36話 森で木こり! (ユウタ、セリア、モニカ、アルル、シグルス、スパイダー、ブラウンベア、ビッグフット、襲撃者)
某日某時刻 とある場所
「なにこの依頼・・・報酬が半端じゃないよ」
「リーダー受けるのかそれ」
「気が進まないよやめようよ」
「・・・受けるつもりだ」
「本気でいっているのか?」
「今度挑むダンジョンのため装備更新に大金が必要だし」
「・・・だからって金のためなんでもしていいのかよ」
「わかっているさ。今回限りだよ」
「・・・(もうダメかもな。)」
「・・・(わかるけどさ焦りすぎだリーダーじゃねえの)」
「・・・(みんな納得してないぜ?)」
「・・・(上手くいってもいかなくてもパーティーは空中分解だよ)」
「・・・(それもこれも税が重すぎるんだよな・・・)」
「・・・それではみんな準備してくれよ。以上だ」
「・・・はいよー」
◆
6日目
ふー。切り倒しに切り倒した。もちろん木だ。
雑草とかも大量にでるし切り株は放置されているしで、とても道といえないが徐々に伸びてる。
木の切り株も取りたいが・・半端な力では抜けないし体力の消耗しすぎて動けなくなると不味い。
休憩所広場を拡大するとモンスターやら敵が屯してたら襲いにくくなるしね。
騎士団から駐屯兵でも来ない限りあのままでいいかもしれない。
やたらモンスターやら敵さんのが屯してたりするからね。
味方の冒険者達はどこいったのか。襲われて殺されてしまったのか?
まさかな。ゴブリン達に捕まってあんなことやこんなことになってたり・・・。
しないよな?
嫌な光景が目に浮かぶ。どうするこの人数で奇襲をかけるか?
敵の全戦力かもしれない場所を5人で?
いや・・・さすがに無謀すぎる。偵察位しておくべきだろうか。
ゴブリン共が木こりの音で釣れるといいんだけど。
亀のように村に立て篭られると色々厄介だ。
ゴブリン共どうしようかな、考えがまとまらないので置いておこう。
村から森に入り道を広くしながら。
道の整頓しつつ木こりをやってく。
オークと戦って、ここに来て道を作りながら木こりだ。
周りを見るとスパイダー共は片付いたようだ。
ブラウンベアにビックフットが倒されている。
色違い熊だ。多少毛並みが違うのと強さがちょっとだけ違う。
アル様もシグルス様もモニカも装備についた糸を引き剥がしている。
蜘蛛から取れるのは・・・。
毒に糸くらいしか採れないな。
マンティスからは、やはり鎌手くらいだ。
売り物がホントない。自然に薬草とPOTの材料しかとってない。
そういや最近MP回復POTを飲まなくなったな。
今日も結構な数の魔術を撃ちまくってるわけで、POTを飲んでおこう。
丸太を利用してキノコ、松茸の養殖でも始めるかね。
鉱山とかあって宝石とか見つけられるとかないからなあ。
辺り一面木しか見えない樹海が広がる森だし。MMOとかだと道端に生えてたりするんだけどこの世界じゃ見ないな。
資金難だ。いよいよ迷宮に潜るときか?
しかし、そうすると開拓が進まない。開拓か資金集めどちらを選ぶべきか。
うーん、難しいな。
「ゴブリンが30ほど向かってきているなご主人様」
「またか・・・」
「どうするのだ。ご主人様」
セリアはとても嬉しそうだ。もちろんそんな表情を見せる子じゃない。
だが、目とか口調が嬉しそうなのだ。
周辺のモンスターは倒しているので、また引き狩りするかな。
俺一人なら、間違いなく逃げ出してた。昔と違って一人じゃないっていい。
「アル様シグルス様モニカ。ゴブリン達が接近してきます」
「ユウタよ、何だそれは願ったりだぞ」
「それでゴブリン達・・・敵の数は?」
「およそ30弱かと我々の6倍です」
「腕が鳴るぞ! モニカも用意はいいか?」
「いえアル様シグルス様モニカはまた後方待機してもらいます。囮はセリアで」
「またあれを使うのではないのか」
其の通りだけど味方を巻き込む使い方は今回本当に厳しい。
下手すると自爆死なんだから。
「巻き込まないために下がりながら使いますので危険です。突撃しないようにお願いします」
「ブー! ブー!」
「アル様あまり無茶しすぎて死んでしまっては、元も子もありませんよ」
何とかシグルス様が説得してゴブリン達を待つことになった。
俺も隠れるとしばらくしてゴブリン達が道の先からゴブゴブいいながら現れる。
セリアを見て突撃するゴブリン達だったが、氷の地面にコケて弓矢と【サンダー】で攻撃を開始するとどんどん数を減らしていく。
【サンダー】と【アイスミラー】の効果で丸ごとしびれて的になってしまうゴブリン達。馬鹿が靴位履くべきってことだ!履かれると困るんだけどね。ゴブリン達10匹にメイジやクレリック系は1か0かってところなんだな。
ゴブリンメイジ始末っと、次はアーチャーっと考えていたら、咄嗟に飛来した矢を避けそこねて右胸にもらってしまった。
敵の弓矢が鎧を貫通・・・しただと。
「ゴホっ・・・ぐはぁ・・・痛ぇ」
「おい・・・! 大丈夫かご主人様。あああ」
「ぐふっ・・・だ・大丈夫だセリア。それより森の中にいる弓使いを倒してくれ」
「了解だ!」
弓手がいるであろう森に駆けていくセリア。
いえ大丈夫じゃありません。かなり危険なことになってしまった。
俺狙いで良かった。
あちらもサポートに弓手がいたってことか。
弓矢を引き抜くと傷から火が出るような痛みを感じなかった。
とっくに痛みすら感じない傷に連続で【ヒール】をかけつつPOTを飲む。
アドレナリンが出てるのか。気絶しなくて良かった。
相手も同じ事考えるもんだ、ゴブリンを囮にするとかやられた感じだ。
オークの盾を出すと木陰から突き出す。
出した瞬間矢がガッと刺さる。相手の弓手は凄腕だ。
ここは引くべきか。相手がどの位置から射っているのか掴めない。
大盾貫通してきやがったし。
相手は俺を攻撃出来ないようにして動けないようにするだけで勝ちだし。
どうにかして逃げないとこのままゴブリンにやられる!
なんとかアル様と合流するか攻撃を続行しなくてはいけない。
賭けになるが・・・。
【シールド】魔術スキルと【ウィンドガード】付与術スキルを張ると攻撃を続行だ。ヘルムを貫通してヘッドショットもらった時はその時だな。
隠れている木から出ると懲りずに【サンダー】を撃ち始める。痺れるゴブリン達だった、5匹また5匹とどんどん倒れていくこれで倒していくしかない。ほとんどのゴブリン達は動かなくなった。
【シールド】に触れたのか火花が散ると突然目の前で止まる矢を打ち払う。もう少しでヘッドショットもらうところだった。
弓矢が防御魔術2枚掛けを貫通してくるよ。相手に向かったセリアはどうなったんだろう。
風を斬る音をさせ飛来する弓矢を避けつつ、森からセリアが戻ってくる。
セリアに回復とフルバフを掛けてやっていると、森から現れた5人組のフードと面をつけた不審者達が姿を現した。襲いかかるセリア。
げえぇぇ。って、アル様が飛びだしてくるよ。シグルス様モニカも後に続いている。
バフを掛けるために木陰から飛び出す。
モニカの胸に矢が刺さった。崩れ落ちるモニカ。
「モニカ!?」
「モニカ殿!?」
「・・・」
「アル様シグルス様相手、セリアの援護に行ってください」
二人にバフを掛け・・・っぐ。
う・・・モニカをかばうように抱えると背中に矢が刺さる・・・。
それに、構わず木陰までモニカを連れて行く。
鎧を脱がさず矢を抜くと【ヒール】【キュア】【リジェネ】かけて脱がして傷薬を塗り塗りする。
モニカは・・・。息しているようだ。ショックで気絶したのだろう。そのおっぱい見てるわけじゃないから!
グフッ・・・。血が口から漏れ出る。これは、俺もやばい・・・。
目の前のおっぱいのためにまだ死ねない!
背中に生えた矢を抜く。そして、回復に傷薬を使いつつかける。が、連続で魔術を使いすぎたのか気絶しそうだ。意識が飛びそうになっている。
MP回復POTを飲みつつ口移しでHP回復を飲ませ、同時に飲む。
こ・・・ここまでか? 目の前が真っ暗になっていく。
まさか、また死ぬのか。
◆
ゴブリンを挟んで対岸にある森の中に入ると狙撃手と仲間のそいつらはいた。
狙撃役の弓使いに護衛が5人・・・やれるか?全員フードに面と顔を隠している。
牽制に【ソニック・ウェイブ】を放つと大盾を構える前衛が【ガード】する。
撤退だな。堅い前衛に魔術の腕がどれほどあるのかわからないまま一人で戦いを挑むほど自信もない。
脱兎のごとく後退する、ワンドを構えた魔術士系が攻撃しようと前に出てくる。
このまま釣れるといいのだが。追撃に乗って追ってくるか?
森から出るとゴブリン達は全滅のようだ。
ご主人様の元に向かう。弓矢を躱す。そうそう当たりはしない!
どうやら無事のようだ。
追いかけてきた連中はファイアウォールに飛び込むことなったがあまり効いていないようだ。
掛けられる強化や防御魔術をフルにもらい2刀から槍に交換すると5人が追いかけてきたので突撃する。
不味いアル様シグルス様モニカが飛び出してきた。ご主人様が駆け寄っていく。
【ソニック・カッター】の連続斬撃をガードする盾役を無視するように踏み台にして跳びながら刺突を放つ。
PTに飛び込みながら【スピンスラッシュ】を使い槍の回転させ範囲斬りで敵の連携を乱していく。
魔術師だったようだ。相手の【シールド】はかなり硬い。戦士や剣士や冒険者もかなりの腕だ。
治癒士を攻撃させまいと防御する三人。が、まとめて護衛を【アースウェイブ】で叩き飛ばす。
アル様とシグルス様が応援に駆け寄ってくる。
ガラ空きになる魔術士を仕留めるため接近すると弓矢が飛んでくるので払う。
タイミングも申し分ない弓手の攻撃だ。
弓矢を払うと同時にかがんで魔術師の放つ【サンダー】を避けつつそのままスライディングタックルする。
足で【シールド】ごと相手を持ち上げつつ倒すと槍で止めだ。
「お前達、一応聞いておくが・・降参はしないのか?」
「・・・」
槍が刺さり【シールド】を突き破る感触がすると返答はない。
無言で息絶える魔術師。
残っている4人。彼らにも明らかに動揺する気配がする。
戦士や剣士と斬りあっているアル様、シグルス様。どちらも優勢のようだ。
槍の一閃ですぐさま冒険者を切り倒した。
「降参しろ。お前達に勝目はないぞ」
「いや降参は許さんぞ。全員この場で死刑なのだ」
「アル様それはやりすぎではないですか、捕縛し尋問できるのなら降参を許しましょう」
「む・むう、だが捕らえてジワジワと嬲り殺せと? ここで不埒者どもを成敗してやるのがすっきりするのだ!」
何故だ? アル様はこのようなことを言う方ではない。
不埒者であっても温情をかけて許すのが王道というものだ。間違いは正す。そして良い方向に導く。
王者たらんとするならば導きかつ救わねばならないのだから。
「! まさか」
「そのまさかだ! いけセリア。ここは私達に任せて弓手を仕留めてこい」
治癒士の女を【足払い】で転がすと【ラッシュ】で滅多撃ちにする。治癒士は動かなくなった。
まさかまさかまさか。恐ろしい。怖い。モニカやユウタが? そんな馬鹿な。
振り返らず森の中に飛び込むと弓使いを探す。
怒りで目の前が真っ赤になりそうだ、冷静になれ。
気配を感じない。隠密スキル持ちか? それならば不意を弓矢で射てたのもわかる。
弓使い見つからないだと? ・・・焦るな。相手が居た位置まで移動するがもぬけの空だ。
魔術師がやられた段階で撤退を決めたのか!?
ユウタとモニカを仕留めて目的は半分達成したから?
味方の犠牲がいつも0だなんて思わないが。それでも。
おのれ、おのれ、おのれ、おのれ、おのれえええええ声を上げず絶叫した。
キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 冒険者
装備 ミスリルの剣 チェインアーマー チェイングリーブ 銅のメット 硬い皮のブーツ 対魔術の盾 銅の篭手
オークの弓 オークのワンド
邸宅有り セリア 人狼 モニカ 鍛冶士
スキル テレポート PT編成
特殊能力 なし
固有能力( 人形使役、人形化 )
▽
[冒険者LV52]市民58村人56戦士 56剣士 57弓士 57勇者 58狩人 58魔術士 55商人 52薬剤士 52騎兵 52弓騎兵52格闘士 52英雄 52治癒士 52料理人 52魔獣使い 50付与術士 50錬金術士 50木こり40下忍 40神官35人形使い35
所持金 34万2千弱ゴル(9万クーポン有)
ついに主役交代か!?ま・・どうなるんでしょう




