26話 騎士団・・・あれ? (ユウタ、セリア、モニカ、ロクド、ゴメス、レオ、詰め所の騎士、謎の戦闘集団、冒険者)
非常に展開が・・
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某日某時刻 森の中
「お前らは・・・一体なんなんだ! 何が目的だよ」
・・・パララッパララッ。
「ガハッ・・・問答無用かよ・・・畜生・・・」
「こんなもんですかねえ隊長。原住民たいしたことありやせんね」
「・・・気を抜くな」
「こっちの女共はどうしやすかい」
「・・・」
「へへっ、それじゃあ頂きやすね・・・」
「きゃあー」
◆
冒険者ギルドを出ると・・・通りは朝から人の往来が激しい。
例のごとくセリアはギルド内で待機だ。遠くには白亜の尖塔がそびえたつアーバイン領城が見える。
破壊された外壁の修理で人手が不足しているんだろうか。
皆、人の流れは外壁方向に向かっているようだ。
「あのご主人様。セリアさん、騎士団詰所に行きたがりませんよね。何かあるんでしょうか」
「確かに何かあるんだろうけど、まあいいんじゃないかな理由ありそうだし、話せるようになったら話してくれると思う」
「ご主人様・・・そうですよね」
騎士団詰所にいる見張り役の騎士に話しかけよう。
「あの冒険者をしているユウタと申します。騎士レオ様かアベル様に面会の取り次ぎをお願いします」
「おお、また来たのか君。少々お待ち頂けるか」
名前くらい覚えてくれてもいいんじゃないのかこの人。
少し愛想が良くなっているような。
「わかりました」
「こちらだ、仲間は外で待たれるように」
なんとか取り次ぎしてもらえそうだ。もうすっかりモニカも奴隷どころか仲間に見られているようだ。
そりゃ・・・まあ装備も服もむしろセリアやモニカのがいいくらいだしねえ。
「お待たせしましたユウタさん。それでご用件というのはどのようなものなんでしょう」
「それなんですが、色々ありましてどれから話すべきか・・・」
森で忍者達に襲われたこと。オークやコボルトまで現れたこと。セルフィス達が謎の少年に襲われたこと。ペダ村が危ないこと等色々と説明した。
「という訳なのですが、騎士団としては何か手を打てないものなのでしょうか。」
「なるほど話は分かりました。そうですか・・我々としては、外壁の修理や警備状況を広範囲にするくらいしか手を打てません。森の中については、完全に後手に回っています。ルナ様の謹慎が解ければもっと動けるのですが、正直言いまして我々騎士団個人でやれる事をやるくらいです。情報収集のお手伝いなどはさせてもらいますよ。ユウタさんから上げていただいた情報も、こちらとしてはゴルを払って手に入れるような物ですからね。また、よろしければ来てください」
「そうですかレオ様。わかりました。では、失礼します」
んー情報無し・・・騎士団詰所に来たのは無駄足だったかなあ。むしろ情報をタダで渡してるな。
これじゃあメッセンジャーボーイだよ。
「ああっ、ところでユウタさんは獣人で銀髪の女の子の知り合いはいませんか」
[?・・・いるとしたら何かあるんですか」
何か・・・騎士団に関係があるんだろうか。
「いえ・・・確認だけなのですが、ルナ様の探し人なのです。もし見つけられましたらお知らせください」
「そうですか、分かりました。ではまた何か判ればきます」
んーむ。モロにセリアに合致しそうなんだけど、無理やり連れてこようとしてもなあ。
俺の腕力じゃ無理だし、その前に逃げられるか、それともボコボコにされるか。どっちにしても無理やりはダメだし無理だな。
本人がその気になるまで待つか、事情を聞くしかないなあ。モニカと冒険者ギルドに戻る。
セリアが冒険者達にナンパされているんだろうか。非常にめんどくさいことにならなきゃいいが。
むしろアンタやばいよ早く逃げて! 食われるからマジで。
「なあ、ちょっとくらいいいじゃねえか。アンタ暇そうにしてるじゃん」
「暇ではない。待っているだけだ」
「そう言わずにさ、ちょっとだけなあ。頼むぜ」
「・・・おーい、セリアいくぞ」
声をかけられると、セリアがこっちに来る。これで引き上げてくれればいいけどな、テンプレ通りだとまためんどくさい事になりそうだ。
どこにでもいるんだな、こんな連中。
「そんな奴ほっといてよ、俺らとどうよ。頼りになるぜ?」
「そうそ・・、ぶっ」
「困っているようだね、ユウタくん。おい、こいつら連れていけ。人の女に手を出してんじゃねーぞ」
「な、何なんだあんたら。あんたらに関係ないだろ」
「ああん? お前は黙ってろ。・・・人様の迷惑だろ? ・・・ちっとばかしこっちで話をしようや」
あのどなた様でしょう。そしてヤクザさんでしょうか。
ドスさん達も巨漢だったけどこの方もまたでかいなあ2mあるようだ。
・・・そして美形だ。年齢? 何歳にも見える深みがあるな。
ガチムチな兄貴だ。黒がかった茶髪に見事なまで真っ黒なフルプレート。
兜も盾まで真っ黒。
片手剣はこれまた真っ黒な鞘だ。
中身の刀身まで真っ黒なら相当なマニアぶりだろう。
なんというか、職業本に載っていた【暗黒騎士】か【恐騎士】・・【狂戦士】かいやいや【竜騎士】って線もあるな。
うーん、格好良いな。
「助かりました。ありがとう御座います。しかし貴方は一体どなたなのでしょうか」
「おうユウタくん。俺はヒロってんだ、まあセルフィス達の仲間だと思ってもらえばいい。なんでも死ぬところ助けてくれたんだってなあ。・・・ありがとよ。こいつらのことは任せといてくれや」
PTメンバーを紹介してもらう、ヒロさんトラッシュさんダルさんミギワさんワウさんエリシスさんか・・・。
もう人の名前が覚えきれないかもしれないでござる。
「ありがとうございます、助かりました」
「何度も言わなくてもいいぜ。まあ気にするなよな、それとスールの事もありがとな。あいつ結婚するってのに危ない橋わたろうとするからよ。憎めないやつなんだけどな。これで借り返せたとは思ってないけどよ。いつでも、いいぜ頼ってくれよな」
「おーい、ヒロ。こっちきてくれ、こいつら締め上げるからよお」
「今行くぞトラッシュ。おっといけねえ、引き止めちまったな。あとのことは任せときな。またなユウタくん」
「ありがとうございます」
なにからなにまでオンブに抱っこだ。・・・いいのかこれで。
「ふむ、ご主人様は・・・クラン[クロスミラージュ]と知り合いがいるのか?
何それクロス・・なんちゃらって知りませぬ。
「セリア、何それ」
「そうだな、結構な中堅どころで中の上なクランだぞ。クラン員のLVにばらつきがあるから中堅だが。精鋭だけ絞れば、上位に食い込む実力派だ。いうなれば、ちょっと人数が多目な結束力重視なクランだな。もっと上位のクランだとレギオンだとか呼ばれるようになる」
クランかあ・・・そこで仲間作るのもありだよね。
・・・しかし雑魚が入っても・・ボッチみえてるんじゃね。
入れるとこに入るのか・・・。
自然といつの間にか一緒に行動するのか・・・重要だよねえ。
神官系のスキルがあるからボッチにはならんとおもうけど。
【リザレクション】・・・これはずるいな。そりゃ神殿勤めするはずだわ。
歩くPOTから棺桶屋に転職ってのが笑えんけど。
PTに誘われず、ソロでこつこつ頑張ってLV上げてみてもやっぱりソロだったとか・・・悪夢だな。
「クランねえ・・・考えちゃいるけど、セリア何か考えあるかい」
「この話がご主人様の答えになるかどうかわからないが。クランやレギオンに所属していればいろいろなツテがもらえる。アイテム製造だったり、武器防具の融通だったりな。もちろん、迷宮にはいっての攻略法や宝箱を争奪する際にも有利だ。迷宮に入るなら、まずクランを探すのは必要だろう。まあどこに入るのか決めるのは、ご主人様だ」
こんな美味そうな話聞いてしまうと入りたくなるなあ。
・・・しかし村のこととか忍者とか盗賊とか問題が多過ぎて迷惑かけてしまいそうだ。
もし、これが一区切りついて生きてたら入ってみたいな。
「そうだね。どっか探しておくよ。そろそろ村に行こう」
まいったなあ。結局、セリアに騎士団詰所にいかない理由を聞きそびれた。
そう言って【ゲート】で移動することになった。
◆
ペダ村についた。おー、結構家が建てなおされている。
藁屋根だけど・・・火付けられたらまたボーボーだな。
ゴブリン達を村に入れないように迎撃できないものかなあ。
村につくと、しばらくうろつく。ゴメスさんロクドさんが話かけてくれた。
セリアとモニカには木材を置いてからオヤツ用にパンを作ってもらおう。
「おはようございます、ユウタくん。どうですかこの家の仕上がり」
「ロクドさんいいですね、モルタルの土壁わるくないですよ。いずれ屋根もレンガか瓦にしちゃいましょう」
「それでなんだが・・・また木材が足りなくなってきてね。どうしようかと思っているんだが」
「ちょうどよくイベントリに木材ありますよ。置き場に置いておきますね」
「すまないな。しかし、これだけしてもらっても。村人は何も返せないんだが」
「そうですね。いずれ何かで返してもらえればいいですよ。そこでなんですが、ゴメスさん村の守衛に冒険者を雇ったので住むところとかご飯お願いできますか」
「それはもう、ええ。・・・そんなものでいいのですか。ありがたいのですが、村から支払えるようなものは何もないのです」
「大丈夫です。知り合いの冒険者で頼りになりますよ。それと今日はちょっとした特産品の商売について相談があるのですが。いかがですか」
「おお! ・・・お話を聞きましょう」
2人に薪、紙、パン、大豆、醤油、レンガ、コンクリ、家具、風呂、窯、水車、下水道、家、ラビット肉
POT作り、薬草集め、豆腐、味噌製造について相談した。
達成しているものはもういいんだけどね。簡単にできないものはやはり頼んでおくしかない。
「ここにPOTできてるので皆さんに配るのと売り物にするのでお願いします」
「いいんですか。何から何まで・・・私達は返しようがないのですが」
「いいんですよ。みなさんに作ってもらわないと俺も食べられなかったり不便ですから。あとスキルの練習にもなりますし。」
「いずれ、君には何かお礼がしたいな。」
アーティくれよ! とは・・・言えないな。・・・ふー暗黒面に落ちるところだった。
「いえいえ、それよりスールさんたちの事をよろしくお願いしますね。ゴメスさん売り買いについての転送はスールさんとも相談してくださいそろそろ行きます」
「任せておきたまえ、くれぐれも無茶はしないでくれよ」
「また、来てくださいね。ユウタくん待ってますよ」
村に肩入れしすぎなんじゃ・・・とか思うこともあるけれど。
最初にアーティのおかげで助けられた村だしなあ。
もうどこまでも面倒見ていくしかないかな。
材料とか製造とかいろいろやってもらいたいしね。とくに売り買いは出来ないから。ちょっと考えただけでも商人の縄張りとかギルドとかあって他所者が簡単に入りこめるとは思えない。何より時間がない。
商人して冒険して製造に製薬に。
うーん、無理だ。
さてと。今度こそ、ゴブリン退治して休憩所をつくろう。
キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 冒険者
装備 鋼鉄の剣 チェインアーマー チェイングリーブ 銅のメット 硬い皮のブーツ 対魔術の盾 銅の篭手
オークの弓 オークのワンド
邸宅有り セリア 人狼 モニカ 鍛冶士
スキル テレポート PT編成
特殊能力 なし
固有能力( 人形使役、人形化 )
▽
[冒険者LV37]市民44村人42戦士 42剣士 42弓士 42勇者 44狩人 44魔術士 40商人 37薬剤士 37騎兵 37弓騎兵37格闘士 37英雄 37治癒士 37料理人 37魔獣使い 36付与術士 31錬金術士 31
木こり16下忍 16神官5人形使い3
所持金 33万2千弱ゴル(9万クーポン有)
ガチムチ兄貴ばかり増えていきますねえ・・・どういうことだ。




