや、奴隷だ! 奴隷商人のとこでゲットだ! なんか違う気もするが、ゴルを貯めてゲットする用意はしておかなくてわ。予約いれておくのも有りだな。そう考えると、さっきの盗賊達のキューブを回収すべきか。

 

 消えていても、困らない。残党狩りには、いいタイミングだ。時間的にオヤツには早いくらいか。買ってきてもらった服に着替えて、武器防具を装備する。上は白シャツに下は青のズボン。これに装備を着てと。裁縫の技術は、現代よりこれ上なんじゃないだろうか。

 

 シャツは、手作りかも。今日もいろいろいっぱいだ。王都で転職の神殿に案内してもらう。奴隷の2人は美少女だ。それに挟まれる俺は、ヒモか何かに見られてるような。もちろん注目は2人で、俺はスルーされてた。腕を組んでさ、おぱーいを楽しむ日はくるのか!?

 

 ゴルをもたせるとセリアとモニカは受付にいく。待っている間に食材やら材料買いにいってくるとは2人に告げておいた。立派なところだ。あまり時間かからないらしい。音速ですませてこないとやばい。待たせたらセリアが怖い。


 転職済ませて、ハントだな! え? 何のハントってほらねえ。モンスターはまだー? っていわれそうであるが・・・。モニカの育成コースはちゃんとあるよ! ただ保護者して迷宮だと、惰性になりやすいからね。ゆとりコースかスパルタか。どっちなのか、考えないといかんな。

 

 テレポートを使い戻って、神殿の中で待っている。しばらくして、2人が戻ってきた。ふむ。さっそく盗賊狩りにいこうか。盗賊団の連中に止めだな! ちょっと悩んだ。だが、やはり盗賊に追い込みかけたほうがよさそうだ。


 残党がいなかったなら、また別のことをしよう。え、俺? けっこう執念深いです。ごめんね。盗賊さんたち。




 キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 冒険者 

装備 鉄の剣 チェインアーマー 銅のメット 皮のブーツ 木のバックラー 銅の篭手

邸宅有り  セリア 人狼 モニカ 鍛冶士

スキル テレポート PT編成

特殊能力 なし



冒険者LV15市民28村人25戦士23剣士23弓士22勇者24狩人26魔術士15

商人14薬剤士14騎兵12弓騎兵12格闘士12英雄12治癒士12料理人10魔獣使い12

付与術士1錬金術士1


所持金46万中ゴル

次回もセリア分多め? 

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