21話 森でオーク! (ユウタ、セリア、アルル、モニカ、ロクド、ゴメス、ゴブリン、オーク、コボルト)
某日某時刻 森の奥
「ならば貴様らは好きにするということゴブ?」
「こっちはドワーフ共、エルフ共の相手でいそがしいコボ」
「こっちは多少出せるオク。すでに近く村襲撃にいってるでオクオク」
「既に森の中に人間どもは入り込んでいるのだゴブ!」
「人間に手を出して尻尾巻いて逃げてきたのはそっちコボ」
「お前ら多少は協力するオク」
「これじゃ負ける・・・ゴブ」
◆
ペダ村では、家の再建が多少進んだみたいだ。
村人達は、いそがしそうに歩きまわっている。
「この村になにか用があるのか?」
「ご主人様と村人さん達で村再建してるんですよアル様」
「たしかにこれはひどい。セリアこれはゴブリン達の仕業なのか?」
「その通りだアル様、ゴブリン達に火をつけられてしまった」
「村が襲われた事は、ルナ姉様やマリア姉には知らせたのか?」
そういえばあの場で言うべきだったのか。この子に言われるとは・・・。
「いえ。言ったとしても助けられるかどうか、わかりませんし。ましてルナ様やマリアベール様の心労を増やしてどうするのですか? アル様」
おお、セリア言った! 言っちまったよ。
言いづらい事を・・・。・・・いいぞ、もっとやれ!
「セリアすまない・・・考えがたりなかったようだ」
まるっきり阿呆の子というわけでもないらしい。
「それでご主人様なにか村にどのような御用があるのですか?」
「売り物にする回復薬の薬草を集めてもらえないかとね。家の内装とか仕上げは女性陣にまかせるとか、いろいろ分担してもらわないといけないんだ。なんとか売り物増やさないといけないからね」
「ほうユウタは錬金術士でもあるのか、それは素晴らしいな。だが、ユウタよ早くゴブリン達と戦わせたまえ」
「ははっ。ですが、アル様お時間を少々ください」
まだ作ってすらいないから! 【調合】【製薬】こいつでなんとか儲け出ないかなと思った。
10ゴルでつくって50ー300ゴルとかで売れればボロ儲けだけどそうそう上手くはいかないよな。
作る時間は・・・。夜なべでもするかなあ。
過労死しそうだよ。・・・どうする俺。
まあなんにしても、村の人のやる気次第だよね!
そんな急がなくてもゴブリン達は逃げない。
あっ、いや・・・全滅しちゃってるかもしれんけど。
「まだ時間がかかるのか?」
「今しばらくお待ちをアル様」
少しくらい待ってほしい。この美少年? アル様。
ゴルの掛かってそうなフルプレートが似合っている。が、物事には順番というものがある。
簡単にゴルがガンガン稼げれば全く問題ないんだけどな。
こっちの事情なんて知るわけないからしょうがないけどさ。
盗賊団つぶしなんてそんな続かないわけで。
もっと手に負えない連中が出てきたら終わりだしね。
おっ、いたいた。ゴメスさんだ。ロクドさんもいるな。
「こんにちわ、ゴメスさん、ロクドさん」
「やあユウタくん。ちょうど家に下水用の溝とかつくっていたところさ。ところでこの石窯パンは美味しいね。コッコの卵をまぜてつくったのはなかなかだと思うねえ。ただ、大量にできないからまた工夫が必要だね」
「それはよかったですね。家と食事はなんとかなりそうですね。美味しいパンをつくりましょう」
問題は大量生産ですか。そりゃ簡単にできないというか、2層式にするしかないから時間かかりそうだ。
スープに硬いパンか・・・こんな食事ばっかりだったら反乱をかんがえちゃうよな。
ウルフの肉で夜は焼肉かバーベキューにしよう。
パンがランクアップしたと思う。
「えっと、村の人たちに相談があるのです。売れそうな物を考えたのですがやはり回復アイテムを作るのはどうでしょうか」
「それはいいですね、ただ村に錬金術士がいませんが・・・まさかユウタくんが作るのですか」
「そうですね。なんとか頑張って作りたいのでロクドさんには薬草のほうお願いしたいのですが、できますか」
「なんとか出来るとおもうが、ユウタくんが大変だろう。大丈夫なのかい」
「ロクドさん・・・できるだけ頑張ります」
「そうですなあ、こうしましょう。できた分で使わない物を売っていくと。こうすれば、村もユウタくんにも利益があります。ユウタくん無理をしてはいけませんよ」
回復薬はレッドハーブ・ブルーハーブ・ホワイトハーブのどれかと空き瓶でスキル【調合】か【製薬】で作れるみたいだ。素材みたいな物はほとんどないし。何故か・・・村で木こりしたり大工したり・・・パン屋したりPOT業しそうになっている。そうだ冒険者って何でも屋だったんだ・・・。
「それじゃ、そろそろいってきます」
「そうか、ユウタくん気をつけてくれよ。村のほうは任せてくれ」
「ユウタくんまた、いつでも来てください。歓迎しますよ」
「おふたりともありがとうございます。ではまた来ますね」
やばい話に手間取りすぎたかな。でも必要なことだったと思う。POTなんていくらでも飲むわけですぐゴルなくなってしまう。
◆
「皆さんお待たせしました」
「待たせすぎだぞ、ご主人様」
ごめん。でも済ませておかないと後々困るからね。ゲートを開くと一瞬で森の前に移動した。ゲート用の魔術陣無しだと疲れるな。
「ここは森の入口だな、ここでゴブリン退治をするのか?」
「ええ・・・一応音で出てくるモンスターとか処理しながらです」
アイテム集めとか素材も拾ってく予定じゃいます。
「ユウタは何のためにペダ村を再建しようとしているのだ?」
「最初は世話になったひとのためで。今はそうですねえ。成り行きに流されてるというか、昔はやろうとして出来なかったことが今出来るのでやっているそういうことです」
「そうか、大したものだぞユウタ。私も見習わねばならないな」
偉そうだなあ。なんか、むかつく。
「ご主人様。休憩所の建築予定地には飛ばないんですかあ」
「直接とんだら危ないからねえまだ飛べない。飛んでいきなり囲まれましたなんて手に負えないよ」
「・・・撤退したほうがいいかもしれないご主人様。29、30はいるなゴブリンではなくオークだと思う。こちらに向かっているようだ」
なんでこっち来るんだ。まだ森にすらはいってないのに・・・
「30・・・なんでゴブリンといいオークといいこっちの村にくるんだ?」
「一番近く手っ取り早いからだろうご主人様。この森からだと他の村や町はペダ村を抜けていかないといけないからな。が、なぜ守りが薄いのかと言われれば、モンスター達が森から出てくるなど近年ないことだったからだろう。森や奥の山にはドワーフやエルフ達もいるはずなのだがな。彼らには、人間がどうなろうが関心がないのだろな。どうするご主人様」
また、村破壊かよ・・・何回目だよ。オーク共を森ごと焼いてしまうか?
数が違うし、ここで逃げても誰も文句は言わないだろう。
戦いは数だよな・・・ねえ。どうするべきか。
◆
村を守る! か、ユウタは勇気があるな。どうにも頼りない奴にしかみえんのだ。
ゴブリン共かと思うえばオークか! 腕が鳴る。
と思ったのだが、森に隠れて待機とは納得がいかん!
セリアが飛び込みユウタは援護、私とモニカは待機だと?
オーク共が接近するとユウタはアースウォールで相手の背後を封鎖する。
同時に森の中からセリアがハルバードで飛び込む。
離れているのに振動が来る。【アースウェイブ】か。
さすがだ、セリアが縦横無人に【スピンスラッシュ】でオーク共を仕留めていく。
待機なのは我慢できぬ! ユウタは【高飛び】を使い木の上から弓と魔術で援護している。
オークメイジとアーチャー狙いか。ウィンドウォールが手前にでているがそれを超えた相手のみ迎撃する指示だった。見事な連携だ。
このまま出番もなく終わってしまうのか?
「いくぞ、モニカ。オークごとき何人いようが敵ではない!」
「えっとアル様私たちは待機ではないでしょうか」
「モニカよ。私達はこのままずっと見ているのか? 私は臆病者ではない!」
「あっアル様~待ってくださ~い」
モニカが追いかけるように走り出してきた。
ユウタから【加速】と【強靭】の支援を受けたようだ。力が湧いてくる。
「はあっ!」
混乱から立ち直ろうとするオークファイターに切りつける。【スラッシュ】。上段からの唐竹で真っ二つにする。ミスリルでできたマジックソードは切れ味も抜群だ。
「せい!」
オークファイターの攻撃を受け流しながらカウンター攻撃を叩きこむ。その硬直に別のオークの攻撃が。
「アル様、危ない!」
それをモニカがバックラーで受け止めてくれた。
「ありがたいモニカ。この!」
「やあ!」
私はすかさず胴を斬りつけて振り抜くとモニカのメイスがオークの頭部をメコッと粉砕した。
「すまないなモニカ」
「アル様援護は当然です。次きます!」
私が斬り崩しモニカが止めをさす連携はさまになっていただろうか。
気がつけばオーク全てを倒していた。
◆
オークの中で厄介そうなのは倒したとおもったらアル様が突撃しやがった。
2人に【ヘイスト】【ストレングス】をかけておく。
フォローでモニカがナイスなアシストを見せている。なかなか戦いぶりはさまになっているアル様。
これであと後衛が2人いてくれれば・・・いや装備とか良くしたい。
弓で魔術で援護しているうちにオークたちは全滅したようだ。
セリアがいるところを見ると、討ち漏らしもないようだな。
【高飛び】これは使えるなあ。登れないようなところに易々のぼれるなんて最高だ。
わかりづらいところから弓と魔術で攻撃できるのはおいしい。
オークたちから武器 弓斧剣大剣槍 防具 皮鎧兜盾 などを回収していく。
「お疲れさま、みんなよくやった」
「ふう、大したことのない連中だったな」
「それは違うぞアル様。連携がうまくいっていなければこうも易々とはいってなかったはずだ。結果もそうだが、過程も吟味しておくべきだ。そして、終わった後も警戒をとかない。アル様も【聖騎士】を志す身ならば、当然勝った後も気をつけなければならない。油断は禁物だぞアル様」
「そうだなセリア、すまない」
意外と素直なのか? しょげかえってしまっているアル様。
「セリアさん。ご主人様。アル様頑張ってましたよ」
おお! モニカフォローが上手くなってきたな!
わかっているけど言う事いっておかないと人ってすぐ駄目になるからね。
「わかってるよ。いきなりオークか・・・コボルトやらゴブリンにも気を付けて進もう」
木こりや採取しながら休憩所まで進むことにした。
キューブステータス サナダ・ユウタ 16才 冒険者
装備 鋼鉄の剣 チェインアーマー チェイングリーブ 銅のメット 硬い皮のブーツ 対魔術の盾 銅の篭手
邸宅有り セリア 人狼 モニカ 鍛冶士
スキル テレポート PT編成
特殊能力 なし
冒険者LV33市民43村人38戦士38剣士38弓士38勇者40狩人40魔術士35
商人32薬剤士32騎兵32弓騎兵32格闘士32英雄32治癒士33料理人31魔獣使い31
付与術士26錬金術士26木こり8下忍8
所持金 33万2千弱ゴル(9万クーポン有)
アルがんばっているようです。
 




