表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘタレの異世界無双   作者: garaha
一章 行き倒れた男
72/710

68話 町でトラックさん2!

 俺は今冒険者ギルドの喫茶コーナーと言える場所で少年と合っていた。周りは冒険者が忙しそうに動き回っているし、ギルドの職員は買取から販売まで常に休む暇も無さそうだ。

 

 クラン員募集もまだまだ続いている。今日はメビウス・リング、かみねこ王国、アークエンジェルズか。入ってみたいけど、今や村の代官だしもう無理だな。

 冒険者ギルドには人が大量にいるが、中の空気は適温で快適だ。きっと何かの魔術か魔道具が使われているに違いない。


 初対面だったが、ロシナ・アインゲラーという姓持ちでいかにも貴族で騎士という格好のハーレム少年と話をする。金髪の少年は仲間を3人連れていた。3人とも綺麗、お人形さん、可愛いとタイプが違う。なんとも羨ましい限りだ。

 そんなロシナと相対する格好でテーブルに座った。連れの3人は席を外したのが残念だ。

 

 俺は会話する内に衝撃的な事実を知ることになった。

 なんとこのロシナさんは俺と同じようにこの世界にやってきた日本人らしい。0歳からスタートとは随分恵まれた物だと思う。積み重ねがその分効くしなあ。きっとNAISEIチートでチーレムしてるんだよ。きっとそうだ。まちがいないぜ。

 俺のチーレムはまだ始まってすらいないけどな!


 よくあるテンプレ展開通りに神様からオンリーワンの能力でも授かって来たなら、さぞ上手いことやっているのだろう。どういう能力を授かってきたのかとても気になる。まあ、切り札なのだろうし教えてくれるはずもないだろうな。

 

 俺はロシナさんからスキル設定について色々と教えて貰った。今まで俺は見よう見まね、魔術も魔術書を勉強するといった風で使ってきた。どうやら俺は色々間違えていたようです。キューブを使って確認する。脳裏に浮かぶ表示は使えるスキルが白く輝き、使用出来ないが使えるようになるのかわからないスキルは黒いままだ。

 発動中でないスキルは灰色になっている。


 色々試してみたい事は山盛りあるけれど、中でも黒いままで表示されている固有能力がとても気になった。

 固有能力( 人形使役(マリオネットハンドル)人形化マリオネット幽体離脱(ダイブ)生命操作(ライフコントロール )力吸収エネルギーアブソーブ 、ダンジョン生成クリエイト・ダンジョン竜化イモータル・ドラコ )これだ。

 LVを上げれば使えるようになるのか、謎であるけれど俺が一番気になるのは・・・

 

 気になるのはダンジョン生成だ。なんと言ってもゴミ箱に最適じゃないかと思う。森の近くにでも作ってモンスターの死体をぶち込む。いうなればゴミ捨て場とも言うかな。ダンジョンが村防衛に活用できれば尚いいんだけれどそんな物は無理だろうな。モンスターがダンジョンにゴキブリホイホイのように吸い込まれてくれればいいのだけど、そんな都合よくいくとも思えないしな。

 

 ダンジョンをなんでゴミ箱にしたいかと言うと・・・俺のイベントリが目下ゴミ箱状態なんだ。馬鹿でかいトカゲからゴブリンにオーク、リザードマンと雑多なモンスター達を倒してはイベントリに入れてきた。このままではいつか埋まってしまう日が来るだろう。ダストBOXならぬダストダンジョンが必要だ。


 イベントリの中は腐る気配がない。最近気がついたんだ。この腐らないということがいかに重要な事か。あのトカゲの森とも言える黒い森で思い知らされた。腐ったトカゲがいかに戦意を喪失させるかってことを!

 あれはきつかった。

 モンスターを回収していたのは単に物欲の為だったけれど、結果オーライだといういことで。森の中が死臭で覆われていたら流石に探索に響くよね。冒険者達も俺達がトカゲを相手している間にゴブリンの村位制圧してないかなあ。上手いこといってくれているといいのだけど。

 この町側から森に入るとどうなるのか、情報が無いのでなんともいえない。


 現代日本とは全く違う風情の世界に来て早8日目だ。とにかく生きていくには金、この国ではゴルというらしい。これがいる。日本にいた頃なら金さえあれば愛以外なら大抵のモノは手に入った訳だし、この世界でもおそらく同じだろう。

 そういう訳で俺は金策に勤しみたいのだけれど周囲の事情と俺自身が取った行動が枷になって上手くいかない。迷宮に潜って一山当てるというのがこの世界でも冒険者なら普通の事らしい。当然ながら俺も迷宮に潜ろうとした。したんだが、いきなり中で盗賊達の待ち伏せにあったりしてちょっと今は入る気になれない。


 この盗賊達もだが俺は忍者も倒していたりしていた。おかげで忍者からも付け狙われている。こいつら用意周到というか指揮官でもいるかのように組織的に動いてくる。やはり忍者とか盗賊の死体もイベントリに入れておくべきだったか。過去が追いかけてきて先に進めなくなりそうだ。人の死体x30とか重なってイベントリに入れておくのも気持ち悪いので回収しなかったのは不味かった。

 忍者や盗賊も派遣した仲間が帰らなければ捜索するだろう。

 

 《サーチ》この位置を特定する魔術に合わせて何らかの方法で死体から殺害者の情報を引き出す。こんな所だろうか。なんせ国民的大作ゲームの魔法みたいな移動魔術から色々ありえないようなモノがそろっているのだ。現代日本人の常識でこうだと決め付けてしまうには早いかな。

 忍者や盗賊達からの暗殺に怯えながら生きていかなくてはいけないのか。因果応報とはいえなんとかしたいものだ。このまま黙って殺られる訳にはいかない。俺だって好きで倒しまくっている訳じゃないんだ。襲ってくるから火の粉を払っていたらさらに延焼を起こして燃え上がっていってるだけで。


 今日だって、向こうから親玉のような奴に拷問死させられそうになるし。こうなればとことんやってやる。入口も無い出口もないダンジョンを作ろう。墓場階とごみ捨て場階を作って盗賊に忍者共を次から次にぶち込んでやる。【ゲート】や【テレポート】の使用で不可管理者とお供だけが出は入り出来る設計でいこう。うーんまあ出口には・・・


「襲った事反省しています。もう二度と襲撃したりしません。心の底から誓います。」


 こんな感じで【強制】をかける魔術付きの出口でも作るとかしたいものだ。まあ、まずはスキルが使えるようになったり手加減して捕獲できるようにならないといくら考えても意味がないんだけどな。

 こんな所が俺の最近の日常な訳だけれど、ロシナさんと話をしている所に乱入してくる人が現れた。


 二人いて一人は学者風の黒のスーツ姿をした熊みたいな体躯の男。もう一人は最近ここであったことのある声が小さなフード女だ。今日はフードをかぶっていないようだ。見せつけるかのように蜂蜜色をした髪と顔を晒してこちらにやってくる。

 当然ながら、目立つ二人が乱入してくることによって自然と中にいる人達の注目を集めている。


「ロシナくん、話に加えさせてもらってもいいかね」


「リサージュ卿、もちろんです。こちらにお座りください。エリアスもどうぞ」


 ロシナさんは立ち上がって一礼をして返答する。俺も一緒に同じ動作をした。正体はわからないが、無礼があっては不味い。

 熊男が座ると皆椅子に腰掛けた。どうにもこの熊さんは学者なのか貴族なのかよくわからない。体躯を見るとどこぞの前衛が余裕で務まりそうな感じだ。

 フード女はどうもフードをとってもはや雰囲気が全然ちがう。自信に満ち溢れているといったところだろうか。有象無象は気にしないそんな感じが伝わってくる。

 ロシナさんを対面に左右に二人が座る格好だ。熊さんが話をする。


「面白そうな話をしてたじゃないか。スキルについてかね。」


「そうです。ユウタくんのスキル設定についてレクチャーしていたんですよ」


「ふーん。じゃあたしが教えてあげるわ。まずはスキルについてだけれど、ロシナから一通り教えてもらった事の補足ね。スキルには前提スキルというものが存在してね。例えば【クロス・スラッシュ】これなんかわかり易いわ。【スラッシュ】が前提よ。これには習得するのに【スラッシュ】の使用が100から1000回なんていうのがあるの。貴方達異世界人の感覚でいけば熟練度ね。」


「エリアスそんな基本的な事は・・・」


 ロシナさんはやれやれといった表情を見せる。エリアスが根暗だったのは何だったのか、もはや別人のようにはきはきとしゃべる。


「ロシナ、甘い。甘すぎるわ。ユウタは出来が良くないのだからこういう豆な知識も教えておいてあげないといけないわ。もし今も使えないスキルが表示されているなら、LVが足りないのかスキルの使用熟練度が足りないのか、はたまたアイテムで解放されるというパターンもあるわ。」


「話の途中ですいませんエリアスさん、ダンジョン生成クリエイト・ダンジョンって知ってますか」


 熟練度があるのか。非常に為になった。だが、この能力がとても気になる。

 熊学者が答えてくれた。


「ほう、それはまた微妙な固有能力だね。ダンジョンなんてものは宝を隠す為か、力ある者が隠れ住む為かはたまたモンスターが作り出したなんてものだからね。まあ、微妙な能力という話は置いておこう。知っているかといえば一般人は知らないだろうが私達位になると知っている。むしろ、その使い方が知りたいんじゃないのかね」


「そうです」


「過去に例がないわけじゃないんだ。ダンジョンを作るのに囚われた魔術士というのも古い話じゃあない。いくつもパターンはあるが、最近ではダンジョン・コアシステムを採用している者が増えているかな」


「コアシステムですか」


 ロシナさんはすっかり二人の勢いに押されてしまっている。だが、興味深い様子で聞いていた。


「そうだよ、ユウタはダンジョンを運営しようと思ったらさあ何がいると思うの」


「そりゃあ魔力ですか」


「そうそう。でもどうやって魔力を確保するのか疑問でしょ。モンスターを呼び集め配置し、宝を設置して冒険者を呼び込むの。そうやって倒れたモンスターや冒険者から魔力を吸収することで迷宮は広く出来るらしいわ。これが基本的ダンジョン開設お決まりのコースだね。なのでこの大陸の地下には巨大なダンジョンコアが埋め込まれていてそこで魔力が作り出されている。という説もあるくらいだわ。だって普通自然界には魔力なんて生まれないハズなのだし」


 いや、俺はダンジョン運営には興味がないし。取り合えずゴミ箱として活用したい。そういうとこなんだけど。


「エリアスの悪い癖だ。話が脱線しているようだね。能力使い方は・・・そうたしかキーアイテムに触りながらキューブで使用すると能力獲得と様々なスキルが使用可能になる。だったかな、自分でダンジョンを掘り進んで設営しなきゃいけない能力だったらご愁傷様だ」


「まー残念? な能力だね。頑張りなさいよ」


 ・・・この女。なんだか超むかついてきたんだが。いきなりもう親しげに呼び捨てである。なにげに人の顔をジロジロと見つめてくるし。距離も顔もかなり近い。勘違いして宿に連れ込んじまうぞ?


 朝まで寝かせないぜ! ってなったらどうするんだ。見ると髪は黄金の粉を振りまいているような感じだ。ローブから申し訳程度に見える手と顔は真っ白な陶器のように滑らかである。

 そして、ローブからはっきりとわかる位に自己主張している胸。


 この後俺はエリアスをお持ち帰りして一晩中運動した。







 





 

 なんてことは無いな。うん。あったばかりでいきなりやれるようなビッチじゃ長続きしないだろうしな。なにより愛がないじゃないか! キリッ。


 

閲覧ありがとうございます。

皆様から応援いただき誠に大感謝であります。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ