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ヘタレの異世界無双   作者: garaha
二章 入れ替わった男
242/711

57話 おっぱいが大きくなったあの人がきた。でも、どうしてこちらにやってきたのかというと。ちょっと、怖いんですけど。いきなり首ちょんぱとかされたら、へこみます。

 ラトスクの町にある冒険者ギルドは狭い。

 食事をとっている獣人はちらほらいる程度だ。ユウタは、ざわつく入り口で美しい女性を発見した。

 だが、顔を元に戻す。テーブルの上では、DDが鼻から風船を作っていた。


「(げ、げええ。あれは、あいつはティアンナ? そんな、気のせいだよな。ねえ、まさか、ねえ)」


 もう一度、入り口の方を見れば青い髪をした女性がさっそうと歩いている。

 どこかのモデルも真っ青な胸のサイズに、獣人たちも目が釘付けだ。

 あえていおう、巨大な乳袋だ。バレーボールが二個ついているといっても過言ではない。

 さらに言えば、重力を無視した張り具合だ。かつての暗い表情は、なく自信に満ちた動きだ。


 そして、目が合う。沈んだレイプ目をしていた。どこかそれはティアンナを彷彿させる。


「(やべえ、目が合っちまった。まあ、似ているけれど。違うよな)」


 テーブルの下にある、手を見ると。汗が、じっとりと染みだしていた。

 何故、こんなにも緊張するのか。それは、そうだ。何しろ、一度はやってしまった仲だというのに。

 それを捨てて、この時代にいるのだから。元の時代がどうなっているのかユウタには知りようがない。

 その後ろ目たさときたら、それはもう割腹ものだ。


 女は、すっとユーウの側まで歩いてくる。どういうつもりなのか。

 もしも、ティアンナで。殺す気ならば、とっくに射程圏内だ。ティアンナの魔術は風。

 リーチの程は、それこそ視界ならばどこまでもという程度にはあった。

 それが、胸と同等に魔術の腕が上がっているのなら太刀打ちできるのか怪しい。

 

 鎧にでも変身しなければ、肉片になってしまうだろう。

 女は真横までくると、


「人を探している。ユウタという奴。知らない?」


 心臓が、飛び出しそうになっている。ここで、知らないというのは最悪の言葉だろう。

 どうするべきか。迷って、DDを突く。

 すると突然、テーブルの上で寝ていたDDが飛び上がる。飛んだところを女の手が捕らえる。

 恐るべき早業だ。


「これ、ユウタのペット。君、これをどこで捕まえたの。白状する」


 むんずと、捕まえられたDDは今にも絞め殺されそうだ。

 

「君の名前は? まずそこからじゃないかな」

「私の名は…」


 そこまで言って、女は急にのしかかってきた。なんという卑猥な体勢だ。

 股間が立っていたら、入ってしまうところだ。勿論、そんな事はないけれど。

 苦しい。


「わかるはず」

「あ、あはは。その、もうわかってるなら。勘弁してよ。その追いかけてきたの?」

「ん。んー、殺しに来たといった方が嬉しい?」

「…(うっ別の意味で殺される)」


 乳に挟まれて圧死しそうだ。息が出来ない。必死になってもがくが、顔が取れない。柔らかい物体に挟まれて、普通の男なら嬉しいはずだが。やられた方は、たまったものではなかった。乳で圧死した男とか、情けなさすぎる。

 だからといって、攻撃するわけにもいかない。

 現代なら、公然わいせつ罪で捕まりそうだ。

 それで、


「いや、そっちはもっと勘弁してほしい」

「ユウタを補給。セックスする」


 無理がある話だ。

 度肝を抜かれる。ティアンナは、元々敵だったというのに。

 この豹変ぶり、別人ではないかと見紛うばかりだ。


「いや、それは。あと7年くらいは待ってください」

「話方が変。それと、勃つはず」


 身体を揺さぶられると。

 股間は、正直だ。ふくよかになった女の身体を抱けば、誰でも勃つ。

 こんなところを他の女子に見られたら、刺されそう。

 別の話題と方向に持っていかなければ。


「ティアンナは、何か食べる?」

「ん。食べる。お腹が減ってる。どこか二人きりでのんびりできるところがいい」

「あはは、じゃあ。おしるこなんてどうかな。甘くて美味しいよ。たぶん」

「それにする」


 ひとしきり抱きしめていたティアンナだったが、話を振ってようやく離れた。

 指し示すメニューを手に取りながら、給仕のメイドを呼ぶ。

 そして、注文していると。じぃっとティアンナは、DDを見つめる。


「DD。この子、サボってる?」

「えっ?」


 目がギラリと光ったような。


「違うよ。怠けてなんかないもん!」

「ええっ?(ちょっと待て。こいつ、普通に喋ったぞ。これは…)」


 普通に人語を話す竜に、びっくりだ。話せるなら最初から、話せよという。

 そのDDは、ティアンナに捕まったままだ。握りしめられながら、ユウタの方を見ている。

 どうしろというのだ。異世界日本での力を見る限り、ティアンナの手を振りほどくのも余裕のはず。


「た、助けてえ」

「ほら。サボってる。ユウタ、この子の鱗を毟る」


 金の鱗は売れそうだ。けれど。


「いやあ、それは可哀想だよ。それと、ユウタというのは止めて。ここではユーウでお願いします。ユークリウッド・アルブレストね。お願いだよ」

「わかった。でも、変。話方も変」


 そうなのだ。そうなのだけれども、それを変えてしまっては不味い。

 この世界の人間をだまくらかしていかなければならないのだから。

 いくら言ったところで、信じて貰えるのかわからない。というよりも、傍から見ればただの頭がイカれた幼児になってしまう。そんな世間体を気にしなければならない立場にある。

 

「ともかく食事にしよう。ちょっと、待ってて」

「いいけど。勝手にどこか行かない」


 これで、どこかに行けば殺されそうだ。ティアンナは、がっしりと掴んだDDの頭を爪で遊び始めた。

 ご愁傷様だ。

 向かうのは、台所だ。ちょっとした手料理を振る舞おうというつもりである。

 話をすると、困った表情を浮かべたコックがしぶしぶといった感じで場所を譲る。

 権力とは恐ろしい。


 取り出すのは、トカゲの肉だ。いつぞやにとった肉がそのままイベントリには、収納されている。

 他にも料理の素材は、沢山ある。それをおすそ分けしてやると、


「いいねえ。貴族さまは太っ腹だ。この砂みてえなのは、やっぱりあれかい味付けに使うのかい」

「ええ」


 すごくマッチョなコックは、むきむきした身体に似合わない包丁さばきだ。

 負けていられない。と、肉を適当な大きさに切って焼く。

 肉は、焼くだけでもかなり技量が必要だ。ミディアムかそれともウェルダンか。

 肉には、火をよく通す方向でいく。酢に塩コショウで調整してやると。


「いい匂いだな。坊っちゃん。こっちも食いてえくらいだぜ」

「そりゃあ、光栄です」


 お世辞だろう。だが、そうとわかっていても嬉しくなるのが人というモノ。

 漫画肉も、あるがそれは少々扱いづらい。胃に入る量というのは、決まっているからだ。

 セリアは別としても。

 よく焼けた肉に、野菜の盛り付けをしてやる。それと、ライスを乗せて完成だ。

 味噌汁とポテトをつけてやるのも忘れない。ちょっとしたチェーン店の代物ができあがる。

 いい出来栄えだ。


 持って行くと。


「早いね。ライスもある」

「ま、まあ。それは、作り置きだけど。どうぞ、召し上がれ」


 肉をナイフで切り、フォークで口に運ぶ。一口で、


「美味しい。料理の腕、上がった」

「ふっふっふ。まあね」


 作り続ける事。これが重要なのだ。下手くそでもなんでも情熱を持って、やり続ければ身になるというべきか。自分でも食べたくなるような料理を作るのが、上達のコツといえるかもしれない。最近では、だんだんと道具に凝り始めたのは内緒だ。


「肉なら沢山あるよ。どんどん食べてね」

「ん。食事が終わったら、ユウタを頂く」

「…(どうしてそうなるんだ。この子もどうにかしないと。法律違反だよ)」


 勿論、この世界には法律も合ってなきが如し。法も王の気持ち一つでひっくり返る世界だ。

 とはいえ、美味しそうに食べている。ので、一緒に肉に食らいつく。

 美味い。


「これから、ティアンナはどうするの?」

「ユウタ。ユーウとずっと一緒。死ぬまで一緒。処女膜も再生した。レッツ、セックス」


 無視するしかない。年齢は、加算でいけば100を超えていそうだが。

 肉体は、9才程度。見た目は、おっきいけれど。無理がある。 


「ふう。それはおいておいて、ここに来るのはどうやってきたの?」

「クロノスの力を借りた。スケベじじいだった」

「そうなんだ」


 時空の神さまであっただろうか。ギリシャ系だったような気がする。

 そんなに頭の良くない己では、思い出すのも一苦労だ。好きなことは、いくらでも入ってくるのだが。

 さっきから、ティアンナはセックスセックスと連呼している。

 ちょっと、どうにかしないと捕まってしまいそうだ。周りの獣人たちは、物欲しそうにみている。

 そして、またしても入り口から人が現れる。


 獣人ではない。森妖精(エルフ)だ。


「ティアンナ様ーーー! こちらにおいでになったのですね」


 これまた奇乳の見目麗しい剣士だ。腰にはロングソードを、背には弓を持っている。嫌な予感しかしない。

 それに、ティアンナが返事をする。


「ん。エリストール、追いついた」

「追いついたではありません。貴方様ともあろう方が、護衛を出し抜いてこのような場所に来られるなど。はっ、むつくけき男たちに白濁まみれにされてしまいますよ!」

「…(ねーよ)」


 エリストールと呼ばれた少女は、身をくねらせている。危ない人だ。


「そうでなくても、このような野蛮で未開の地にやってこられるなど。危なくてしょうがありません。ほら、周りを見てください。今にも難癖をつけてティアンナ様のお体を狙おうと近寄る獣たちがいますよ。これでは、貞操の危機です。私の目には、獣人たちの性臭は隠せません!」

「落ち着きましょう」

「特に、この子供です。いかにも人畜無害な風を装って、売春宿に売り払おうとしているのを感じます」

「お水とかどうですか」


 このエリストール。とんでもない人だ。

 水を一杯あおると。


「はっ。この水には、媚薬が仕込まれていたんですか。だんだんと、身体が火照ってきて。いけません、ティアンナさま。早く、逃げてください。このまま、動けなくなった私を欲望のままにマワして種付け完了! アヘ顔ダブルピースでキメセクだぜ! という風にするのです。間違いありません」

「ね、ちょっと場所を…」

「場所を変えて? 手篭めにするんですね。それで、お腹が膨らむまで出されまくって子供ができちゃうんですね? なんてことでしょう。この人は、獣です。私のような見目麗しい女を狙って、舌先三寸でだまくらかして。奴隷商人に売られちゃうんですね。くっ殺しなさい」


 駄目だ。この人は、仲間にすると。駄目だ。間違いなく言える。痴女系女子かぽんこつさんだ。


「エリストール。落ち着く」

「きゅぅ」


 ティアンナが、手刀を首に決める。鮮やかな手際だ。ギルドの中は、騒然としているが。

 もうこうなったら、腹をくくって肉を食うしかない。

 獣人たちが、襲い掛かってくる気配がないのが幸いだ。

 きょろきょろするティアンナが可愛らしい。


「襲ってこない? 何故」

「そりゃあ、セリアがいるもん。びびっちゃうでしょ。プププ。そんな身体で気を引こうとするからだよ。駄目だよねー、ユウタ」


 DDが口元に羽を当てている。喋れるのかよというツッコミを誰か入れて欲しい。

 そして、ユウタと呼ばれるのは困る。あくまで、ユーウだ。


「ユウタじゃない。DD、ユーウでお願いするよ」

「プププ。クスクス。いいけど。ボクは、正直になったほうがいいと思うけどね」

「何言ってるんだか」


 ユウタは勿論そんな事をしたりしない。欲望に忠実になってしまっては、日本人ではない。

 むっつりと言われようが、本音と建前を知る人間だ。

 自然界にはありえないピンク色の髪に細い耳を生やしたエリストールが気絶したまま、横になっている。

 誰かに襲われでもしてしまうのではないか。謎の女だ。


「この人、なんなの?」

「シルフの森からついてきた。護衛。いらないけれど」

「なるほどね」


 そこで、DDが口を挟む。


「へえ、ティアンナ。相当力をつけたんだねえ。もしかして、妖精皇(エンペラークラス)?」

「そのくらい。DDも、倒す」

「いうじゃん。それくらいの相手なら不足はないけど。霊体にダメージを通してくるなら、大したものだよね。ユーウもそれくらいの事はできるだろうけど、事象改変まで手を伸ばせるなら…面白くなってきたね」


 妖精王ではないのか。王ではなく皇とは、また大きく出たものである。

 DDとティアンナが真っ向から睨み合う。とても、シュールだ。

 そこに、中年の赤ら顔をした男が。


「へっへっへ。姉ちゃん、そんなガキを相手にしねえでよお。こっちで、酌の相手でもしてくれよ」

「おい、よせ」

「減るもんじゃねえだろ。なあ」


 そう言って、ティアンナの肩に触れようとする。

 その瞬間。酒の回った男に容赦ない攻撃が。


「ぽぎゅ」


 男は、吹っ飛んで壁に埋まった。木の壁だけに、助かったかもしれない。


「汚いモノを投げてしまった。人間は、やはり汚らわしい」

「あ、あはは。そうだね」

「だから、ユウタは私を物にする。レッツ、肉便器」


 意味がわかっていっているのか。不明だ。

 どうしてこうなってしまったのか。理解がしがたい。誰が教えたのか、とんでもないことを言い出す子になってしまっている。

 周りの人間は、誰も彼もが引いた状態だ。シルバーナか与作丸でも来てくれなければ、このままだ。

 頭を抱えた。

 

 

 クリスマスも近いので、しっと団的なイベントでも考えよう。

 貴方が地面をみると、鍵が。


▷ 異世界行きの鍵だった。

 捨ててしまう。

 150万文字超えた。


 エリストールの髪の毛をファンタジーらしく金髪からピンクに変更

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