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ヘタレの異世界無双   作者: garaha
一章 行き倒れた男
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3話 町に野獣と美女だ! ●(ユウタ、ゴメス、サチ)

挿絵(By みてみん)

「流石、ご主人さまです。ここをご覧になったのですね。出番は、後ほどですが。ごゆるりとなさってくださいませ」

 ペダ村を出た俺は、町が見える所まで到着した。したんだが。


「ありがとうユウタくん。ありがとう!」

「いえ。護衛役なので、これくらいは当然ですよ」


 ゴメスさんに謝礼がしたいと言われた。ゴメスさん。すいません。むさい顔を近くに寄せてこないで! そんなにありがとうありがとう。と、言われても困るからさ。ゴメスさんは、涙目でハァハァいいながらである。むさくるしい南米風のケツあごをしてるんだぜ。たまらんよ。俺は、ホモじゃない。何度でもいうが。

 

 おっさんの好感度は、MAXで振り切れているかのようだ。俺はゴメスさんを殴って寝かせるべきかどうか。間近に迫ったその時、本気で検討したしね。俺も盗賊に魔物と連続で戦って疲れている。なので、ゴメスさんに断りを入れる返事もぞんざいになってしまった。不快な返事をしたかもしれない。

 

 けれど、実際問題として。体の疲労が、かなり溜まっているのである。はっきり言えば、これ以上の厄介事はごめんっていうことだ。むさいおっさんと二人きりだと、精神がまいってしまいそうである。こっちが本音かもしれない。だって、そうだろ。美少女を助けるイベントじゃなくてむさいおっさんを助けるイベントなんだぜ? 男だったら嫌だろ。


 いくら心はジジイか何か訳のわからない年齢だったとしても、今はピチピチの少年なのである。ただ、本当にそうだったのかどうか。社畜だったのは覚えているが、今ははっきりと思い出せなくなっていた。奇妙な事である。自分の記憶なのに、だ。村から森の中を通って、町がよく見える所まで来た。

 

 時刻としては、昼過ぎに頃だろうか。頭の真上に太陽が昇っている。町の周りにある畑も見えた。町の入口に着くと、そこで検問があるらしい。ゴメスさんが御者をする牛車。その荷台に積んである物は生物(なまもの)でなく、武器防具ばかりだ。

 ゴメスさん曰く、イベントリに回収したウルフの肉は腐らないらしい。だから、時間がかかってもよかったんだろうか。森の中で、ゴメスさんも盗賊やらウルフやらで大変な目にあったし。ガタイがいいのに、顔色が悪い。ゴメスさんの動転ぶりも、精神的なストレスなのだろう。疲労と精神的な反動がでたってことだろう。言うなれば吊り橋効果。

 

 自分で言っていて気持ち悪くなってきたが。言っておこう。俺にBLの気はない。ゴメスさんとあの村人達だけなら、どうだっただろう。盗賊だけでも、1回どころか2回3回は、死んでいてもおかしくなかった。護衛の村人達三人が森を無事出て、村に帰っていることを祈るばかりだ。


 俺としては、ゴメスさんに町まで連れてきてもらえただけでお腹一杯である。疲労も極限に達しつつある。もう今にも居眠りしそうだった。とりあえず最優先は、宿屋かなと考えている。そして、丁度よくゴメスさんの検問チェックがおわったようだ。

 

 検問官が、簡単にキューブチェックするらしいので呼ばれた。


 キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 市民。違いない。

 

 人に見られるのは気分的に宜しくない。しかし、ゴメスさんから話を聞いたのだ。なんでもジョブが盗賊、海賊、山賊といった連中は賞金首で。こいつらは、町の中に入ろうとすれば捕まるのだとか。

 

 入口の検問官が話す所では保釈金を積めなければ、絞首刑や奴隷転落もあるらしい。ゴメスさんから冒険者ギルド、狩人ギルド、賞金首換金に騎士団詰所の場所も教えてもらった。オススメの宿についても聞かせてもらった。ゴメスさんは、何故だか終始上機嫌。それに、大盤振る舞いであった。


 森での事は、なるべく黙っているようにお願いした。次いで、盗賊から奪った武器や防具、馬とか売りさばいて欲しいと。だって、当座のお金はいくらあってもいい。そういう訳で、馬をゴメスさんに買い取ってもらうことにした。

 

「馬ですか、知り合いの商人にあたってみましょう。ほかならぬユウタくんのためですから。そうですな。よろしければ、他の武器防具についても買取させていただきますよ」


 なんかすごいやる気である。むさくるしいけど。ゴメスさんは、いい人なのかもしれないな。武器は、ダンジョン内で弓が有効なのかわからない。なので、当座は手元に置いとくことにした。


 余っている防具と馬売りでいこう。ゴメスさんと一緒に移動して、ゴメスさんの知り合いである商人の所にいく。結果は、即売だった。


 売り値が馬1頭で30000ゴルってすげーよ。こりゃすごい。いきなり俺の所持金がもりもりと増えた。35000に加えて42万小とか。ついてるわ・・・・・・。金貨に銀貨銅貨鉄貨大量であった。俺は、イベントリを開きすぐぶちこむ。貨幣は、かさばってしょうがないがしかたがない。リュックに小銭だけを入れておく。


 金をゲットしにいくことにして、ゴメスさんと別れることにした。同行もここまでだし、このまま一緒にいる事に身の危険を感じる! 俺は、ホモじゃない。しつこいけど言っておく。いつでも村にお越しくださいといわれたけど、困るわ。このまま野郎にモテても不味いのである。

 

 BLの気はない。何度でも言っておこう。


 異世界にきて、色々あった。昼だというのに、疲労で眠い。猛烈に眠いんだがどうしようか。盗人宿なんて引いた日には目も当てられないし。ゴメスさんに良質な宿のことも聞いていたから、大丈夫かね。


 町の中で道を歩いているとやっぱ美人がいるんだよ。これがファンタジー世界!

獣耳をつけた獣人から鳥人までいろいろだけど。やっぱいる! そうだよ。これがファンタジーだ。耳長な人はいたが、見たのは1人だけだ。エルフさんかな。違うかな。

 思ったのは、やはり顔の造形がちがうってこのことなんだなと。亜人さんは数が少ないみたいだ。九割は普通の人みたいな? ちょっと残念だ。町の通りを歩いている間に、衝撃を受ける光景に出会った。

 

 全裸の男女が、晒し者にあってるのである。ふぉおおお。これが奴隷市場ってやつか。おかげで、すっかり眠気のほうは飛んだ。むしろ股間がギンギンである。そんな素振りは全く見せないが! 俺は、紳士なんだ。建前はいつだって必要だ。


 でも奴隷市場に興奮は隠せない。女を口説くなんて無理だからなあ。未だに童貞だし。取りあえず。冒険者ギルドと騎士団詰所によって、それから宿で寝ることにしよう。最初に、冒険者ギルドに入ってみることにする。結構な賑わいかと思ったら、まばらに人がいる感じである。寂れているのかな。


 俺はカウンターに進み、受付嬢に声をかける。文字が読めなかったのであった。不思議な文字でさっぱりわからない。話せるのに、文字が読めないとかないわあ。おかしいな。

 

「サポート担当のサチと申します。アーバイン支部冒険者ギルドになにかご用でしょうか」


 受付してくれる人は、化粧が少し濃い。控えめな美人だ。胸は普通だな。だが、受付嬢が話しかけてくれて大変助かった。なので、色々情報を引き出すことにする。


「迷宮に入るにはどうしたらいいのか?」

「冒険者がPT内にいてPTを組むことではいれます」


 ほう。


「迷宮いくにはどうすれば?」 

「移動手段として、テレポートと徒歩がございます」


 徒歩は嫌だな。


「テレポートとは?」

「冒険者の持つスキルでございます」


 怪しんでいる。多分。


「冒険者になるには?」

「村人か市民から転職できます。冒険者になるとギルドからサポートが受けられます。そのかわり狩人ギルドには入れなくなります」


 どっちにも入れないのかな。 

 

「ありがとうございます、サチさん少し考えさせてください」


 なにいいいい。冒険者ギルドに入るならハンター諦めろとな! 究極の2択じゃないか。フィールドで稼ぐかダンジョンに篭って稼ぐか。どちらか選べってことなのか? これは考えさせてもらうしかない。とりあえずダンジョンに潜ってお宝稼ぎ。フィールドでも素材を稼ぎたい! どっちもさせて欲しいな。

 

 いやいやまてよ? どっちも持てばいいんじゃないか? でも、駄目みたいだ。

冒険者になるだけか。狩人にはすでに持っているわけで。なれんのかねえ。なりたいなあ。しかしわからないことだらけ。で、正直上手くいくのか? とも思う。


 一度ダンジョンに入れないものか。ジョブ冒険者をゲットできそうな気もする。


「サチさん市民のままダンジョンに入ってみたいのですが。その場合はどうすればいいのでしょう」


 俺の言い出しがお上りさん丸出しである。それとも凄い怪しい奴か。サチさんは、微笑みながら答えてくれた。その場合は、テレポートでダンジョンに飛ぶ。その後、現地のダンジョン前に待機する冒険者にPTにいれてもらう。しかるのちにダンジョンに入れば、他の職でもダンジョンに入れるらしい。


「そのようなソロのかたも稀にいますが、本当に稀でございます」


 サチさんは微笑みながら答えてくれた。なるほどソロで入って毒や麻痺、睡眠、石化をうければ即死につながるよな。それよりもPTを組んで、安全に戦うそのほうが断然いいはずだ。


 しかし、パーティーを組むか・・・・・・。ネットゲームでネカマと野郎だけだった記憶が蘇る。野郎パーティーしかみえてこないよ! また同じ展開しか、俺には見えてこないな。美少女が欲しい。潤いが欲しいよな。どうする俺。


 しかし、サチさん。やけに意味ありげな視線だぜ。まさか俺に気が・・・・・・。いやそんな馬鹿な。いつかみたいにまた勘違い野郎、ピエロになってしまうんじゃないのか。俺の脳裏には、ガキだった頃の苦い思い出がフラッシュバックする。ああ、わかっているぜ。気のせいだ。そう気のせい。


 アーティの件で一旦萎え萎えになっていた。しかし、すっかり心の股間はギンギンである。もちろんそんな素振りは見せないがな!よし。んじゃダンジョン入るだけだ。中に入って帰ってこよう。後は、テレポートでパッパッだよな!

 

 サチさんにお礼をいってカウンターをはなれることにした。俺はテレポートを持っているという冒険者に飛ばしてもらうようにお願いした。


「アーバインダンジョンか・・・・・・それでは代金15ゴルになるがよろしいか?」

「お願いします」


 冒険者に言われるままゴルを支払う。そして、PTにいれて貰った。呪文だ! そうだ、しっかり聞いておこう。


「冒険の神よ探求を追い求めたる使徒をかの地に誘いた給え【テレポート】!」


 光る門か。輝くどこでも○アができたかんじだ。しかし、これ向こう側が見えないし大丈夫なのか?


「どうした? 向こうの様子が知りたいのならば、穴に目をとじて触れればどこなのかわかるはずだ」

「どうもありがとうございます」


 まごまごしている俺に親切にも教えてくれる冒険者さん。なるほど、確認出来るからトラップホールにはつかえないと。目を閉じて触ってみると、たしかに向こう側が脳裏に浮かぶ。

 

 そこは、アーバインの町の真ん中ぽい場所だ。そして、同じような冒険者が入口にいるわけね。俺がおそるおそる光る門に入ってみると、景色が一転した。すげー、すげーよ、テレポート。空間転送。これは素晴らしい。ダンジョンには、地下鉄の入口のような穴から中に入ればいいのかな?

 

 これがダンジョンの入口か。そこにはギルド管理者とか管理する人間が誰もいない。おかしいな。入り口には冒険者が居るんじゃ。誰もいないのは、おかしい。けど、都合がいい。入場料タダになるじゃん。よっし。俺は、冒険者さんからPTに入れてもらってる。

 

 このまま中に入ろう。



 そして、俺がダンジョンの中に入る。

 そこは!





 キューブステータス サナダ・ユウタ 市民 

装備 鉄の剣 皮の楯 皮の鎧 皮のブーツ 皮の篭手

スキル なし

特殊能力 なし


市民LV22村人19戦士17剣士17弓士16勇者16狩人23魔術士7商人7薬剤士7


所持金45万5千弱ゴル

挿絵(By みてみん)

「なんですの? 自己紹介をしろというのですか。よろしくってよ」

「わたくしは、フィナル・モルドレッセ。女神様に仕える使徒であり、治癒術師でもありますの」

「スリーサイズ? ……消しなさい」


 黒い影が地面を走る。


▷ 逃げる

  迎え撃つ

  土下座した




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