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ヘタレの異世界無双   作者: garaha
二章 入れ替わった男
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253話 こいつら8●杉本・タクヤ 真城・ミユキ 上条・サダコ(エリアス挿絵あり)

 どれいを手に入れた!

 しかし、扱いに困る。家には、連れていけないし命令もできない。いや、しようと思えばできるのだろう。していいのだろうか。チンポしゃぶれとか。


 駄目だな。


「本気で、奴隷にするつもりじゃないんだろ。どうせ、できないなあ」


 エルフが煽りよる。ならば、やってみたい。乗せられると、思っているのか? そうはいかん。


「はは。そうですね。やってみますか」


 すると、顔を真っ赤にした幼女は胸を押さえた。まっ平らなんだから、興味ねえよ。


「ま、まさか。お前、あんな事やあんな事をするんじゃ」


 レイプ目だったのが、幾分和らいでいるようだ。しかし、安心と興奮するのは如何な物だろう。


「それよりも、冒険者ギルドに、おっと」


 外へと出る角で、飛び出して来たのは女の子だった。ふりふりのスカートにリボンが、これでもかというくらいに付いている。


「あいたっ。誰よっ」


 出会い頭に止まったところで、女の子はぶつかってきて尻もちをついている。真っ白なパンツがもろに見えていた。股間は、元気なままだ。ロリコンでないのに、立ちっぱなし。何時まで立っているんだろう。


 隠すのも大変だ。


「失礼しました。姫様」


 知らないが、姫様と言っても問題ないのではないだろうか。貴族なら、姫だし。多分。


「ふんっ。あなた、どこから来たの。見ない顔ね」


 目が痙攣しているのを感じる。最近、増えたんではなかろうか。女の子は、手を伸ばすとその手を払って起き上がる。悲しい。汚い手だっただろうか。


「失礼しました。では、これで」


 女の子の後ろから、メイドたちと髪型だけが違う女の子が駆けてくる。良くない事に巻き込まれそうだ。さっさと立ち去るに限る。腹立たしいが、子供の遊びで時間を費やしている暇はないのだ。ともかく、狩りを進めるかエリアスを待つか。


 と、腹の音が斜め後ろでついてくる娘から聞こえてきた。ウンコ漏らした方だ。まだ匂うのは、気のせいだろうか。城の門を抜けても、後ろで先程の女の子の声が聞こえてくるが。無視だ。関わってはいけない人だろう。


「ご飯にする?」


「ぷーっはっはっは。こいつは、こいつ超ウケる」 


 日本のスラングを理解しているのだろうか。エリストールは、漫画を読んでいるから理解しているのかもしれない。魔術調査とか言って、漫画を読んでいる女だ。中二病を患うのだけは、やめて欲しい。


「き、貴様」


「んー。どうした、糞女。暗殺に失敗した~くさー。これが、ホントのくそ女~。ぶふっ」


 笑いすぎだろう。だんだん、シルバーナが可哀想になってきた。顔を真っ赤にして頬を膨らませている。

 普段なら、ナイフを抜いて凄むところだろう。しかし、そんな事をすれば一家揃って処刑台に並ぶ事になる。


「くっ…おのれ」


 自業自得じゃん。この子、反省してくれるだろうか。怪しくなってきた。なんだか知れないが、シルバーナが、やばい。気を抜いたら、そこで首がない予感がひしひしとする。


「そうですね。お食事をお持ち致しました」


 背後から、人の声。メイドの桜火だ。振り返れば、シルバーナが青い顔をしている。また糞を漏らしそうな表情だ。そして、エリストールは心底楽しそうな顔をしている。なんだか、予想できてウンコ娘が可哀想になってきた。


 手には、弁当箱。


「ありがとう。シャルロッテは、どうしているかな」


「大変ご立腹ですね。マスターが、原因のようです」


 どうにかして、機嫌を取らないといけない。美味しい物で釣るか土産で。

 

 右手を差し出したが、左手が隠れて見えない。シルバーナに何かしているのだろうか。


 まさかね。


「じゃ、シャルの事お願いね」


「いえ。今日は、マスターの側にいます」


 じっと見つめてくる。これは、やばい。下手な事ができないではないか。トイレにはいって位置を直すとか。

 シルバーナを虐めるとか。やらないけどね。


 ほら、ちょっと妄想しただけで読まれそうなんだよ。この子。なぜか、シルバーナの後ろにいる。


「いいけどさ。誰が護衛をしてくれるのかな」


「白とモニカ様にお願いしました」


 白って、チビ竜にだろうか。マスコットとしては、一品の可愛さだが。役に立つのか疑問だ。ぴったりとシルバーナの真後ろにくっつくメイド。息が掛かりそうな間合いだ。


 セリアもモニカも成長させすぎた。役に立つといえば、立つのだけど。


「いいんだけど。それで、いいなら」


 さっきから、シルバーナは沈黙している。手足が、緊張に満ちた動きだ。


「くっ、ぷぷぷ」


 何がおかしいのか、エリストールは笑いっぱなしだ。ともかく、前へ進もう。


「何がおかしいんだい」


「ぷっ。そのへっぴり腰。びびりすぎだろ」


 いや、怖いだろう。何時殺されるか、わからないのだ。しかも、ただ殺されるのか知れない。


「何を喋っているのです」


「……」


 氷のような声。ウンコ娘は、ウンすら言えずに黙った。見えないナイフでも首元に突きつけているようだ。


 エリストールがネチネチとシルバーナに粘着しては、沈黙を繰り返す。と、冒険者ギルドが見えてきた。雪がそこだけ消えている。街の住人が、雪かきをしていた。


 入り口で焚き火をしている冒険者が、顔を見るなり頭を下げてくる。会釈で返して中へ入ると。


「おっと。貴族様が、おいでなすったぞ」


 揶揄する声ではないが、言いようがあるのではないだろうか。すでに、伝わっているようだ。


 拓也に美雪、定子が立っている。やりまくったせいかさっぱりとした顔の男は、


「待ってましたよ。アルブレスト様」


「ユークリウッドでいいですよ」


 入ると、視線が後ろへ向かう。しょうがない。エリストールは、美人だし。桜火も同じだ。人目を引くだろう。初見で、連れていると高確率で因縁をつけられる事は、請け合いだ。


 ハゲマスターは、どこだろうか。奥に引っ込んでいるようだ。


「あの、俺らは薬草取りに行こうと思っているんですけど予定とかありますか」


 何を言っているんだろう。薬草取りに行く? 定番だが、それをしていると爺になるだろうに。ミッドガルドでは、薬草の栽培が行われている。つまり、経済的な結びつきが強まれば、依頼はなくなっていく。輸入されるようになるからね。


 それと、迷宮を探索する事が今日の予定だ。勝手に依頼を取ってこられては、困る。


 育成するなら、高速だ。記憶にある限り、拓也が敵にいた事はないように思える。


「迷宮に行きましょう。薬草は、キャンセル料を払いますよ。俺が、現物を渡すのは違反ですからね」


「え、迷宮って。その昨日みたいなやばいところですか」


 どうやら、情報を集めていたようだ。でかいネズミが出てくるだけの迷宮とはいえ、普通なら拓也たちが挑むには早過ぎる。そして、人が少なすぎる。魔術士も必要だし、斥候役も必要だ。罠を開けながら進むのかそれとも罠にマーキングしながら進むのか。


 全然違ってくるだろう。ゲームと違って、罠は破壊、或いは発動させておけば復活などしない。


「やばいところですよ。気を引き締めていきましょうか」


 アキラを誘うべきだろうか。今日の所は、居なくてもいいかもしれない。シルバーナがいるし。


 桜火もいる。エリストールは、シャワーを浴びたいようだ。馬車にさっさと移動していく。専用の馬車にはシャワーも風呂場もついているからね。快適だ。尻が痛くなったりしない。馬は、普通の馬だけど。


「マジっすか。じゃあ、そのお願いします」


「ええ。準備はできていますか」


「すいません。お金がなくて、地図を買う事もできませんでした」


 なるほど。そういえば、アキラに金を渡すように言っていなかった。クエストを受けているという訳でもないのだ。金がないのも当然だ。食料を売って金に替えているが、どこまで続くのやら。一手に、桜火が管理している。


 帳簿をつけているのも、桜火と分身体であるらしいコアだ。繋がっているという。本当なのか嘘なのか。

 わからないけどさ。信じるしかない。


 ハイデルベルとミッドガルドでの通貨硬貨は、違う。ここでは、また銅貨1枚が100円のような感覚だ。レートがあるのも困りもの。統一して欲しいところである。金が使いづらい。

 

 5万ゴル程の硬貨が詰まった袋を渡す。


「当座は、これで凌いでください。馬車で、話をしましょうか」


 ちらっと桜火を見れば、鬼のような目つきでシルバーナを見ているのを発見した。すぐに、笑顔になるのが怖い。シルバーナは、明日まで生きていられるのか心配になってきた。


「アクアの家に護衛を配置する。手配を頼みたいのだけれど」


「ご心配には、及びません。すでに、監視下にあります。複数の手が伸びておりますので」


「なるほどね」


 血が滾ってきた。さっさと、駆除する必要があるだろう。そして、帝国の手はどうなっただろうか。フィナルとエリアスが処理してくれれば幸いだ。確認をする必要がある。


 ウィルドをぶちのめしに行く。

 任せて、狩りに行く。 

 アクアの様子を見る。


 どれも、捨てがたい。狩りに行かなければ、任務の達成はおぼつかないし。かといって、色々と回れば何もできない可能性がある。


「さて、シルバーナ」


 馬車に乗り込むと、お話をする。御者台に座って、横にはシルバーナを座らせた。馬車の中へも移動できるという改造がされている。しかも、馬がいなくなったら魔力で動く事ができる優れものだ。


 魔改造で、馬車でないと言われそう。なので、普段は馬に引かせている。


「なんだい」


 普段どおりだ。しかし、彼女がどこまで知っているのか。尋問しないといけない。


「アクアを狙っていないよね。そこだけは、はっきりして欲しい。でないと、殴らないといけないよ」


「っ…狙ってない。親父の方は、ちょっと怪我をさせるつもりだったけど」


 殴っていいですか。割りと、本気で。元は騎士なんだから、脅迫とかしちゃ駄目だろう。何故、する。


「親父さんを怪我させて、何の得がミッドガルドにあるのかな」


「それは…。それは、その平民のシンボルになりつつある彼が被害者となると利益がミッドガルドにあるのさね」


 これは、自作自演か。アルルが関わっていないにしても、シグルスが関わっていそうだ。


 しかし、彼女がおくびにもそれを出すだろうか。全く、手が出せない。


「じゃあ、誰から命令を受けたの」


「……」


 黙った。多分、関係なく爆殺しようとしたのだろう。推測でしかないが、ウンコ娘の命が危ういのだ。


 仕方がない。そこまで、鬼ではないし。全く興奮しないつるぺたとはいえ、将来はボインボイン。

 確保しておいてもいいだろう。


「まあ、いいや。シルバーナが危ない目に合いそうだし」


「もう、合ってるじゃないのさ」


 アイアンクローをかましてやりたい。手綱をはなして、アッパーを。人を狙うのも、見知らぬ他人を巻き込むのも騎士道にないだろうに。すっかり、盗賊思考だ。


「そうやって、開き直るのは良くないと思いますよ」


「ふん」


 手綱を押し付けると、中へ戻る。シルバーナは、慌てていたが。代わりに、桜火とすれ違う。


「マスター。代わります」


「ありがとうございます」 


 よく出来たメイドだ。どこかの盗賊騎士とは大違い。爪を粉にして、飲ませてやるべきだろう。


「お疲れ様です。今度は、どこへ向かっているんですか」


「ええと。北東ですね。近場から、駆除していきましょう。山にもあるようですが、入り口を調べてからですね。それは、ギルドの方から資料を貰ってからにしましょう」


 拓也は、ケーキと珈琲を手にしている。エリストールは、まだ上がってきていないようだ。3人の横で、ひよこに狐、毛玉が菓子を啄んでいる。

 ステータスカードを見せてもらうと。


【名前】スギモト・タクヤ

【レベル】3

【職業】剣士

【スキル】剣術 槍術 盾術

【ステータス】◆ 


 レベルが上がって剣術が出ている。まあ、槍で突くんですけどね。


【名前】マシロ・ミユキ

【レベル】3

【職業】治癒術士

【スキル】杖術 盾術

【ステータス】◆ 


 サブウェポンに杖を持ったからか。盾は、長方形の物を貸している。杖は、安い物だ。


【名前】カミジョウ・サダコ

【レベル】3

【職業】格闘士

【スキル】拳術 

【ステータス】◆ 

 

 素手で拓也でも殴ったのかもしれない。グローブを装備している。


 バランスは悪くない。レベルが低すぎるので、要注意だ。


「その、俺らが聞いた話じゃあ、そこらの森でゴブリンを狩るところからだって聞いたんですけど。大丈夫なんでしょうか」


「なるほど。それは、ごもっともです。しかし、冬場の森は危険ですよ。アイスウルフ、アイスベアが出ますからね。ゴブリンも、冬は洞窟に篭ったり移動して温かい場所へ行きます。よって、危険度はむしろ高まる。では、どうすると思います?」


「どう、って薬草ですか」


 薬草が生えていればいいのだけどね。皆薬草を取りに走れば、狩場が被ってくる。次に起こるのは、初心者同士での潰し合いだ。そこをハゲマスターとは話し合った。それで、内職なんて事をするようにしたり手を打つのだが…赤だ。


 赤字だよ。


「この国で冒険者が、少ないのは冬場を越せないというのもあるでしょうね。狩場が、被ってくる。次に起こるのは、何だと思いますか。初心者同士で、潰し合いですよ」


「えっ。いや、でも同じ冒険者で?」


「タクちゃん、やっぱり危ないよ」


「んでも、他に何か仕事があるのかい」


 ない。だから、冒険者は冒険者だし流民になったりする。戦争が起これば、難民だ。生き方がわからないのだから仕方がないだろう。本来なら、国が民の面倒をみるのだが。


 エリストールが、シャワーを浴びてすっきりした顔をして出てきた。着替えている。

 白いふかふかのタートルネックだ。よく出来ている。いい。立ちっぱな股間が、静まらない。長い足に、つま先立ちしても入りそうにない。やるにしても、3人が邪魔だ。細い足に大きなお尻が誘っているように見える。

 

 股間が、やばい。

 

 どうなっているんでしょうか。性欲が。好意に変換されているようだ。


「内職がない、となれば女の人は決まってますよね。男も、大概は暗い方向に行くでしょう」


 しん、となってしまった。


「マスター、襲撃です」


 桜火の冷静な声がする。

 続いて、衝撃波だ。外は、すっかりハイデルベルから離れている。シルバーナの手引とは思えないが。


挿絵(By みてみん)

アイドル風エリアスです。みてみんの容量が足りない! Orz


「ちょっと、なんか明るい感じすぎないか?」


「元の素材は、いいんだと思います」


「ほほう。で、どうなの」


「どうなのとは?」


 アキラは、不審な目をした。

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