29話 王都に金ピカ! (ユウタ、セリア、モニカ、アーティ、ロイ、アルル、シグルス、門番、ザミエル、ジェイ、トトリ)
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某日某時刻 森の中
「(そっちだ。そっちに雑魚どもが行ったぞ)」
チィ・・・逃げ出しやがった。PT内会話である念話で連絡を行う。
「わかっているって、こいつら雑魚の癖に結構抵抗するんだよね。マジうざいし速攻片付けようよ。あは【ソニックウェイブ】!」
少女は女の子らしく体つきは小柄だ。が、並いる始末屋の中でも戦闘員としては抜群の戦闘力。大剣をとっては薙ぎ払うかのように戦う。女子供を選ばぬ虐殺者で。だとしても、一際優れた性能の持ち主である。
雑魚の連中も逃げ出せずあっさりと始末されていく。
「一人逃がしてましたよ。しっかりしてください」
ローブ姿に黒装束である。高位の魔術師でもある私の【サンダーブラスト】【サンダーボルト】の前には大抵のものが物言わぬ骸になる。
「ふんザミエル。なんつうか・・・雑魚ばっかで手応えがねえっていうのもつまんねえんだが」
少年は二刀をもて遊びながら冒険者達に止めを入れていく。遊びながら、犬猫をいたぶるように。
といっても周囲に対する索敵と警戒は怠らない。楽しんで遊んでいるようで真剣そのものだ。
「そのうち強敵もあらわれるって、楽しもうよね。ジェイ」
「2人共気を引き締めてくださいよ。ギルドの連中も上位LVの強敵を送りこんでくるでしょうし、このままでは済みませんよ。既に、ここに送り込まれた連中が先に行方を絶っていますし」
「へーそいつは楽しみじゃねえか。かー、たまんねえなあおいザミエルちゃんよお」
そういってヘラリと禍々しい嗤いを浮かべると【クローク】を使い森に姿を消す。
「まったく・・・。彼は手に負えませんよ」
その残虐性といい攻撃性は目に余るのだが、欠点を差し引いても使える戦力であることには変わりがない。
「なにぼやいてんのさ。はやく、ザミエル。急ごうよ。ジェイ先に行っちゃったよ」
「そう言わずともトトリ、わかってますよ」
ザミエルは、トトリというまだあどけない少女の後を追うと、森に姿を消す。そして、残ったのは物言わぬ骸。やがて静寂だけが森を支配した。
◆
「暑いな・・・セリアこのまま帰るか」
「冗談を言って死にたいのか、ご主人様」
「ご主人様約束は守らないといけませんよ」
そうだった、アル様との約束は大事だよね。にしても暑いし水が欲しくなってきた。
只の水だけなら何とでもなるんだが。
麦茶なり緑茶なり。その用意は簡単じゃないしなあ。
クーラーボックスを作って各種ジュースや酒まで用意するべきだな。
今後の課題がまた一つ増えた。
今日は、やたら日差しのきついし気温も高すぎる。
このまま帰って涼でもとってマッタリしたい。
そうだ、今日は暑いし簡易プールつくってさセリアとモニカにニャンニャンしてもらおう。
あ~、水着どうしようか・・・そもそも売っているのか。オーダーメイドとかだと採寸から入らないといけないだろうしそんな時間があるのか。是非とも、おっぱいに囲まれる生活をこの手にしたいな。
・・・できたらいいよねそれ。護衛断ると絞首刑とかさ俺の中の王族のイメージがぶち壊しだよ。
どこでもド●になりつつある【ゲート】制限もある。だが、非常に便利だな。こんな暑いのに歩いてられるか。
王城につくと早速門番に取り次ぎをお願いする。
「こんにちは、冒険者をしているユウタと申します。アル様にゴブリン退治の件で取り次ぎをお願いします」
「おう、少年。ん・・・こんにちは、ユウタ殿か。アルル様からお話は伺っている。少々待たれよ」
チィ・・・アル様どんだけやる気あるんだよ。
ゴブリン退治だろ、王族のやることじゃないよな。
こういうことは、配下の騎士とかさあそういうのがやるんじゃないのか。
森の中なんて●●●とか出てくんですけど。
PK野郎とかもいたりして・・マジ、カオスですよ!?
アル様に流れ弾で死なれたりして、絞首刑とか笑えないよ。
ゴブリンだけならまだしもオークにコボルト。モンスターはてんこ盛りでさらに始末に負えない相手まで現れるしあの森は一体どうなっているんだ。
しばらくして、城門が開くと門番と黄金の甲冑に身を包むアル様と白銀のプレートメイルを着込み真っ赤なマントをはためかせる騎士二人が出てきた。
「待たせたなユウタ。早速ゴブリン退治だ。これは報酬だ」
「お待ちくださいアル様」
「どうした、騎士シグルス。私は忙しいのだがな」
「いえ、どうしたではありませんアル様。このような者に護衛が務まるなと思えませぬ。何卒ご再考を」
やっと収入にありついて受け取った報酬をイベントリにしまう。厳しすぎる冒険者ライフだぜ。アル様もド派手だが・・・シグルスさんも相当に派手だ。シグルスさんはどう見ても女の子で出るとこがでてこっちのほうを連れて行きたい。黒髪に紅い瞳がポイントだな。美人は何着ても美人だ。
出るところが出てるだけでいいんだよ。賢い人にはわかるよな。
「そういうがな、シグルスよユウタはなかなかの冒険者だぞ。姉上からも許可を頂いておる。下がっておれ。」
「しかし・・・! ・・・なるほどセリア殿か。アル様分かりました。アル様への諫言はここまでに致します。ですが、諦めるわけではありません」
あーなんてこった、シグルスさん諦めないでよ。引き下がっちゃ駄目だってば。無駄に目立つ黄金甲冑装備の王族とかどんだけ客寄せになるのかわかれよな。どんな客寄せになるかすぐに想像がついてしまう。
盗賊ホイホイくらいには使えるだろうが・・・デコイに使って死なれたらこっちが絞首刑である。
「ここは・・・だがしかし。・・・アル様、私も同行いたします。やはりこのまま何もしないのは騎士の名折れです。こればかりは譲りません」
「わかった。好きにするがいい。ユウタ、シグルスをPTにいれてやれ。ただし、連れて行くのはシグルスだけだ。ここは私も譲れないところだぞ」
「アル様、わかりました。ユウタ殿よろしく頼む。すまないなラキシス。ラキシスは待機だ」
「シグルスさん分かりました。よろしくお願いします」
あー、もう一人の女騎士もオッケーだよ。むしろ一緒してほしいです。白銀の甲冑装備と目立つ点はドッコイだけどさ、アル様と交換しよう。そうしようぜ。
しかし、さらに面倒なことになっていないだろうか。どんどん何かに取り込まれているような。便利な奴として位置づけが進んでいるような気がする。
2人をPTにいれると【ゲート】を開いて市場近くに移動する。露天市場で人が多いしスリも多いような、そんな感じなのであまり長居すると人に包囲されてしまいそうだ。主にこの悪目立ちな二人がね客寄せパンダになるからね。
「なんだここは・・市場か。興味深いな。ユウタもちろん寄っていくのだろうな。」
「アル様。買い物は素早く終わらせるので、アル様はここで待機でお願いします。シグルス様、アル様を頼みます」
「ユウタ殿了解した。アル様はこちらで待機ですよ」
アル様をシグルスさんが引っ張って行ってくれた。かなり行きたそうなアル様だが面倒なことに巻き込まれてゴブリン退治じゃなくなるからね。
とりあえずジャガイモとネギと生姜っぽい何かと唐辛子を手に入れた。ジャスミン茶や紅茶に似たのも手にいれたがこれはすぐに作れそうもない準備がいるようだ。香りがいいものはやはり良い。
これでなんとか飯とかについては前進すると思うんだけどどうなんだろか。
うーん、そろそろ盗賊たちから奇襲を受けてもいいはずなんだけどな。忘れた頃に襲うつもりなんだろうか。
あまり待たせてはいないと思う、ペダ村に移動することにした。
「あらユウタいらっしゃい、その人たちはどなたなの」
「こんにちはアーティ。ああPTメンバーだよ。ゴブリン退治する予定だよ」
「こんにちはユウタさん。綺麗な人ばかりで羨ましいですよ。あ、痛いぃごめんアーティ」
アーティにロイくんだ。ちょうど出会ったのだけれど、速攻で足を踏まれたり太ももにツネリをいれられてるよ。
ロイくん、違うんだ。全然・・・羨ましがられることないよ。むしろどんどん面倒なことが増えているような気がするよ。
大分家は様になってきているけど。皆、忙しそうだ。まあ、昨日の今日でもかなり様替わりしているわけで、ちょっとうどんを作っていこう。麺から10分もあればいけるか。厳しいだろうか。
お湯につけるだけだ。味もへったくれもない。食う人いるんだろうか。
「凄い格好だよね。どこからどうみても王子様に騎士様がいるって凄いよユウタ」
「ふむ気にするな娘よ。この村についてはマリア姉上とも話をしているからな何とか良くしてやりたいものだ」
「僅かな期間でこのような村に再建するとは大したものですね」
「ユウタさんの協力があってこそですよ。みんな前より生活しやすくなったっていうくらいです」
「ユウタ、侮れないな。いずれ他の町や村についてもユウタに再生させるべきか」
やめてワシのHPはもう0よ。そんなにコキ使わないで。寝る暇すらなくPOT作ってたりするんだぜ。可愛い女の子とキャッキャウフフする展開が0ってどういうことだよ。
むしろ不幸度がどんどん跳ね上がっているよ。ゴブリンと対決に盗賊達と死闘繰り広げて、ゴメスさんを振り切ってみれば可愛い女の子ゲットだぜと思いきやどうにも手が出せない子だったり、忍者が現れたり、PK野郎に●●●との戦闘あったり。
あれ・・・ドキッなイベントとかもないし。そして今日も今日とて野郎? の護衛である。
「それは置いておいて、みんな。すいません。準備に少々時間取りますので、休憩してください」
簡易テーブルを出すと氷水、冷えた茶を用意して休憩してもらう。ジャスミン茶とか紅茶も用意するべきだな。
コーヒー豆を探すの忘れてたよ。飲み物は重要だよな、みんなこだわりがあると思うし俺もある。あー酒もつくらないといけないんだけど、まったく進めてないな。
うどんの麺を取り出すと料理にかかる。まあ、飯用にいろいろイベントリには食材もぶち込んであるけれどうどん屋もどうなんだろう、この世界に合うのかどうか村の人に食べてもらうとしよう。讃●うどんとかそんなLVではないがそこそこイケルと思うんだ。作るほどに麺にこだわりを求めてしまいそうだ。
すぐにうどんは出来た。が・・・そのかなり暑いのにうどんってどうなんだろう。
「はふはふ、こ・これ結構美味しいですよ」
「ユウタ暑くなければもっとよかったね」
二人とも汗だくになってしまっている。しまった・・・暑いのに熱いものはどうかしてた。
冷やし素麺か蕎麦か中華にするべきだったな。二人とも生贄にしてしまって本当にすまん。
ロイとアーティには食ってもらったが、さすがにPTメンバーが汗だくになってしまうのは忍びないのでやめた。簡易カキ氷は結構評判がよかった。金ピカが何やらオカワリ要求してきやがった。
「オカワリを要求する。ユウタすぐ作るように」
「駄目ですよアル様、そろそろ出発しないと」
「むう、セリア、モニカはどうなんだ。もっと食べたくはないのか」
「十分だアル様」
「アル様~食べ過ぎるとお腹壊しますよ」
「駄々はダメですよアル様。行きましょう」
金ピカの我が儘王族である、世も末だろ前線に出てくるってどんだけ勇者したいんだ。
見事に完封されているなアル様、さらに駄々をこねないだけの分別はあるようだ。
王族としての権謀術数の才にはものの見事にすっからかんぽいが。
「また、村によってくださいよ。待ってますから」
「ゴブリン達やモンスターに負けないでね、ユウタ死ぬんじゃないよ。また来てよね」
「ありがとうアーティ。それではまたの機会に料理考えておきます。売り物の一つになればいいかなと思って作ってみたんですが、少々タイミングが悪かったです。それではまた会いましょう」
二人とも汗だくまみれなのに、嫌な顔一つしていない。
料理するのにTPOを考えなきゃだめだな。二人には悪いことした。
ともあれ。ゴルをかけずに、村興ししていかなきゃいけないので、どうすればいいのか。また今後の課題でもある。
手っ取り早く人を増やすなら、孤児を受け入れるとかか。
まずは金策を進めて収穫が上がったりしたらだなあ。村の再建に道の先は長そうだ。
ロクドさんとゴメスさんは忙しそうなので、そろそろ出発しよう。
キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 冒険者
装備 ミスリルの剣 チェインアーマー チェイングリーブ 銅のメット 硬い皮のブーツ 対魔術の盾 銅の篭手
オークの弓 オークのワンド
邸宅有り セリア 人狼 モニカ 鍛冶士
スキル テレポート PT編成
特殊能力 なし
固有能力( 人形使役、人形化 )
▽
[冒険者LV41]市民47村人45戦士 45剣士 46弓士 46勇者 48狩人 48魔術士 44商人 41薬剤士 41騎兵 41弓騎兵41格闘士 41英雄 41治癒士 41料理人 41魔獣使い 36付与術士 36錬金術士 36木こり21下忍 21神官11人形使い10
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