22話 森で兄貴! (ユウタ、セリア、モニカ、ドス、セルフィス、サワオ、ルイム、ナル)
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某日某時刻 ユウタ達の休憩所建築予定地
「どりゃ! ふー、余裕だぜ。ドスさんそっちはどうよ」
「確かにな手応えはない。だが油断するなといってるだろうセルフィス。っふん!」
「まあまあ、ドスさん。セルさんはいつも通りってことでいいじゃないですか。」
「サワオは早く怪我してください! 私仕事がないです・・・」
「あールイム、サボるな! てや!」
「ナルの言うとおりなの・・・コクコク。アイテム集める。拾ってルイム」
「へー、皆さん方お暇そうですね。それじゃこんなのどうですか?」
「なに!」
「体が!?」
「ほらほら遊んであげますよ!」
「貴様誰だ。やめろ! なにをセルフィス!?」
「わからねえ、わからねえんだ! 体が勝手に動きやがる! 畜生!」
「貴方の仕業ですか。どうしてこんな事をするんですか?」
「愚問だね。強ければ何をしたっていいのさあ、弱ければ何されてもしょうがない。諦めちゃいなよ。這いつくばって許しを乞いな、まあ許してやらないけどさ。強ければ生き残る、弱ければ死ぬだけ。抗ってみせてよ。さあ!」
「クソったれ、うおおおお。ドスさんやめてくれ」
「セルフィスすまん。体が言う事きかない! うおおおお!」
「互に殴りあってよ。それでもまだ心が保てるかなあ。ぎゃはは」
◆
休憩所建築予定地まで薬草を取りながらたまに木こりして進む。
「ユウタ達はいつもこのようなことをしているのか?」
「アル様。いえたまたまです、オークとか初めてでした」
「それにしても見事な連携だった。訓練にはいいな。マリア姉上にはいつもながら本当に感謝だ。いつも、騎士達に手加減されていてな。正直言って私は一体なにをしているのかわからなくなっていたのだ。」
「アル様それは良かったですね、えーい!」
キラーラビット・・まんまウサギである。すばしっこいのが取り柄みたいだ。角がないのは逃げてしまうので角が生えている奴で倒せそうなのは倒してこう。アルとモニカがウサギ狩りに勤しんでいる、その間にセリアと木こりする。
「何故ユウタは木こりの真似をしているのだ?」
「何故ですかこれも村のためですよ。木材もウサギも村の土産物になりますし。アル様にはさせれませんけどね」
イベントリに死体ごと入れて持っていったほうがいいかもしれない。
「そうか、すまなかったな」
「木こりはほどほど道を広げるかんじでやってるので時間かかってすいません」
まあ・・・セリアがもりもり切り倒してるんだけどね。俺が回収してる方が多い。いつの間にか俺は丸太を抱えて持てるようになってたのにはビックリだ。
「ご主人様オークが森の中を20匹か。村の方向に向かって移動しているようだがどうする?」
またかよ、しつこい。オークもゴブリンもつるんでいるんだろうか。森の中か・・・ならやりようはあるかなあ。
◆
「今度こそアル様我慢してくださいね」
「モニカよわかっている。しかし、作戦とはいえ敵に後ろを見せて逃げるとは・・・騎士道にもとる行為だ。」
アル様にとって騎士道は大切なものかもしれませんが。死んだらそこでおしまいです。
「アル様お願いします。オーク達を引き付けるのが任務ですよ」
「確かにそうだ。これは任務だ。が騎士ならば正々堂々の勝負がしたい」
顔をプーっとふくらませているけどダメです。
「アル様、相手はモンスターですよお。今度、作戦無視したら引きずっていきますからね」
「うっ。わ、わかりました」
「アル様、わかってくれればいいのです」
オーク達の前に姿を見せて逃げる簡単にみえて難しい任務なのに。アル様は本当にわかっておられるんでしょうか。引き離しすぎず、かと言って追いつかれてはいけない。
「アル様オーク達が来ましたよ!」
「ああ、しかし敵を目の前にして逃げるとは!」
渋々ながら一緒に逃げ出してくれました。オーク達は叫びながら追いかけてくる。元の場所に戻るころにはオーク達の気配はなくなっていた。
「はあ、はあ。納得がいかないぞ、モニカ」
「アル様、やりましたね作戦通りですよ。」
ご主人様がアル様の特攻癖を治そうとしているんですよ。わかってもらえるかどうかわかりませんが。きっとアル様の実力以上の相手が来たときも、逃げることが出来ない。なんてことがないようにしたいんですよ。
「はあ、はあ。もう追ってこないようだがモニカ」
「ええ。! ・・・アル様。前方にモンスターです」
大きな熊タイプの敵です。どうしましょう。
「丁度いい。ビックフットか! 相手にとって不足はない! いくぞモニカ」
「ええっ。アル様後ろからオーク達がきたらどうするんですかあ」
「そこはセリア達がなんとかしてくれてるだろう? ハッ!」
アル様はビックフットの攻撃を交わしながら胴体に剣の一撃を叩きこみました。さすがに一撃で倒せないようです。やはり、アル様を引きずっていくべきでしょうか。
「構っている場合じゃないですよ! や! たあ!」
鋭い爪の一撃を余裕もって交わしてビッグフットの腕を砕く。悲鳴を上げるビックフットに追撃の一撃で足を砕く。
「止めだ! ハッ!」
動きが止まり体勢の崩れるビッグフット。そこで見事にアル様の剣がビックフットの頭部を切断する。
「ふーどうだモニカ。・・・どうしたモニカ?」
この子にはお仕置きが必要な気がしますご主人様。やっちゃっていいでしょうか!
「アル様。モニカ、大丈夫みたいでよかった」
◆
【隠密】ねえ・・やりかたがわからない・・できるようになるんだろうか。【高飛び】と違って無理やりなんか使うことができないようだ。何か足りないものがあるんだろう。
セリアはハルバードから2刀に変えてある。森の中で長物は厳しいだろうし。しょうがないので息を殺してオーク連中が通りすぎるのを待つ。そんな簡単に行くもんだろうかと心配したが・・・連中想像通りでなんともいえない。
連中の目の前にアルとモニカが現れる。そして、アルとモニカが逃げ出すと雄叫びを上げて嬉々として追いかけていく。
最後尾のオークからセリアさんによる豚肉生産現場だった。1対1の20回で援護いるのか? みたいな展開だ。
ユウタは神官を獲得した!
追いかけてるはずなのに実はセリアに追いかけられると。オークメイジにアーチャーは速攻オークからゲットした弓と魔術で倒しておいたけれども、一方的な展開だ。オーク達は後詰なのか雑魚ばかりだったけど。うーむ。むしろ森の中のような遮蔽物が沢山ある場所でセリアをどうやって倒すんだ。魔術? 飛び道具もあたらないし、罠とかハマるのか? 接近戦は・・俺じゃ話にならない。
つまり、セリアには弱点が見当たらない。
「ご主人様? 聞いていますか?」
と・・顔が近い! あまり覗き込むものじゃないよキミィ ここでチューしたら・・天国に行ける! かなり走ったり剣振り回しまくったというのにセリアにはまるで疲労した様子もない。
剣の腕、槍、2刀なんでもこなすよね。全然気にしていなかったのだが・・セリアの戦闘力半端ないような気がしてきた。見よう見まねでいいからセリアの動きを少しでも覚えるしかないなあ。あるいは教えを乞うとか。どうすれば、鉄の剣で160cmー2mくらいの大小のオーク達が真っ二つになったり、バラバラにするとか出来るようになるんのかなあ。
「ハッ!」
パン! おお・・痛い!DVですよセリアさんせめてチューでそこはお願いしたい・・
「大丈夫ですか? ご主人様、アル様達が心配です。追いかけましょう」
「ごめん。考えごとをしていた」
叩かれるまでいつの間にか考え事して棒立ちになっていた。オーク達の装備などを回収していくと、モニカ達を追いかけるように走り出した。
◆
モニカ達も無事だったようだ。合流するとなにやらモニカは考えこんでいる。でかい熊を倒していたようだ。気にしているのはそれなんだろうか。
「アル様にモニカ、何もなかったか?」
「はいビックフットが出てきましたけどなんとかなりました。セリアさんたちのほうは?」
「森の中で、オーク達を倒すのは雑作もないことだ。どうということもない」
「ユウタ、そろそろ先に進まぬのか?」
「そうですね。モニカあまり気にするなよ? 気楽に行こう」
「ご主人様・・・そうですね・・・頑張ります!」
アル様のことで何か悩んでいるのかな?いろいろ突撃しそうな王子? 様っぽいからなあ・・・フォローが大変だよな。
夜はしっぽりと慰めてあげねば! グフフ。その胸でむしろワシが癒されるのじゃよ。いかん色々止まらなくなりそうだ。
「大丈夫か? ユウタ」
「アル様すいません。考え事をしておりました。・・・先に進みましょう。」
煩悩を振り切って、また休憩所建築予定地まで狩りと採取をしながら進むことにした。
病気に効く薬草とかも調べとかないとなあ・・薬草を時折むしりながら考える。POT業するならついでに薬を売るのもありだなあ。風邪とか肺炎で死ぬのだけはマジで勘弁したい。
「! ・・・どうやら休憩所予定地で誰かが戦っているようだご主人様どうする?」
「急ごう。ゴブリン達に襲われてるなら大変だ」
「了解だご主人様!」
「ご主人様分かりました!」
「急ぐぞユウタ!」
セリアが先行していく。急がねば。
◆
休憩所予定地周辺はゴブリンやオークにコボルトの死体が散乱していた。
!?、先行していたセリアが人族の男に斬りかかったようだが動きが止まる。
男にめがけて【サンダー】を撃ちつつ剣を投げる。
剣はセリアに防がれてしまったが【サンダー】のほうは当たったようだ。
動きだしたセリアは男の首を刎ねた。
どういうことなんだ?
ユウタは人形使いを獲得した!
固有スキル 【人形使役】 【人形化】 を獲得した!
謎の声がまた聞こえてくる。
セリアが止まったり動いたり動き出したりしたのはこのせいか? 首を撥ねられた男はオッサンだと思ったら、黒髪黒目の少年だ。日本人ぽい、その上結構な美形でもある。セリアも俺もはやりすぎたんじゃないか?
「助かった・・ぜ、ユウタ。ありがとよ」
ボロボロのゴミ雑巾のようになったセルフィスがいた。
怒りで目の前が真っ赤に染まった気がすると、少年の体と首を【ファイア】で燃やしていた。
キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 冒険者
装備 鋼鉄の剣 チェインアーマー チェイングリーブ 銅のメット 硬い皮のブーツ 対魔術の盾 銅の篭手
オークの弓 オークのワンド
邸宅有り セリア 人狼 モニカ 鍛冶士
スキル テレポート PT編成
特殊能力 なし
固有能力( 人形使役、人形化 )
冒険者LV37市民44村人42戦士 42剣士 42
弓士 42勇者 44狩人 44魔術士 40
商人 37薬剤士 37騎兵 37弓騎兵37格闘士 37英雄 37治癒士 37料理人 37
魔獣使い 36付与術士 31錬金術士 31
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